目的の情報を探し出す便利な検索

読み上げる

市政

  1. ホーム
  2. 市政
  3. プロフィール
  4. 施政方針
  5. 施政方針(令和2年第1回笠間市議会定例会) 令和2年2月27日

施政方針(令和2年第1回笠間市議会定例会) 令和2年2月27日

はじめに

我が国では、本格的な人口減少・少子高齢化社会を迎え、令和時代の最大の課題といわれています。本年1月1日現在の人口は、1億2,602万人で、前年同月に比べ30万人減少し、年齢別人口をみると、15歳未満の人口割合は、12.6%、65歳以上の人口割合は、28.5%となりました。

本市における1月1日現在の人口は、7万4,249人で、過去5年間で見ると、約2,900人減少している状況です。自然・社会動態の増減で見ると、出生数から死亡数を引いた自然動態のマイナスの割合が76%となっており、一方で、今後の人口動態で重要な転入者数から転出者数を引いた社会動態の減少割合が24%となっています。年齢別人口では、15歳未満の人口割合が11.5%、65歳以上の人口割合が31.9%となっており、少子高齢化が着実に進展しています。

急速な人口減少、超高齢化によって、国内需要の減少による経済規模の縮小などの様々な課題が深刻化し、また、地域の活力・競争力を維持するためのニーズも多様化しています。更に、近年の大規模な自然災害、感染症の発生などから市民生活や地域経済を守るため、多くの課題に的確に対応した行政サービスの提供が求められています。

このような中、新しい時代を切り開いていくために、これまでに本市が培ってきた歴史・文化・資源などを最大限に活かしながら、交流人口の拡大を図ること、農業、観光、商工業等地域の産業を活性化させて所得向上を目指していくこと、企業誘致による財政の強化を図ることが必要であります。

重要事務事業

地域と産業の持続、発展に向けた取り組みを推進するためには、未来技術の活用、多様な人材の確保を含め、これまでと違った公民連携の推進による新たな行政サービスの取り組みが必要と考えます。

これらを踏まえ、予算編成の考え方として「様々な人材が活躍できるまちづくりの推進」を重点課題として設定し、「笠間市第2次総合計画」と新たな「笠間市創生総合戦略」に即した59事業を重要事務事業としました。

予算編成方針

 歳入についてですが、市税においては、固定資産税の増が見込まれるものの法人税関係の税制改正等の影響があり、令和元年度と比較しますと微減になる見込みでありますが、法人市民税の減収分の補填や地方消費税交付金の増を見込んでおります。

歳出については、障害者自立支援給付などの社会保障関係経費や公債費、公共施設の維持・更新費用の増加が見込まれることから、財政状況は依然として厳しい状況ではありますが、安定的な財政運営が図られている時に、将来に向けた新たな拠点の整備や交流拡大の基礎となるインフラ等への投資を進めていきます。

一方で、限られた貴重な財源を有効活用するため行財政改革を推進し、ビルド・アンド・スクラップにより87事業の見直しを行うなど、効率的で実効性の高い行政運営を目指して、重点的な課題への取り組みを積極的に進めることとしました。

これらの結果、令和2年度の一般会計予算は総額322億7千万円で、前年度と比較しますと15億円(4.9%)の増となります。

特別会計予算については、国民健康保険特別会計をはじめとする5会計で、予算総額は159億7千780万円であります。

また企業会計予算については、病院事業会計をはじめとする4会計で、予算総額は73億2千847万7千円であります。

なお、一般会計予算、特別会計予算及び企業会計予算を合わせた、本市の令和2年度の予算総額は555億7千627万7千円で、今年度と比較すると16億5千235万2千円、率にして3.1%の増となります。

主要施策の概要

1.都市基盤の整備

都市機能の集約と連携により、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの都市構造を目指す「立地適正化計画」の運用を開始してまいります。また、「総合計画」と整合を図れるよう、本市の都市計画の基本的な構想を示す「都市計画マスタープラン」の見直しや地域の景観保全と景観まちづくりを推進するための「景観計画」の策定を進めてまいります。 

  • 「道の駅」の整備

地方創生の核となる優れた企画として、令和元年度重点「道の駅」に選定されました。令和2年度は、実施設計を踏まえ土木工事を継続し、建築工事に着手するとともに、名称決定、農業者の所得向上を図るため、直売所への農産物の安定供給を行う出荷体制の強化として、生産農家への施設整備や育成等の支援を進めてまいります。

