施政方針(平成26年第1回笠間市議会定例会) 平成26年2月25日
はじめに
平成26年度の一般会計をはじめ各特別会計・企業会計の予算ならびに関係諸議案のご審議をお願いするにあたり、市政運営についての基本的な考え方と主要施策などについて所信を述べさせていただきます。
平成18年の3市町合併後、私が市政の舵取りを託されてから、2期8年が経過しようとしております。私は市政経営の理念として、「公平、公正な行政運営」・「情報の公開、共有」・「市民(自助)と行政(公助)の協働(共助)」・「責任ある行政」を基本として、政策の実現に取り組んでまいりました。
この間、市民ならびに議員各位には、私の市政運営にご理解とご協力を賜り、感謝と御礼を申し上げます。
市政を取り巻く情勢
平成26年第1回笠間市議会定例会
施政方針演説 まず、我が国の経済情勢でございますが、一昨年に発足した安倍政権が掲げた経済政策「アベノミクス」の効果により、長年続いたデフレ経済から脱却しつつあると共に、最近の報道によりますと、上場企業においては2013年度通期決算で業績予想を上方修正する企業が相次ぐなど、景気は回復しつつあるとされております。しかしながら、地方においては、景気回復の実感がまだ沸いてこないのが実情であり、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や、増税による中低所得者層の負担増など、経済回復への重しになることが懸念されております。
このような中、本市の市政運営については、合併11年目となる平成28年度から、合併算定替えにより地方交付税が減額されるなど、財政状況はますます厳しいものになると思われます。これらに対応するため、引き続き行財政改革を断行し、事務事業の見直しや民間への業務委託の推進、重点施策への予算の重点的配分など、効率的・効果的な行政サービスと健全な財政運営を図ってまいります。
さて、東日本大震災からまもなく3年が経過しますが、本市においては、被災した笠間支所の旧法務局庁舎移転の改修工事も順調に進み、来月中旬に開所できる運びとなりました。また、平成26年度には教育委員会庁舎の建設に着手するなど、公共施設の震災復旧について、一定の見通しが立ちました。
また、東北被災地への支援としまして、現在2名の職員を岩手県宮古市と宮城県多賀城市へ長期派遣しておりますが、平成26年度も引き続き職員を派遣し、被災地の復旧・復興に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。
施政方針の考え方
次に、施政方針の考え方について述べさせていただきます。
本市では、笠間市総合計画後期基本計画に掲げる、重点化を図る3つの視点「健康都市づくり」・「防災力向上」・「地域の活性化」を基本として、平成26年度は、「健康都市かさまの推進」および「市街地活性化の推進」を重点施策として位置付け、各種事業に取り組んでまいります。
まず、「健康都市かさまの推進」についてですが、市民の健康水準と生活の質の向上を図るための「人の健康づくり」と「生活を支える環境づくり」を柱に、市民と行政が一体となって「健康都市かさま」の実現に向けた取組みを、今年度に引き続き展開してまいります。
次に、「市街地活性化の推進」についてですが、市街地の賑わいを創出し、地域の活性化を図ることを目的として「友部・岩間・稲田の駅周辺」と「笠間稲荷門前通り周辺」を柱として、地域の特性を生かした拠点整備を行い、活力のある市街地の形成を目指した事業を展開いたします。
「駅周辺」については、昨年度策定した「笠間市駅周辺活性化プラン」に基づき、友部駅周辺地区では、駅南地区への地域交流センターの整備および駅北地区への市立病院の移転新築など、岩間駅周辺地区では、地域交流センターの整備と共に、駅西口駅前通りの歩道整備および旧役場跡地への都市公園の整備など、稲田駅周辺地区では、観光交流センター「石の百年館」を拠点とし、稲田みかげ石の産地をイメージする駅前広場や駅前道路の整備などを、それぞれ推進してまいります。
