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施政方針(平成19年第1回笠間市議会定例会 )平成19年3月5日

平成19年度当初予算案並びにその他の議案を提出するにあたり、市政運営の基本方針と主要な施策の概要を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
笠間市は、地方分権時代に対応できるよう、より自立した地方自治体としての行政運営と財政基盤の強化を目指して、昨年3月に合併し、新市として2年目を迎えようとしております。この間、三市町がそれぞれ培ってきた地域の特性を生かし、合併の効果を発揮できるよう、また、新市の均衡ある発展や一体感の醸成に努めてまいりました。
合併により、各種料金や制度の見直し廃止等で市民の皆様には、ご負担をおかけしていることと思いますが、新市としての統一性を期するため、今後も水道使用料や保育料等の統一に早急に取り組んでまいります。
合併は行政のすべての見直しを行い、行財政改革による効率化を図り、新しい時代に対応できる行財政基盤の強化が大きな目的であります。そのため私は、「行政改革推進室」を設置し、全庁的に行財政改革の断行を進めてまいりました。そして、さらに踏み込んだ行財政改革を着実に進めることによって、スリムで機動性に富んだ市の組織を構築し、自立した自治体を築いていくため、今後5年間の行財政改革の指針となる「行財政改革大綱」と具体的な改革の内容及びスケジュールを明らかにする「実施計画」を策定いたします。
また、総合計画につきましては、笠間市のまちづくりの総合的指針とするため、基本構想の18年度策定を目指して取り組んでいるところであります。
策定にあたりましては、5,000件の市民アンケートや各地区で実施した市政懇談会、各種団体の提案書等をとおして市民の意見把握に努め、また、庁内組織の総合計画策定委員会や専門部会、さらに、総合計画審議会での審議を進めてまいりました。
その結果、とりまとめてまいりました基本構想につきましては、本定例会に議案として上程しているところでございますが、今後は基本構想に掲げてありますように「みんなで創る 文化交流都市」を目指して,6つの施策大綱のもと「市民と行政の連携と協働」によるまちづくりを推進してまいります。
情報公開につきましては、引き続き市長交際費をはじめ市のあらゆる情報について、ホームページ等で積極的に公開してまいります。 また、パブリックコメント手続制度を活用しまして、市の基本的な施策等の策定にあたっては、その目的、内容等を広く公表し、それに対して市民のご意見等を考慮して意思決定を行います。さらに、市の方針がどういう意思決定を経て決められたのか、政策決定の経過も公開してまいります。
また、監査機能の充実を図るため、監査委員の定数を1人増加する条例改正議案と、18年度に引き続き市長給与を20パーセント減額する条例改正議案を本定例会に提案しておりますので、ご審議の程よろしくお願い申し上げます。

施政方針(平成19年第1回笠間市議会定例会 )平成19年3月5日の画像1 施政方針(平成19年第1回笠間市議会定例会 )平成19年3月5日の画像2

予算編成方針

次に、平成19年度予算編成方針について、述べさせていただきます。
わが国の経済は、企業部門の好調さが、雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及し、民間需要中心の回復が続くと見込まれ、バブル経済崩壊後10数年にわたる長期停滞のトンネルを抜け出し、ようやく未来への明るい展望を持てる状況になったと言われております。一方、地方においては一部波及効果も見られますが、個人所得の伸び悩み等依然として厳しい状況であります。
国においては、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」において、成長力・競争力強化、財政健全化及び安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現の三つの優先課題に取り組むこととしております。このうち財政健全化については、2010年代半ばに向け、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目指し、まずは2011年度までに基礎的財政収支を確実に黒字化することとしております。
このような状況の中で、実質的に合併2年目を迎える平成19年度予算編成にあたり、歳入においては、昨年に引き続き、地方交付税算定の特例分、県補助金の合併特例交付金、合併特例債等の合併支援措置を有効に活用するとともに、新たに広告収入を見込むなど極力歳入の確保に努めました。
一方歳出面では、現在作成中の行財政改革大綱及び実施計画に基づき、新たに職員の資質向上のため各種研修及び人事評価制度の導入を図るとともに、施設利用者の利便性の向上と管理経費の軽減を目的として、クラインガルテンや体育施設について指定管理者制度を導入するなどの行財政改革に資するよう予算化いたしました。
また、新市の一体感を醸成し合併効果を高めるための幹線道路整備、交通の利便性を高めるための駅周辺整備と、新しい交通体系の整備費用等を計上し、合併後の更なる一体性の確立、均衡ある発展に資するため、都市基盤整備に重点を置いた予算編成をいたしました。
平成19年度の一般会計予算は、総額273億1,000万円であります。特別会計予算につきましては、国民健康保険特別会計・老人保健特別会計・介護保険特別会計・介護サービス事業特別会計・公共下水道事業特別会計及び農業集落排水事業特別会計の6会計で、予算総額209億1,513万1千円であります。企業会計予算につきましては、病院事業会計・笠間水道事業会計・友部水道事業会計・岩間水道事業会計・工業用水道事業会計の5会計で、予算総額32億2,419万1千円であります。
なお、一般会計予算と特別会計予算及び企業会計予算を合わせた平成19年度予算総額は、514億4,932万2千円となっております。
詳細については予算説明の中で申し上げますが、市の財政状況を見通した場合、歳入において、市税については税源委譲に伴い増加しているものの、一方で「新分権改革」により国庫補助負担金の廃止・縮小、地方交付税については減少が余儀なくされております。また、地方債については、平成17年度決算による特別会計等を含めた地方債の現在高は、518億2,033万2千円であり、実質公債費比率は、12.5%となっております。借入に当たっては、急激な実質公債費比率の上昇を招かぬよう、合併特例債をはじめ、地方交付税措置のあるものを有効に活用いたします。
そして、合併効果を最大限に生かせるよう、限られた財源の重点的かつ効率的な予算の配分を行うとともに、節度ある財政運営に努めてまいります。