また、昨年設立しました第三セクター「株式会社道の駅笠間」では、2021年秋の開業を目指して、出店テナントとの調整などに取り組んでまいります。

  • 畜産試験場跡地

引き続き、企業等の誘致などによる、生活及び経済活動の双方に好影響をもたらす活用について、県に提案を行いながら進めていきたいと考えております。また、周辺の市有地につきましては、北西側約3.1ヘクタールに、市民の憩いの場となる多目的広場の整備を進めており、令和2年度中の一部供用開始に向けて、芝生広場や園路などの整備を進めてまいります。

  • 安居工業地域

常磐自動車道岩間インターチェンジに隣接する安居工業地域については、交通利便性など地域の特性を生かした企業誘致と土地利用の促進を図るため、本年度中に地権者会の設立並びに基盤整備に向けた測量及び設計を実施します。

  • 空家政策

市の基本的な方針、「空家等の発生抑制」、「管理不全状態空家等の抑制・解消」、「空家等の市場流通・利活用の推進」に基づき、「適正管理事業」としての行政指導と、「利活用推進事業」としての空家・空地バンク制度を推進してまいります。

特に、適正管理については、年々増加する空家の発生抑制に向けて、啓発活動を積極的に進めるほか、管理不全空家の解消については、所有者の協力無くして進まない現状でありますが、助言・指導等を粘り強く進めてまいります。

  • 笠間芸術の森公園

あそびの杜の第2期整備として、県と共同で「スケートボードパーク」の整備を進めており、令和2年度中の完成を目指して、滑走面の一部であるパークゾーン、屋根施設、管理棟を整備し、スケートボードのメッカ(本場)としてまいります。また、スケードボードの普及を目指し、市内の若い人達にも魅力を伝えてまいります。

  • 未来技術の導入

公共交通再編に向けて、地域が抱える諸問題に対し引き続き関係機関との議論を進めるとともに、持続可能な公共交通を維持していくために、AI・IOT等の未来技術の導入を含めた検討を行ってまいります。

  • 道路等のインフラ整備

市は強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する「国土強靭化基本法」に沿って策定した「笠間市国土強靭化地域計画」を基に、道路及び河川についての整備を推進してまいります。

また、北関東自動車道笠間PAスマート・インターチェンジにつきましては、市内交通体系の整備をするうえで重要であることから、事業化に向けて国・県及びNEXCO東日本との協議を進めてまいります。

一般県道上吉影岩間線については、JR常磐線堅倉街道踏切の改良及び歩道整備が完了し、その他の県道につきましても、引き続き交通の円滑化と歩行者の安全を確保するため、県と連携し、早期完成に向けて事業の推進を図ってまいります。

一般県道平友部停車場線については、友部駅前から両側歩道の延長690mの無電柱化を計画しており、今年度より駅前から136mを施工し、電線類の地中化により、都市防災機能の強化や良好な景観の創出を図ります。

また、JR常磐線の跨線橋からこころの医療センターまでは、県事業として進められており、市は用地買収に協力するなど、早期完成に向けて一体となって整備を推進してまいります。

  • 生活を支える幹線道路の整備

「来栖本戸線」、「南友部平町線」、「市道(友)2級5号線」などの路線において、国の交付金を活用し整備を進めてまいります。特に「南友部平町線」については、新設される道の駅に通じる道路として、早期の完成に向けた取り組みを進めてまいります。

また、生活道路の整備については、各行政区からの令和2年2月時点の要望19件を基に、優先度の高い路線から整備を進めてまいります。

  • 道路の維持管理

昨年、岩間地区において、試験的に実施した道路管理業務の包括的委託を継続して実施するとともに、友部地区においても新たに包括委託を取り入れ、サービス向上と事務負担の軽減を図るとともに、適正な維持管理を行ってまいります。

  • 水道事業

安全安心な水道水の安定供給を図るため、石綿管更新及び鉛製給水管の解消を重点に取り組み、これまでに石綿管の約9割を更新し、鉛製給水管は、取り替えを完了したところです。令和2年度は、新たに策定した水道事業第2次基本計画に基づき、老朽化した宍戸浄水場を更新するための測量、調査設計及び石綿管更新工事を進めてまいります。