また、「笠間稲荷門前通り周辺」については、歩行空間を確保した門前通りの道路整備を今年度に引き続き進めると共に、旧井筒屋旅館の再生、竹の小径・大石邸跡を含めた周辺整備を推進してまいります。
これら重点施策を中心に、平成26年度の重要事務事業として「78事業」を定め、「震災の復旧・復興から成長へ」そして、今後ますます進展する「少子高齢化・人口減少社会」への対応に向け、各種事業を展開してまいります。
予算編成方針
次に、平成26年度の予算編成方針についてご説明申し上げます。
まず、歳入についてですが、市税は緩やかながら回復傾向にある景気の反映や税制改正により個人市民税が増になると見込んでいるものの、土地評価の時点修正や償却資産の減少等による固定資産税の減、消費の減少によるたばこ税の減などにより、市税全体では減収を見込んでおります。
地方交付税については、国の地方財政計画における地方交付税総額は、今年度と比較して1%程度減額となる見込みでありますが、本市においては、通常の地方交付税とは別枠で、東日本大震災からの復旧・復興事業に係る経費について交付される、震災復興特別交付税を見込み教育委員会庁舎を整備することから、今年度と比較し増額を見込んだものであります。
また、消費税の改正に伴い、本年4月1日より国、地方合わせて消費税率が5%から8%に引き上げられますが、引き上げは幅広く国民各層に社会保障費の安定財源確保のために負担を求め、社会保障の充実・安定化と財政健全化を目指すもので、引き上げによる増収分については全額を社会保障経費に充てるとされております。地方においては、地方消費税率が1%から1.7%に引き上げられ、県から市町村に配分される地方消費税交付金が増となりますので、本市としましても、引き上げによる増額分については、全額を社会保障経費に充ててまいります。その他、市内の公共施設の使用料等については、税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処すること、とされており、課税対象となるものにつきましては、消費税の適正な転嫁を図ってまいります。
なお、消費税の引き上げに伴い自動車取得税が減税となりますので、自動車取得税交付金は減になると見込んでおります。
歳出についてですが、義務的経費である社会保障関係経費が増大することが見込まれ、投資的経費充当財源を圧迫しつつある状況であります。
これらのことから、予算編成方針の基本的考え方として、市の将来あるべき姿を見据えた長期的視野に立ち、効率的で実効性の高い行政運営を目指した予算とすることを掲げ、行財政改革を推進しつつ全部署において可能な限り経費の見直しを図りながら、真に市民が求めている施策を進めてまいります。
各種施策の財源確保としましては、事務事業経費の見直しによるもののほか、国や県などの補助制度を積極的に活用してまいります。また、市債の借入れについては、後年度の財政負担を考慮し、普通交付税の代替措置である「臨時財政対策債」と、交付税算入率が高い「合併特例債」および「緊急防災・減災事業債」に限って借り入れるものであります。さらに、今年度までに積み立てることができました「財政調整基金」から繰り入れて、財源確保を図るものであります。
結果、平成26年度の一般会計予算は総額282億5千万円で、今年度当初予算と比較して、10億5千万円、3.9%の増となります。しかしながら、消費税率の改正に伴う臨時福祉給付金や子育て世帯に対する臨時特例給付金、市の予算を経由した民間事業者への県補助金の交付など、すべて国・県支出金で財源手当された臨時的な事業を約8億2千万円計上しており、それらを差し引き、実質的には今年度と比較して約2億3千万円、率にして0.8%の増となります。
特別会計予算については、国民健康保険特別会計をはじめとします7会計で、予算総額は189億3,524万5千円であります。
また、企業会計予算については、市立病院事業会計をはじめとします3会計で、予算総額は33億1,290万6千円であります。
なお、一般会計予算と特別会計予算および企業会計予算を合わせた、本市の平成26年度の予算総額は504億9,815万1千円で、今年度と比較すると、23億877万3千円、率にして4.8%の増となっております。