◆主要な施策の概要

1.都市基盤の整備

つづきまして、主要な施策の概要について述べさせていただきます。
はじめに、都市基盤の整備についてご説明申し上げます。
高速道路の整備につきましては、北関東自動車道の友部インターチェンジから、仮称でございますが、笠間インターチェンジまでの区間9.2Kmについて、本年秋に供用開始が予定されており、現在、上加賀田地域に舗装プラントを建設し全線舗装工事に着手されております。
国道50号線金井交差点より才木までの区間につきましては、19年度に4車線化の供用が図られ、さらに、石井地内の4車線化の促進をしてまいります。また、国道355号笠間バイパスにつきましては、市道来栖飯合線から大和田甲ノ山線までの660mの区間について本年3月下旬に開通される予定であります。今後とも、国・県へ整備促進について積極的に働きかけを行ってまいります。
次に、市の一体化を促進する幹線道路の整備でございますが、南友部平町線、旧畜産試験場から岩間支所に向かう市道(友)1級12号線など12路線につきましては合併特例債を活用して整備することとしており、用地取得、工事の推進を図ってまいります。特に、南友部平町線は、笠間地区市街地から友部環状道路やJR友部駅北口を結ぶ幹線道路として重要な路線であり、友部駅周辺に集中している交通を分散・導入し、市街地の交通渋滞の緩和と歩行者への安全確保を図るものであります。また、上町大沢線は、国道355号とあいまって笠間地区市街地と友部地区市街地を結ぶとともに、北関東自動車道友部ICに直接連絡する路線で、市の一体化と振興に不可欠な路線であります。
昨年実施しました市政懇談会において要望の多かったのは生活道路の整備でございますが、この整備状況はまだまだ不十分であると考えておりますので交通危険箇所や緊急性の高い路線を最優先に整備を実施し、安全安心なまちづくりを目指してまいります。
次に、友部駅の橋上化及び南北自由通路の整備につきましては、昨日供用開始をしたところであります。この供用に伴い、駅利用者の利便性の向上はもとより、駅の南北両地域の活性化に資するとともに笠間市の新しい顔として交流が拡大し地域の振興が図られるものと期待しております。なお、引き続き北口広場や駅北線などの整備を進めるとともに、岩間駅の橋上駅舎及び自由通路の整備につきましても実施設計を行い逐次進めてまいります。
次に、河川の整備につきましては、市内の中央部を流下する涸沼川の改修について、JR水戸線から笠間大橋までの区間は整備も進み、昨年度から笠間大橋の架替工事を行っており、市のシンボル的な橋として20年度の完成を目指して事業を進めているところであります。また、未改修の下流部についての事業化も、流域市町と協力しながら県に対し早期事業着手を要望するとともに、市街地の排水対策につきましても実態に沿って適切に対応してまいります。