  • 公共下水道事業

平成30年4月から地方公営企業法を適用しており、また、農業集落排水事業においても令和5年4月の適用に向けて準備を進めてまいります。

また、下水道使用料については、人口減少に伴う収入の減や施設の老朽化における経費の増加が見込まれること、一般会計からの繰り出しが拡大している状況にあることから、料金の見直しを進めてまいります。

「浄化センターともべ」については、茨城中央工業団地(笠間地区)の企業誘致による流入水量の増加に対応するため、水処理施設を増設し、令和2年度末の完成を目指してまいります。

  • 農業集落排水事業

6地区全体の接続率は80%でございますが、接続率の低い地区は59%に留まるような状況にあることから、供用開始区域の接続促進を図るとともに、友部北部Ⅱ期地区の管路整備を実施し、令和2年度の完成を目指してまいります。

  • 合併浄化槽設置事業

公共下水道や農業集落排水の実施地区以外の申請者に対し、交付要綱に基づき希望者全員に補助を実施してまいります。

2.生活環境の整備

  • 災害等に対する備え

近年頻発する大雨や地震などの自然災害から市民の生命、財産を守るため、防災対策を強化してまいります。

昨年大きな課題となった停電対策については、自主防災組織の発電機購入支援や避難所のあり方、公共施設の自家発電設備の見直しを進めるほか、拠点避難所の充実として、洋式トイレへの改修やプライベートスペースを確保するための屋内テント等の必要な資機材を整備してまいります。

  • 自主防災組織

地域防災活動の核となる自主防災組織については、これまで、組織結成や資機材購入の補助に取り組んでまいりましたが、現在の組織率は62.4%であります。近年の災害発生状況を考えると、自助・共助が最も重要であり、地域防災活動の核となる自主防災組織が未結成の地区の方々には、改めて検討いただけるよう働きかけていく必要があると考えております。

また、避難力強化として、災害時に地域の集会所等を自主的に開設する「届出制地区避難所」制度の検討を進めてまいります。

  • 防災行政無線

令和2年度から2か年で整備工事を進めてまいります。デジタル化により、高性能スピーカー等の活用による音質向上を図り、情報を災害メールやアプリ等に即時発信できるようにすることで、情報伝達の迅速化を図ってまいります。

  • 原子力災害に対する備え

内閣府や茨城県などとの協議を重ねるとともに、栃木県内の避難先となる5自治体とのさらなる連携、市域を越えた住民避難等の応急対策が迅速に実施できるよう、関係機関と災害時対応訓練を実施し、「笠間市原子力災害広域避難計画」の実効性を高めてまいります。

  • 消防・救急体制の整備

老朽化が進む消防施設について、有識者を含めた検討委員会の報告が出来次第、今後の方針を決定してまいります。また、救急車の出動件数は、令和元年が3,416件で前年に比べ75件増加しており増加傾向にあるため、必要な人が必要な時に救急車を要請できるように、救急車の適正利用を啓発促進してまいります。また、消防力の強化を図るため、はしご車を更新配備してまいります。

  • 消防団

消防ポンプ自動車の更新を積極的に行い、団員及び団員家族を支援するために市内の64店舗が登録する「笠間市消防団応援の店」や消防団員をサポートするモデル地区を構築し、団員募集を積極的に促進しながら、更なる消防力の強化並びに効率的な運用を図ってまいります。

  • 防犯体制の整備

犯罪の抑止効果を高めるための防犯カメラを市内47箇所に98台を設置しており、警察捜査への協力など一定の効果が表れております。令和2年度は、新たに地区や自治会等が自主防犯活動の一環として設置する防犯カメラ費用の一部を支援する補助制度を開始し、細かい路地や住宅地への設置により、市民が安心して生活できるまちづくりを進めてまいります。

民間防犯については、「防犯連絡員」、「防犯ボランティア」等への活動支援や協働した活動等により、防犯思想の普及、犯罪の防止に向けた取り組みを進めてまいります。

  • 交通安全対策

昨年の市内における交通事故発生件数は、218件であり前年より32件減少し、死者数は5人と昨年より1人少ない状況にあります。

引き続き、小中学生の自転車の安全運転教育を含め、特に高齢者の交通事故防止ための啓発活動や出前講座などを実施するほか、通学路の安全確保にも努めてまいります。

  • 消費者行政

笠間市消費生活センターへの相談件数が、1月末で441件あり、前年同時期に比べ98件減少しています。消費者問題が複雑かつ多様化するなかにおいて、昨年、笠間市消費者マイスター19人を任命するなど、地域により身近な見守りが可能となっています。今後も消費者トラブルの未然防止、早期解決に向け、消費生活センターと連携し、市民への情報提供、啓発、相談などに努めてまいります。

