文化・歴史
市指定文化財 [宝篋印塔(ほうきょういんとう)]
【製作】天正16年(1588)
【形態】総高116cm、台石幅40センチメートル四方
宝篋印塔は、寛永17年(1640)に藩主浅野氏が侍屋敷を造成するため、鷹匠町にあった寺を現在の愛宕台下に移転したとき、いっしょに移されたものであろう。
台石、基礎、塔身、笠、伏鉢、請花 九輪宝珠が完全にそろっている。なお基礎部分の右側面に「當顔妙臺釋元尼」・「天正十六年子七月七日」と刻まれていて、願主と造立年代がわかる。 塔の三面には南(キリーク)、西(タラーク)、北(アーク)の梵字が刻まれている。また塔の東側に阿しゅく如来(あしゅくにょらい)が浮き彫りされて、塔身が大日如来に見立てている金剛界五仏の形をとっている。笠は室町時代の特徴を示す隈飾突起(くまかざりとっき)がつくられていて、そりは馬耳状に出ている。市内に残る宝篋印塔としては、形が完全であり、年代が記入されている最古のものである。