2.産業の振興

次に、産業の振興についてご説明申し上げます。
近年、社会経済状況の変化に伴い余暇時間の増大、自然志向、食の安全など、生活の質に対するニーズが高まる中、グリーンツーリズムへの関心がますます高まってきております。
このようななか、笠間クラインガルテンにつきましては、指定管理者制度の導入により民間的感覚を持った効率的な管理運営をしてまいります。また、水稲や果樹類など多くの園芸作物が栽培され、庭先販売農家が点在する愛宕山周辺地域において、これらの農業に係わる地域資源や自然環境を活かしながら、あたご天狗の森スカイロッジを基点とした農業体験や自然にふれあう地域住民と都市住民との交流事業等を行い、地域の活性化と農業振興に努めてまいります。
また、農業の持続的な発展と振興のための指針として、総合計画に基づき19年度において「農林業振興基本計画」を策定いたします。
さらに、担い手となる認定農業者の育成や集落営農組織づくり、安全安心な農産物づくりによる地産地消の推進、今年度のブランド米「かさまの粋」づくりを始めとする農産物のブランド化や販路の拡大に努めてまいります。
昨年は市内においても各地域でイノシシ等による被害を被りましたが、本年2月に茨城・栃木両県12市町の構成による茨城・栃木県境地域鳥獣害防止広域対策協議会が設立され、19年度からは時期を同じくした一斉駆除、その生態や被害発生等の情報の共有、防護柵、電気柵、捕獲檻の導入等にも力を入れてまいります。

農地・農業用施設は、過疎化・高齢化・混住化等の進行に伴う集落機能の低下により、その資源の適切な保全・管理が困難となってきております。このような状況に対応するため、地域の農業者だけでなく、地域住民や都市住民の参画を得て、これらの資源の適切な保全管理を行う必要があり、19年度から5カ年間で、小原・押辺地区など6地区、面積にして250haについて、農地・水・環境保全向上対策事業に取り組んでまいります。この事業を実施することにより、農業用排水路、農道、ため池などの点検維持補修を行い農業環境の保全を図ることとなります。
次に、経営体育成基盤整備事業につきましては、大渕地区・友部地区を予定しており、地区の担い手の人数を一定割合以上増加させることや整備面積に占める担い手の経営耕地面積シェアを増加させるために所有権移転や利用権の設定、基幹作業の受委託により農地の集積が図れることとなります。
次に、「生き活き菜園はなさか」につきましては、本年3月中の開設をめざして整備を進めております。地域住民の価値観の変化により、余暇時間を有意義に過したい、安心な農作物を求めたいという考え方に変わってきておりますことから、市内在住の農業に従事していない方を対象に、農作物が栽培できる日帰り型の市民農園を、憩いの家はなさかの隣接地に開設いたします。

次に、「菊まつり」につきましては、明治41年から1世紀の永きにわたり市民に愛され続け、笠間稲荷神社境内を中心に「笠間稲荷の菊まつり」として開催してまいりました。19年度で第100回を迎える「菊まつり」は、「笠間の菊まつり」へと名称を変更し、笠間市全体の「まつり」へと方向転換を検討するとともに、官民一体で実施してまいります。
また、本市の観光を「イベント型観光」から、今後は、年間を通じて観光客を誘客できる「通年型観光」への方向転換を目指し、市の歴史や文化を盛り込んで、学びや体験、そして心の安らぎや癒しを与える観光に取り組んでまいります。
次に、佐白山周辺整備事業につきましても、笠間地区の歴史や文化性に富んだ佐白山麓公園を中心に、拠点整備を実施することにより、芸術の森公園との連携及び機能の分担を考慮してまいります。
さらに、佐白山麓公園は、市民の歴史的財産であり、佐白山自然散策の休憩ポイントにもなっております。この役割を踏襲することにより、点在する本市の歴史資源・観光資源のネットワーク化を図り、回遊性の向上に繋げてまいります。
観光周遊バスにつきましては、市内観光施設間の回遊性の強化を図るため、13年度より運行を開始しておりますが、これまで5年間の実績をふまえ、19年度からの運行につきましては、構成団体(笠間市、日動美術館、笠間稲荷神社、茨城県陶芸美術館、笠間工芸の丘、観光協会)で、負担金等の見直しを検討してまいりました。今後は、商店街等を中心に、新たな協賛金の加入促進を図るとともに、周遊バス運行のさらなる充実を図るため、運行経路拡大の停留所の増設や、利用者の有料化(ワンコイン化)も検討してまいります。
なお、日本宝くじ協会の助成事業を活用し新規バスの購入を図り、20年度からの運行を目指してまいります。