  • 動物愛護

飼い犬、猫の不妊去勢手術費補助239件(犬34、猫205)のほか、今年度実施した獣医師会と協働のイベントや寄附金等によりマイクロチップの埋め込みなどの適正管理を目的とした事業の実施により、意識の高揚が図られてきたと感じております。

今後も飼い主の適正飼養の普及、市民の動物愛護意識の高揚を図るため、不妊去勢手術費補助を継続するとともに動物愛護イベントの開催等を実施してまいります。

  • 一般廃棄物処理

「一般廃棄物処理基本計画」に基づき、ごみ処理体制の統一に向け、手数料等の改定や関係例規の整備を進めてまいります。また、笠間・水戸環境組合の解散により、本市単独での処理となることから、施設の修繕計画を含め適正な運営に努めるとともに、新たなごみ処理体制を構築してまいります。

3.健康増進・福祉の充実

幼児教育・保育無償化制度や女性就業率の上昇を鑑み、認定こども園や保育所、放課後児童クラブなどの施設の利用ニーズに応えられるよう、民間施設の利用定員の拡充や施設整備の推進を図ってまいります。

  • みなみ学園児童クラブ

機能移転した「みなみ学園義務教育学校」の敷地内に新たに建設してまいります。

  • 保育士の業務負担の軽減

市内民間保育所等でICT化推進事業を活用し、システムを導入した施設に対し、費用の一部を補助してまいります。

  • 子育て世代への支援

新たに、在宅子育て家庭に対する無償による一時保育サービス「ママ・ホリデー事業」や聴覚障害の早期発見、適切な支援による保護者の経済的負担の軽減を図るため「新生児聴覚検査事業」を実施します。

また、参加型のイベント「かさまみらいフェア」を新たに実施し、お子様連れのご家族やこれから出産を予定している夫婦を対象に、育児について楽しみながら学んでいただき、父親の育児参加の支援や子育て交流を促進してまいります。

  • がん対策

胃がんは、本市における死亡原因第3位のがんであります。

がん検診の胃エックス線検査に加え、令和2年度からは、医療機関において新たに内視鏡検査を実施いたします。内視鏡検査の導入により、受診機会の充実を図り、がんの早期発見、早期治療につなげてまいります。

  • 児童発達支援

本年4月に保健、福祉、教育の連携を一層強化し、人材と機能を集約により地域の中核的な総合支援機関となる「笠間市こども育成支援センター」をオープンさせ、子どもの成長や発達に不安や悩みを抱える方等に対し、成長過程に応じた、 きめ細かで切れ目ない支援体制を整備してまいります。

  • 高齢者福祉

「生活支援体制整備事業」を、今年4月から本格的に実施してまいります。事業の推進につきましては、社会福祉協議会の生活支援コーディネーターとともに、地域づくりに積極的な地域住民が話し合う場を定期的に開催し、地域住民の互助による地域全体で高齢者の生活を支える体制づくりを進めてまいります。

  • 認知症対策

認知症によって徘徊のリスクを抱える高齢者本人や、家族の支援を目的とした「GPS器機の貸与」と併せ、「徘徊声かけ模擬訓練」の実施などに取り組み、市内の協力事業所や市民との連携を深めることで、認知症の理解啓発や地域全体での見守り体制の強化を図ってまいります。

  • 地域医療センターの事業

保健・医療・福祉の連携の観点から多職種により、「みんなの相談室」、「ファミリー健康体験」、社会的背景にあった演題での「講演会」の実施や少子化対策の一つとして、昨年に引き続き、妊娠する前の段階から自身の健康をケアする事業として、「プレコンセプションケア」検診を実施してまいります。

  • 市立病院の充実

急性期を経過し症状が安定した患者さんや在宅・介護施設等から一時的に入院を必要とする患者さんに対し、継続して医療を提供してまいります。

また、引き続き医師確保に取り組むとともに、在宅医療を重視した訪問診療・訪問看護・訪問リハビリを積極的に実施することで、在宅での生活を支えてまいります。

  • 医療福祉制度

さらに少子化対策の充実を図るため、市単独事業により、外来分の対象年齢を18歳高校3年生までに拡大します。制度受給者が安心して医療を受けられるよう、持続性のある制度運営を目指します。

