文化・歴史
市指定文化財 [絹本著色 聖徳太子略絵伝(けんぽんちゃくしょく しょうとくたいしりゃくえでん)]
【製作】室町時代前期
【形態】条幅:縦147.2cm、横49.2cm
一般に聖徳太子画像は聖徳太子の幼年の姿か、成年になった太子像など一人の画像が多いが、本図は聖徳太子の成長に応じた略絵伝の形で描かれている。下部に僧尼4名が合掌して座り、下から上に太子2歳の南無仏、12歳の日羅との別れを描き、画面上部に太子36歳で勝鬘経講を賛美する姿を描いている。周囲と下に日羅太子、恵慈太子、蘇我馬子、阿佐太子、小野妹子(覚哥)が座していて、上部の宮殿内に四天王の一部が姿を現している構図である条幅の表装は、代住職の法衣を使っているとのことである。
作風は、東北地方に見られる「まいり仏」に近い地方作であるが、太子信仰にかかわる多様性を示している。