次に、商業の振興につきましては、笠間稲荷門前通り商店街をはじめとする3商店街を中心として、市街地の活性化に向けた空き店舗実態調査を実施し、ギャラリー等の企画や地場産材の直売店等に利用し各商店街と協働で取り組んでまいります。
また、3商工会の合併につきましても、商工会の公共性や行政との連携を図るうえで、早期の合併が必要であると考えておりますので、茨城県商工会連合会と連携を図りながら、早期合併に向け支援してまいります。
工業の振興につきましては、常磐自動車道の友部スマートICの設置を契機に、交通の利便性を十分に活かして茨城中央工業団地(笠間地区)の未利用地を中心に企業の誘致を茨城県との連携を図りながら進めてまいります。
地場産業の振興につきましては、公共事業への県産御影石の活用や「茨城ストーンフェスティバル」や「いなだストーンエキシビジョン」の事業を支援し、稲田御影石のPRとブランド化に向け推進してまいります。
笠間焼につきましては、陶炎祭、匠のまつり等、伝統的工芸品の需要の開拓、販路拡大や産地交流の振興、さらに現在32店舗参加している桃宴祭(ひなまつり)の拡大を支援し、笠間焼のPRにつとめてまいります。

3.保健・福祉の充実

次に、保健・福祉の充実についてご説明申し上げます。
地域の健康づくりにつきましては、生活習慣病対策が重要な課題となっていることから、新たに壮年期からの健康づくりを推進してまいります。
具体的には、笠間地区、友部地区、岩間地区の3ヶ所の公的施設を活用して、健康運動指導士を中心に、ストレッチ系・エアロビックダンス系を取り入れ、各地区週1回、40歳以上の方々を対象に、気軽に参加できる場の提供と健康体操を実施しながら、市民の健康意識の高揚と健康増進を図ってまいります。

また、地域福祉の推進につきましては、誰もが住み慣れた地域で家族や地域の人々と関わりを持ち、暮らし続けていくことを望んでおります。19年度新たに、「地域福祉計画」を策定し、地域社会を基本とする福祉の仕組みづくりや、これらを支える人づくり、活動拠点となる場づくりなど、きめ細やかな地域福祉の体制を整え、地域に応じた福祉サービスを総合的に展開してまいります。
また、社会福祉協議会、ボランティア、NPOや地域の各種団体、民生委員・児童委員などとの連携を図りながら、共に協力し支え合い、助け合う福祉社会づくりに取り組んでまいります。
次に、障害福祉につきましては、「障害者自立支援法」の施行に伴い、身体障害・知的障害・精神障害の異なる制度の一元化や、身近な市町村が責任を持ってサービスを提供する仕組みに大きく変化しました。これらの制度の充実によって「障害者が地域で安心して暮らすことのできる社会の実現」を目指した「自立支援給付事業」並びに「障害者地域生活支援事業」の障害者福祉サービスに努めてまいります。
また、ノーマライゼーションの理念が浸透した社会や、障害者の自立と地域生活を支援するため「障害福祉計画」を18年度中に策定し、自立に向けた支援や地域社会での受け入れ体制の充実など、各種事業が適切かつ効果的に提供できるよう総合的に実施してまいります。

また、17年国勢調査等の結果を基に算出された、一人の女性が生涯に生む子ども数の推定値である合計特殊出生率が、17年には国で1.26、茨城県では1.32と発表され、同年の「人口動態統計」によれば、統計を取り始めて以来、初めて出生数が死亡数を1万人下回る自然減となりました。
このような少子化に歯止めをかけるには、男女ともに子育てをしながら安心して働くことができ、子育てに喜びを感じることができる社会を作っていくことが重要であり、少子化対策をさらに進めていく必要があります。そして、「次世代育成支援行動計画」を18年度に策定しますが、その推進に関し、次世代育成支援対策地域協議会を設置して必要となるべき措置について、協議してまいります。
そして、この計画の目標事業の一つであります放課後児童クラブにつきましては、友部小学校敷地内で建設を進めておりますが、3月末には利用ができる運びとなりました。
また、児童手当法の改正に伴い、3歳未満の乳幼児に対する児童手当の額を、第1子及び第2子について月5,000円増額し、出生順位にかかわらず一律10,000円を支給いたします。
次に、家庭児童相談室につきましては、児童虐待・心身の発達障害・いじめ等、家庭における人間関係や児童の養育などの問題について、相談を受けるために設置されておりますが、19年度から児童相談体制の充実を図るため、新たに相談用直通電話を設置いたします。
子どもたちのすこやかな成長を願って、18歳までの子どもとその家族に関する悩みや心配ごと、さらに、夫や恋人などからの暴力被害(DV)に関する相談相手となり、家庭相談員2名が問題解決のお手伝いをいたします。