4.産業の振興

  • 企業誘致

昨年、茨城中央工業団地(笠間地区)において、キヤノンモールド株式会社の市内事業所を集約移転するための用地として、10ヘクタールの分譲が決定するなど、5社が操業開始に向けて準備を進めているところであります。

これらの企業が操業した際の立地効果としては、今後15年間で約20億円の税収等の増や約400人の新たな雇用が見込まれております。

市におきましては、県への働きかけなど、引き続き茨城中央工業団地(笠間地区)や畜産試験場跡地をはじめとした事業用地の積極的なPR活動を行い、更なる企業誘致の推進に努めてまいります。

  • 農業を支える担い手

農家の高齢化及び後継者不足による農業労働力の減少は、基幹産業である農業の大きな課題となっております。

次代を担う新規就農者の就農後の経営リスクや、認定農業者等が経営基盤強化のために必要とする農業機械等の整備など、意欲のある農業経営者に対して支援を行い、担い手の確保・育成に努めてまいります。

  • 農業振興地域整備計画

総合見直しを行い、農業振興地域の中で将来に渡って保全すべき優良な農用地の確保と農業施策の計画的実施を推進するとともに、地番をデータ化し、農地地図情報システムの導入による事務の効率化を図ってまいります。

  • 土地改良事業

土地改良新規地区(4地区)や再整備地区(5地区)を既存制度と併せて、新たに創設された「農地中間管理機構関連整備事業」を活用して事業を推進してまいります。

栗の経営規模拡大・品質向上を推進するため、栗畑を10a以上規模拡大する農家に対して、拡大規模や整備内容に応じた補助や一定本数以上の植栽補助など、栗の圃場拡大の促進と生産振興を図ってまいります。

  • 笠間の栗の振興

新たな事業として、栗農家又は新規栗栽培希望者に農地を貸し出す農家に対する補助を行い担い手への集積を促進するほか、栽培管理の支援として、栗栽培に必要となる機材・資材の購入費に対する補助を実施してまいります。

これらの栗生産に関する補助事業をワンパッケージとして、日本一の栗産地の拡大を目指していきます。

一方で現在は、出荷体制においても、JA、農業公社などがそれぞれの販路において、市場や加工業者へ出荷しており、価格や出荷量・時期の連携が行われていない現状を改善するため、市・JA・農業公社が協力連携し出荷体制の見直しを行い、高値で安定した取り引きが出来るような体制を構築し、栗生産農家の所得向上に繋げてまいります。

更に「かさま新栗まつり」についても、市を代表する地場農産品である「栗」を生産者や事業者が県内外にPRすることで、ブランドの確立と地域産業としての振興を図ります。

  • 有害鳥獣対策

市内の農業被害を軽減するため、イノシシによる被害対策として、電気柵等の自己防衛策に対する助成と、捕獲・処分に対する補助を継続すると共に、本市独自の取り組みである「地域住民参加型鳥獣被害対策」として、わな免許取得費、団体活動費の助成のほか、箱わなの貸し出しを行いイノシシの捕獲を継続して強化してまいります。

なお、令和元年度のイノシシの捕獲頭数につきましては、令和2年2月現在で、鳥獣被害対策実施隊と地域捕獲団体及び一般狩猟者合わせて1,166頭の実績を上げております。

  • 商工業

市内企業において人材確保が困難となっていることから、昨年、就職面接会を開催し17名が参加し、4社において9名が内定しました。

また、早期に市内企業への関心を高めることを目的に、高校や大学等の生徒などを対象とした業界研究会を開催し、211名に参加をいただいております。こうした取り組みは、市内企業と学生を結ぶ貴重な機会となっており、経営基盤の安定につながるよう実施してまいります。

  • 笠間焼の振興

国内市場が縮小する中での新たな販路開拓の手段として、販売実績があるイギリスでの、商品開発やブランディングを支援してまいります。

この事業では、笠間焼協同組合が国の補助も活用しながら、笠間市も含めた団体や作家で組織された笠間焼海外販路開拓協議会と、イギリスの陶磁器産地であるストークオントレントが連携して販路開拓を実施します。市では、この販路開拓を通じての笠間焼のブランド力の向上と、新たな販路の確保を支援してまいります。

