市長コラム「銭湯」(平成24年5月号)
「銭湯」
いこいの家「はなさか」の風呂 |
「いい湯だな・・・」
3月末に京都へ行った時のことであります。
目的が終わり、帰路に着こうと歩いていると、1軒の銭湯の「のれん」が目に留まり、吸い込まれるように「のれん」をくぐりました。何も持たずに立ち寄ったので、番台さんへ料金を払い、タオルと石鹸を購入し、中へ入ると・・・。使い込まれた木のロッカー、日に焼けた30年前のポスター、古い体重計、首ふり扇風機、ジュースを冷やしておく冷蔵庫、まるで映画「オールウェイズ三丁目・・・」のようであり、懐かしい学生時代の銭湯を思い出します。早速、洗い場へと行き、体を洗い、熱い湯船に入り、壁の絵を見ながら最高の気分に浸ってきました。
帰りがけ、1枚のチラシが視界に入り、壁に貼られたその案内を読むと、「3月31日で閉店」するとの案内でした。
銭湯は風呂好きの日本人にとっては大切にしていかなければならない伝統的生活文化であると思います。しかし、時代の移り変わりの中では、お客が少なくなっているとのことです。閉店の案内を見てさびしさと厳しさを感じました。
現在、笠間市にこのような銭湯は残っていません。永い歴史の中には、銭湯のように時代とともになくなってしまうものもありますが、後世に伝えていくべき歴史的、文化的な遺産もあります。特に、地域の伝統文化に関わるものは、今日に至るまでの大事な足跡です。笠間市にはそういった貴重な遺産がたくさんあります。先人の歩んだ歴史を後世に伝えていくことは、今を生きる我々のつとめではないでしょうか。
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- 2011年9月2日
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