次に、高齢福祉につきましては、本年、11月10日から13日の4日間にわたり茨城県内の21市町を会場として、「ねんりんピック茨城2007」が開催されます。ねんりんピックは60歳以上の高齢者の方々を対象としてスポーツ交流や文化交流などを行う全国健康福祉祭であります。
笠間市では岩間地区において、ペタンク交流大会68チーム(272名)、笠間地区において囲碁交流大会69チーム(207名)の2種目が開催されます。
この「ねんりんピック開催」が、本市を全国にアピールする絶好の機会として、市内の関係機関や団体の協力を得ながら市のPR事業及び2種目の交流大会の成功に向け事業推進を図ってまいります。
また、介護予防事業の一環として、各地区の高齢者クラブや地域の事業の中にシルバーリハビリ体操を取り入れていただき、各地区でボランティア活動をされているリハビリ体操指導士の方々のご協力を得ながら高齢者のリハビリ体操普及事業の推進を図ってまいります。

次に、福祉バスにつきましては、笠間地区のみで運行しておりましたが、市民の一体性の確保、公平性の観点からも、できる限り早期に市全域を網羅する運送サービスの導入が必要であると考えております。
そのため、庁内でバス事業検討会を組織し、市民の意向を把握するため公共交通に関するアンケート等を実施し、手法等の検討をしたところであります。その中で、公共交通の利用意向が高い交通弱者となる方にとって、最も利便性が高い運送サービス手法は、ドアからドアの送迎を可能とする乗り合い車両によるデマンド交通システムを、また、その利用に際しては、財源確保や公平性から一定の利用者負担を頂きながら実施することが適当ではないかとの方向性を見出しました。
さらに、このデマンド交通システムを具体化するために、各機関を代表する方々からなる「笠間市地域公共交通会議」を、本年2月に立ち上げ、市としての考え方を提案したところであり、本年秋を目指して、全市域を網羅するデマンド交通等の「新交通システム」を運行するため関係機関と調整してまいります。

4.生活環境の整備

次に、生活環境の整備についてご説明申し上げます。
新しいまちづくりを進めるために総合計画を策定いたしますが、この総合計画を踏まえて、「文化交流都市」を実現するため、19年度から20年度に将来の目指すべき都市像や土地利用などのまちづくりの基本的な方針を定める、都市計画マスタープランを策定いたします。
本計画は、概ね20年後を見据えたまちづくりの基本的方針を定めるもので、土地利用に関するアンケート調査や地域懇談会等を通じ、地域特性を踏まえて策定してまいります。
また、JR友部駅周辺を交流拠点として位置づけ、16年より「まちづくり交付金事業」により橋上駅・南北自由通路の整備に着手してまいりましたが、友部駅南口周辺は人口の減少、商業の衰退が顕在化し、市街地の中に空き地や空き店舗が目立つようになってきたため「まちの顔」としてふさわしい賑わいのある市街地形成が必要であります。そのため、「友部駅南口まちづくり推進事業」により、駅前地区の活性化に向けて、地区懇談会等を通じ、市民との協働によるまちづくりを進めてまいります。
次に、岩間駅東土地区画整理事業につきましては、18年度まちづくり交付金事業により、駅の機能強化や駅東口広場、街路整備と一体的に整備する関連事業として、駅周辺及び駅東地区の市街地の活性化を図るものであります。これにより、未利用地の都市的土地利用への転換を効率的に促進し、新笠間市の中心市街地の一つとして秩序ある市街地の形成が図られます。

次に、「環境基本計画」につきましては、19年度に市民や事業者からのご意見ご提言をいただき、将来に向けた望ましい「笠間市の環境像」を設定し、その実現に向けた実施の行動計画等を策定してまいります。
なお、「エコフロンティアかさま」につきましては、今後とも地元との地域振興並びに環境保全等の締結に向け、引き続き地域の皆様と合意形成に努めるとともに、更なる安全を第一に考えた運営管理を促進してまいります。

次に、消防団につきましては、災害に強い安心安全なまちを作るため、ご尽力をいただいております。耐用年数を超え老朽化の著しい消防ポンプ車両につきましては、計画的に更新をしており、19年度は友部地区、岩間地区で更新してまいります。
また、老朽化と狭隘で不便をきたしております消防団機械器具置場並びに詰所につきましては、笠間地区・友部地区の建設を予定し機動力の向上を図ってまいります。