  • 建設業の振興

平成30年に笠間市建設業振興補助金を創設し、商工会を通じたリフォーム補助により、これまでに117件の利用をいただいています。

この補助制度によって、快適な住宅環境の整備や商業施設の魅力度を高めるリフォーム関連工事の需要を掘り起こし、市内建設施工業者の受注機会の拡大を図るために、引き続き実施してまいります。

  • 観光政策

笠間観光協会やNPOと連携し、本市の資源を活かした「体験型」や「教育旅行」などの多様なニーズへ対応できるよう、関係者が一体となって笠間らしい特色ある観光の振興を図ります。

笠間台湾交流事務所を軸とした交流促進につきましては、広域連携として取り組んでいる「水戸・笠間・大洗観光協議会」に、新たに「ひたちなか市」を加え、それぞれの魅力を活かした観光PRを行うとともに、昨年、広域で取り組んだ台湾バナナの給食提供を契機に交流拡大を進めてまいります。

5.教育・文化・スポーツの振興

  • 学校教育

2020年度から実施される新学習指導要領において、小学校でプログラミング教育が必修化される中、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用した「GIGAスクール構想の実現」に向けて、市内小中学校・義務教育学校16校に無線LANの構築などの学校ICT環境整備に取り組んでまいります。その上で、「情報活用能力」を育成し、「確かな学力」の定着を目指してまいります。

  • 英語教育

生徒の英語能力や学習意欲をさらに向上させると共に、 外国語指導助手の効果的な活用を図り、グローバル化に対応できるコミュニケーション能力の向上に取り組んでまいります。

なお、速報値ですが、令和元年度公立中学校における英語教育実施状況調査において、英検3級相当以上を取得している中学3年生の割合は36.4%であり、前年に比べて6.6ポイント上昇しております。英検助成補助の着実な成果がでているところでありますので、引き続き英語力の向上を図ってまいります。

  • 学校生活不適応や引きこもり等の防止

社会的自立を目的として切れ目のない支援と適切な療育・育成を行う必要があることから、これまでの適応指導教室を教育支援室に改め、こども育成支援センター内に設置して、機能強化を図ってまいります。

  • 学校施設の整備

みなみ学園義務教育学校の増築及び大規模改修工事を進め、令和3年4月からの供用に向けて、引き続き整備を進めてまいります。

また、市内小中学校のトイレの洋式化については、児童生徒のライフスタイルの変化や避難所としての役割強化に対応するため、岩間第二小学校、北川根小学校、友部小学校のトイレ改修工事を進めるとともに、拠点避難所に指定されている友部中学校体育館トイレの洋式化、岩間中学校体育館内には新たにトイレを整備します。

  • 学校給食

市内産コシヒカリや野菜を使用した地産地消を推進するとともに、栗ごはんやけんちん汁など笠間の食材を取り入れながら栄養バランスの取れた安心で安全なおいしい給食の提供に努めてまいります。また、昨年に引き続き、日本と台湾間の相互理解と友好を増進させるため、台湾産バナナ、マンゴーの提供を行ってまいります。

  • 文化・生涯学習の振興

全国の小中学生を対象に開催している陶芸展「全国こども陶芸展inかさま」が20年目の節目を迎えます。これを記念して内閣総理大臣賞や20周年記念特別賞の設置を進めております。また、応募作品全点を県陶芸美術館に展示するなど、多くの皆様に子どもたちの作品をご覧いただき、伝統文化である陶芸をPRすると共に子どもたちの自由な創造力を育てます。

  • 笠間城跡保存整備調査事業

測量成果に基づく現地踏査を実施するとともに、考古学的知見を得るために発掘調査を実施します。笠間城跡調査指導委員会を設置し、平成26年度より10年計画で進めているところであります。調査の成果及び進捗状況については、笠間歴史フォーラムや「かさま歴史交流館井筒屋」の歴史展示コーナー、市ホームページ等で報告してまいります。

  • スポーツの振興

オリンピックイヤーとなる令和2年度は、ホストタウン相手国・地域と人的・経済的・文化的な相互交流を本格的に進めてまいります。

台湾に関しては、民間ゴルフ場と連携し、台湾ゴルフチームの事前キャンプの受け入れやオリンピアンとの交流の機会を設けるほか、台湾の小学生選抜チームを笠間市長杯スナッグゴルフ大会に招待し、青少年に対してのゴルフの魅力向上と交流拡大を目指していきます。大人から子どもまで交流の輪を広げてまいります。