今後の財政運営については、「財政健全化法」の趣旨を踏まえ、本市の財政状況を的確に分析しつつ、各種施策の緊急性・必要性を充分検討しながら限られた財源を重点的かつ効率的に配分し、節度ある財政運営に努めてまいります。
平成26年笠間市議会定例会議場写真
主要施策の概要
続きまして、重要事務事業をはじめとする、主要な施策の概要について、総合計画の「笠間市のめざす将来像」を実現するための「6つの柱」に従って、述べさせていただきます。
1.広域交流基盤を生かした新時代のまちづくり【土地利用・都市基盤】
はじめに、「広域交流基盤を生かした新時代のまちづくり」についてご説明申し上げます。
まず、笠間稲荷門前通りの整備についてですが、「笠間稲荷門前通り整備推進協議会」にて、歩行者を優先した道路整備とする方針が出され、今年度から整備を開始したところでございます。平成26年度も引き続き、延長約130mの整備を予定しており早期完成に向け整備を進めるとともに、門前通り商店街の街並みや景観づくりについて、地元との話し合いを行ってまいります。
また、笠間稲荷周辺整備事業については、稲荷門前通りから大石邸跡、竹の小径、日動美術館などへの回遊性を確保するための整備計画を策定すると共に、旧井筒屋旅館の新たな運営事業者の選定、および本館部分の耐震設計など、本市の観光拠点としての整備を推進してまいります。
畜産試験場跡地の利活用に向けた雨水排水処理施設の整備については、県の市町村合併支援事業である「新市町村づくり支援事業」として、本年2月に整備工事に着工いたしました。平成26年度は、本体工事である専用放流管や流末排水路工事が行われ、平成27年度に調整池の工事を行い完了する予定であります。
これにより、面積約35ha、常磐自動車道や北関東自動車道のインターチェンジに近接するなど、交通の利便性が高い大規模な県有地を、地域の活性化につながる有効活用ができるよう県と共に推進してまいります。
なお、当跡地に隣接する国有地(約3ha)についても、一体的な有効活用を検討してまいります。
幹線道路の整備についてですが、国道355号笠間バイパスの整備については、県において国道50号から主要地方道「笠間つくば線」までを優先整備区間として進められ、昨年4月に国道50号からJR水戸線に架かる来栖跨線橋を経て、市道「来栖本戸線」までの約2.3km区間が供用開始されました。現在は、涸沼川橋の上部工工事等が進められており、平成26年度中に、主要地方道「笠間つくば線」までの、約900m区間の供用開始を目指しております。引き続き関係機関と連携しながら「笠間バイパス」の整備促進に努めてまいります。
主要地方道「大洗友部線」については、懸案でありました橋爪地区の未改良区間、約600mの事業化に向け、昨年12月に2回目の地元説明会が開催され、道路の線形についてご理解が得られたところでございます。涸沼川の改修と一体的に整備が図られるよう、地域の皆様と協議しながら取り組んでまいります。
市道の幹線整備についてですが、笠間地区においては「来栖本戸線」「笠間小原線」、友部地区においては「南友部平町線」「市道(友)1級5号線」「市道(友)2級5号線」、岩間地区においては「岩間八郷線」など、早期完成に向けて整備してまいります。なお、暫定供用となっております「友部池野辺線」については、平成26年度から残りの工事に着手できる運びとなったため、県道との交差点改良工事を含め、早期の全線開通に向け取り組んでまいります。
また、岩間駅東口から国道355号バイパスまでの、「岩間駅東大通り線」延伸部については、今年度から工事に着手しており、平成26年度内の一部供用開始、平成27年度内の全線開通に向けて取り組んでまいります。
都市計画道路の見直しについては、都市計画決定後、未着手となっている路線を対象に、計画の見直しが必要であると思われる路線の存続・変更・廃止について、笠間市都市計画道路再検討委員会を設置し検討を行っております。平成26年度は、委員会から提言をいただき、市の方針を決定した後、見直しの対象路線について都市計画の変更手続きに着手してまいりたいと考えております。