次に、国民保護法に基づく「国民保護計画」は、18年度に計画策定が完了いたしましたので、19年度において避難実施要領パターンや市民向けのパンフレットを作成し周知を図ってまいります。
また、安全安心なまちづくりの指針となる地域防災計画につきましては、現在、合併に伴う見直し作業を行っており、19年度中に新市の「地域防災計画」を策定するとともに、関連する防災アセスメント調査や住民用防災のしおりなどを作成してまいります。

また、県民交通災害共済につきましては、交通事故に対して見舞金を支給する制度でございますが、小・中学生の加入につきまして、18年度は、500円の加入会費に対して半額の250円の補助を行っていましたが、19年度新たに、市内の小・中学生の約7,000人に対して加入会費の全額補助を行います。

次に、上水道事業につきましては、旧市町の事業をそのまま継承し3事業で経営しておりますが、経営の安定や、安全・快適な水の確保・供給、さらに災害時等にも安定供給を図るため、3事業全体の見直しを行い、事業統合を前提として「水道事業基本計画」を策定してまいります。
また、工業用水道事業につきましては、岩間工業団地内企業3社に供給しておりますが、今後とも安定供給に努めてまいります。

次に、公共下水道事業につきましては、本市の公共下水道全体計画面積2,813haのうち、現在供用開始をしている面積は1,137haとなっております。
そのうち水洗化率につきましては約72%であり、まだ排水設備を行っていない方々につきましては、今後も、速やかに接続をされますよう推進してまいります。
また、19年度の工事につきましては、管渠布設工事のほか浄化センター等増設工事を5ヵ年で整備するよう債務負担行為の設定を提出したところでございます。
農業集落排水事業で現在整備を進めております、枝折川地区及び岩間南部地区につきましては、すでに処理場も完成し、19年度で外構工事等を行い、今秋には両地区共に供用開始を予定しており、各地区で説明会を実施してまいります。
なお、未整備地区における市民ニーズに対応するため、浄化槽の設置を推進するとともに設置者に対し補助金を交付し、住民負担の軽減と併せて、公共用水域の水質保全と生活環境の改善に努めてまいります。
また、公共下水道・農業集落排水施設の使用料金及び公共下水道事業受益者負担金前納報償金の統一につきましては、本年2月の下水道審議会の答申をうけて、1年程度の周知期間を設けて市民の理解を求めてまいります。

5.教育・文化の充実

次に、教育・文化の充実についてご説明申し上げます。
学校教育につきましては、児童・生徒の学力と学習意欲の向上に努めるとともに、それぞれの学校が主体性を発揮し、特色ある学校活動推進のため、各学校独自の事業計画をたて事業を展開する「特色ある学校づくり事業」を全ての小・中学校で実施してまいります。
また、教育施設は、教育を支える基本的な施設であるとともに、生涯にわたる文化、スポーツなど活動の場として利用される身近な施設であります。子供たちが安心して学校生活が送れるよう、「公立学校施設整備耐震化事業計画」に沿って、改修等の推進を図ってまいります。
19年度は、「友部中学校校舎改築工事」をはじめ、20年度に予定している「岩間中学校校舎改築工事」のための地質調査や実施設計を行うとともに、友部・岩間地区の「小・中学校トイレ洋式化工事」等の事業を進めてまいります。
また、不登校児童・生徒の一時的な教室として、学校への復帰ができるまでの心のケアと学習などを行う「適応指導教室」を岩間地区に新たに開設いたします。
さらに、「自動体外式除細動器」いわゆるAEDを2ヵ年計画により、全ての学校等に設置をいたしますが、19年度は、全中学校及び各公民館に設置するとともに、職員への講習を行い、救急体制の整備に努めてまいります。
次に、生涯学習につきましては、子供達の豊かな心を育むための、体験活動事業や、学校・幼稚園・保育所での家庭教育学級をとおして家庭や地域の教育力の向上を図るとともに、子供の安全で健やかな活動場所を確保し総合的な放課後対策を行うため、新たに「放課後子供プラン」を策定し、東小学校に「放課後子ども教室」を開設いたします。
また、生涯学習の拠点の充実を図るため、図書館については、「子ども読書活動推進計画」を策定するとともに、3図書館のシステムネットワーク化を図り、利用者の利便性とサービスの向上に努めてまいります。
次に、公民館につきましては、地域にあった年間事業計画のもと、「いつでも、だれでも」学習できる場や「パソコン講座」など要望の多い学習の提供に努めてまいります。また、老朽化している「岩間公民館」や、各施設の活用について、委員会を設置して検討してまいります。
次に、芸術・文化振興につきましては、文化財をはじめ生活文化、地域文化を積極的に保護しながら、それらの活用を図るため、県から「文化財保護主事」の職員派遣を受け、文化財の保護と活用に努めてまいります。
また、歴史と文化に育まれた新市の「概説 笠間市史」の発刊に向け、市史編さん事業を実施してまいります。
さらに、県教育研修センターでのクールシュヴェール国際音楽アカデミー、陶芸美術館での全国子ども陶芸展、工芸の丘でのアマチュア陶芸展など国際的・全国的なイベントを展開し、芸術文化を創造しながら、20年度に茨城県で開催される国民文化祭に向けての準備をしてまいります。
次に、スポーツ・レクリェーションの振興につきましては、全国高等学校アームレスリング大会、陶芸の里マラソン大会の開催など、スポーツ団体等との連携を深めるとともに、市民が開催する各種スポーツ大会を支援してまいります。
スポーツ施設につきましては、民間の能力を活用し、住民サービスの向上と経費の削減を図るため、総合公園、市民体育館、岩間海洋センター等で指定管理者制度の導入を本年秋を目途に進めてまいります。
また、体力や年齢、目的に応じて、いつでもスポーツに親しみながら健康と体力づくりができる生涯スポーツ社会の実現を目指して、地域総合型スポーツクラブの設立や、新たに「スポーツ振興計画」を策定してまいります。