エチオピアに関しては、「メダル獲得報告会」の企画や市民とのスポーツ交流を予定しております。また、かさま陶芸の里ハーフマラソン大会にエチオピア選手を招待し、友好関係を全国に発信していきます。

7月5日に開催される聖火リレーでは、スタート地点の芸術の森公園でサイドイベントを実施するとともに、笠間稲荷神社までのコース沿道では聖火ランナーを市民とともに応援し、オリンピック機運とスポーツ参加への関心を高めます。

パラリンピックに関しては、我が国において今までの障がい者スポーツの認識を変える元年になります。本市においても、障がい者スポーツの認知度を上げ、今までスポーツにふれる機会の少なかった障がい者の方たちに、パラスポーツ体験会の開催などにより「スポーツができる喜び」を感じてもらえる取り組みを進めていきます。

6.活力ある地域づくり

  • 生涯活躍のまち(笠間版CCRC)の構築

モデルとなる居住施設の整備に向け事業候補者とともに、具体的な事業に着手してまいります。また、併せて、市民の交流や暮らしの支援を担う公民連携による運営の仕組みを構築し、子育て世代から高齢層が、安心安全に暮らすことができる質の高い住宅整備に加え、新たな居住者と市民が交流する仕組みをつくり、笠間暮らしのモデル宅地としていきます。

  • 国際化の推進

台湾交流事務所を置く台北市から職員を受け入れ、インバウンド観光等を促進するとともに、グローバル枠でロシア国籍の任期付職員を採用し、国内外に向けた市の情報発信を強化してまいります。

また、総務省及び経済産業省へ各1名の実務研修生を派遣し、国の行う各分野の行政の専門知識を学び、職員の資質向上、さらには地域の経済産業の向上につなげてまいります。さらに、グローバル人材の育成及び市産業の活性化に向けて、日本貿易振興機構(ジェトロ)に職員を派遣します。

  • 多様な生き方支援

年齢、性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、その多様性を認め合い、誰もが自分の持つ能力を発揮できる社会の実現を目指してまいります。

  • 女性活躍推進事業

女性の就業が進む中で、依然として育児・介護の負担が女性に偏っているなか、令和2年度は、女性が職場や地域において活躍できるよう、男性の育児休業取得の促進や働き方改革、母親の交流事業などに取り組んでまいります。

7.効率的・効果的な自治体運営

  • 文書管理システム

令和2年度からは文書管理システムを導入し、タブレット端末の活用と合わせて、さらなるペーパーレス化を進めてまいります。

  • マイナンバー制度

令和2年度中にマイナポイントによる消費活性化策、健康保険証利用の本格運用が開始されます。マイナンバーカードは、2月9日時点で13.9%の交付率でありますが、デジタル社会に必須のインフラであることから、さらなる普及促進に取り組んでまいります。

  • ICTを活用した窓口サービス

タブレットを活用した「書かない窓口」と転出・転入・出生時における住民登録・保険年金関係手続のワンストップサービスを本庁舎1階の改修工事の終了後に導入してまいります。

  • ふるさとづくり寄附金制度(ふるさと納税)

多くの寄附を賜りましたことに厚く感謝を申し上げ、ご寄附は「元気かさま応援基金」に積み立て今後の各事業に活かしてまいります。併せて、企業版ふるさと納税制度を活用し、市の施策に賛同いただける企業との関係を構築し、協働による行政運営を推進してまいります。 

おわりに

いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。また、笠間市にも56年ぶりに聖火リレーがやってきます。

本市出身の畑岡選手をはじめ、オリンピック出場を目指して日々努力を重ねている選手が、晴れの舞台で大いに活躍できるよう市民の皆さまと共に応援してまいります。

選手の皆さんの4年に一度のオリンピックに賭ける熱い思いや、勝つためにすべてのことをやっていくという心の強さに敬意を表します。

我々も本市の目標達成に向けて、強い意志を持ち続け、市政運営にまい進してまいる所存ですので、議員各位、そして市民の皆さまには、ご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

 

 

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは秘書課です。

〒309-1792 笠間市中央三丁目2番1号

電話番号:0296-77-1101 ファクス番号:0296-78-0612

スマートフォン用ページで見る