6.市民協働と行財政の効率化

次に、市民協働と行財政の効率化についてご説明申し上げます。
まちづくり市民活動につきましては、これまで旧三地区で進めてきましたが、昨年3月に合併したことにより、その活動範囲が広域的になり、人材も豊富になったため、市民活動に対する積極的な支援が求められています。
このような背景から、住民ニーズを活かし、新市における住民参画を一層進めるとともに、市民と行政がそれぞれの役割を分担しながら「協働でまちづくり」に取り組むため、さらには,市民活動を通じて新市の一体感の醸成を図り、早期に合併の効果を出すために市民活動の必要経費に対する助成制度を創設するものであり、公募により申請を受け10万円を限度に交付いたします。
また、市内の市民活動団体の活動内容についてまとめた「ガイドブック」を作成し市内公共施設に置き、市民活動をはじめようとしている市民に、参加のきっかけづくりを行うとともに、PRを行い、活動を推進してまいります。

次に、仕事と家庭生活、地域活動、その他の活動との調和「ワーク・ライフ・バランス」の推進は、多様化した生活や自らの希望に沿って生活できる社会環境づくりを目指すものであり、男女共同参画社会実現のためのキーワードでもあります。
このため、雇用の場における男女平等の実現を図るために、事業者と市が協定を締結する「男女共同参画推進事業所」の認定及び協定を新たに実施し、市が支援するもので、市と事業所が協働で積極的な推進を図ってまいります。

次に、21年度に行う固定資産評価替準備業務としまして、3市町を統一した評価基準書の作成、状況類似地区の見直し並びに地目照合のため航空写真撮影を行ってまいります。

また、国の税源委譲に伴い、従前にも増して自主財源確保の重要性や税負担の公平性を確保する観点から、滞納整理や滞納処分を強化してまいります。
平成19年1月末現在の市税の徴収率は、76.29%、滞納額は22億9,665万8千円となっており、差押件数は32件であります。19年度につきましても、積極的に差押等を行ってまいります。
そして、今後は「県と市町村の間における人事交流」制度を適用し、徴収分野の対等交流を行い、県税事務所経験職員を納税課に受け入れ収納促進を図ってまいります。さらに、滞納整理につきましては、水戸県税事務所との協同滞納整理や、茨城租税債権管理機構への事案移管をすすめてまいります。また、債権回収の幅を広げるため、新たに自動車タイヤロックを購入し、活用していくとともに、納付については、金融機関の預貯金口座振替をPR・推進し、さらにコンビニエンスストアでの市税納付が出来るように納付機会を増やす検討を行い、さらなる徴収率向上を図ってまいります。

次に、市の新たな財源を確保し、併せて地元事業所等の有効な広告の機会を確保することによってその育成と活性化を図るため、広報かさま及び笠間市ホームページに有料広告を掲載してまいります。
そのほか、市の封筒やチラシ、ごみ袋、JR友部駅の南北自由通路など、広告掲載の可能な公共物等を対象に実施してまいります。

次に、補助金につきましては、その透明性・公益性等について検討するため、18年度に民間の方による補助金等検討委員会を設置いたしました。現在、この委員会において、補助金等の交付基準を作成中であり、年度内に中間答申を受ける予定であります。
19年度につきましては、作成した交付基準によりすべての補助金に対し、補助事業等の内容について評価を行い、その答申結果をもとに20年度の交付額を決定してまいります。

次に、本市の行財政改革の基本的な考え方と具体的な取り組み内容を示す「行財政改革大綱」と「実施計画」につきましては、行政改革推進委員会の活発なご意見を賜りながら、その策定を進めてまいりました。
今回の改革は、財政構造を見直すとともに、指定管理者制度の活用など民間活力の導入、職員数の削減などを行い、行政コストの徹底的な削減を目指したものであります。
また、適正な受益者負担の観点から、使用料・手数料などの見直しを行い、さらに費用対効果を見極めながら、事務事業等の廃止・縮小などの検討や、補助金、負担金、各種行政サービスについても見直しを行っております。
このように今回の改革においては、市民の皆様にもご理解をお願いする部分もございますので、納得と協力が得られる改革とするため、計画の策定段階から積極的な情報公開に努め、パブリック・コメント手続を行いながら進めてまいりました。そして、 今月中に「行財政改革大綱」及び「実施計画」の策定をし、不退転の決意で改革を行ってまいります。

次に、「総合計画の基本計画」につきましては、現在、総合計画策定委員会や総合計画審議会において検討しておりますが、パブリック・コメントにより市民の意見を取り入れながら作成してまいります。
なお、「総合計画」決定後は,概要版の全戸配布やホームページに掲載するなど、広く市民の皆様に周知してまいります。

次に、本市では、現在2,000万円以上の工事で一般競争入札を実施しており,また全ての入札案件の落札業者名、落札額,予定価格を公表するとともに,受注業者の総受注金額も公表し「入札の公平性・透明性」の確保に努めているところであります。さらに「公平性・透明性」を高めるための方策の一つとして、19年度後半には「電子入札制度」の導入を予定しております。
この「電子入札制度」は、入札参加業者が役所に足を運ばず会社のパソコンで入札を行うシステムであり、入札参加業者どうしが顔を合わせる機会も少なくなることから、さらに競争性が確保されることを期待しており、まずは一般競争入札の大規模工事からの適用を考えております。その後中規模・小規模工事へと段階的に拡大するとともに、設計書等の閲覧も会社のパソコンで出来るようにしたいと考えております。

次に、本市にとって、常に市民の行政に対する要望に応え続けていくためには、職員の能力の向上(人材育成)は必要不可欠なものであります。
そのため、昨年「人材育成基本方針」を策定いたしました。これらには,大きく二つの要素があり、一つは人事評価制度であり、もう一つは職員の研修制度であります。
まず人事評価制度ですが、昨年は職員全員に説明会と評価者のための研修等を行い、本年1月から本格的に導入いたしました。この人事評価制度は,昇給・昇格及び人事異動等に反映するものですが、公平性・納得性・透明性を高めながら、評価結果を本人にフィードバックすることにより一人ひとりの資質や能力の向上を目指すものであります。
もう一方の職員の研修制度ですが、職員研修規程に基づいて研修計画を進めてきたところでございます。研修内容は、基本研修・特別研修・派遣研修とし全職員が年間複数の研修を受講できるよう大幅に回数及び内容の充実を考えて計画いたしました。
これらにより、職員の人格や識見を高め、勤務能率の向上を図り、全体の奉仕者として市民に信頼される職員の育成に努めてまいります。
また、適正な定員管理により効率的な行財政運営が必要であります。今般、「定員適正化計画」を策定し、数値目標を定め、人材の有効活用を進め、事務事業の効率的遂行のための適正な人員配置に努めてまいります。

次に、合併時に組織しました行政機構につきましては、本所機能の強化と支所との連携を図るため、指揮命令系統を明確にし、本所の課の統合・新設などにより、事務事業の効率化と、市民サービスの低下とならないよう配慮した組織の見直しを行ったところでございます。



最後になりましたが、19年度は、合併2年目ということで、合併効果をさらに市民に示していかなければならないと考えております。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

以上で、平成19年度市政運営の基本的な方針と主要な施策の概要の説明を終わらせていただきます。



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このページに関するお問い合わせは秘書課です。

〒309-1792 笠間市中央三丁目2番1号

電話番号:0296-77-1101 ファクス番号:0296-78-0612

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