2.多彩な交流で飛躍する活力ある産業のまちづくり【産業】
次に、「多彩な交流で飛躍する活力ある産業のまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、観光の振興についてですが、「通年型観光地づくり」を推進するため、笠間観光協会との協働で新規来訪者の拡大を図るため、広域観光を含めた新たな旅行商品開発事業を継続して行ってまいります。また、学校行事として行う遠足や宿泊学習を誘致するため、吾国愛宕ハイキングコースや北山公園キャンプ場、そして陶芸体験などの観光資源を活用した教育旅行の実施に取り組んでまいります。
観光PRについては、震災後の風評被害が今だに残る状況にありますが、県および広域観光協議会、笠間観光協会、JR東日本等と連携した広域的なPR活動として、首都圏および北関東自動車道沿線に向けたPRを強化すると共に、茨城空港の名古屋・福岡等の路線拡大に伴う新たなターゲットへのPRを行ってまいります。また、昨年、本市と益子町で「かさましこ観光協議会」が設立されたことから、益子の陶器市との連携を図るなど県境を越えた観光・イベント等のPRを実施してまいります。
筑波山地域ジオパーク構想については、本市の吾国山・愛宕山周辺や、佐白山周辺、北山公園周辺の地質や自然生態、また、その地域の歴史や文化、地場産業である稲田みかげ石など、地球の壮大な成り立ちから生まれた地域資源をジオパークとして活用するため、笠間市・桜川市・石岡市・つくば市・土浦市・かすみがうら市の6つの自治体と筑波大など関係機関と連携して、日本ジオパーク委員会から「ジオパーク」の正式認定を目指し取り組んでまいります。なお、3月30日に開館する予定の、観光交流センター「石の百年館」については、稲田みかげ石の産業や歴史の継承と筑波山ジオパークの観光拠点として設置運営してまいります。
商業の振興および商店街活性化については、笠間地区と岩間地区において、商工会や商店会などが実施する空き店舗対策や賑わい創出などの事業への支援を引き続き行ってまいります。
笠間のご当地グルメ「笠間いなり寿司」については、茨城県で唯一「愛Bリーグ」の正会員である「笠間いなり寿司いな吉会」が、今年度は、愛知県豊川市で行われた全国大会、また千葉県勝浦市で行われた関東・甲信越大会に出展するなど「観光地笠間」を全国に向けてPRしてまいりました。平成26年度も、これまでの経験を生かし、福島県郡山市で開催予定の全国大会等に出展する予定となっておりますので、本市としても引き続き支援してまいります。
また、昨年11月に開催した「ご当地グルメサミットin笠間」についてですが、注目度の高い市内外のご当地グルメが多数出展し、笠間稲荷門前通りを中心とした「まちなか」で初めて開催し、2日間で延べ約90,500人が訪れるなど盛況でありました。平成26年度も開催を予定し、まちおこしに寄与してまいります。
中小企業の支援については、事業の中心となる自治金融・振興金融保証料補給を資金需要にあわせ増額計上すると共に、利子補給の補助を継続して実施してまいります。また、雇用の安定を図ることを目的に、労働環境改善のための設備投資に対する補助や、笠間市民を新たに雇用した中小企業に対する「企業活動促進支援事業」を継続して実施し支援してまいります。
雇用対策については、高校生や大学生等を対象とした「笠間市就職面接会」を、ハローワークと連携して今年度初めて開催し、10名を超える内定者が出るなど好評を得ることができました。平成26年度も地元企業への雇用拡大を図るため、参加企業を増やすなど内容を充実させて開催してまいります。また、個人事業者や非正規雇用者、離職者、学生等を対象とした「職に役立つ資格取得支援事業」を市独自の事業として引き続き実施してまいります。
「笠間焼」の振興策については、笠間焼協同組合と連携し、春の「笠間の陶炎祭」、秋の「笠間浪漫」など、県内でも特徴のある、笠間ならではのイベントでのPRの強化や、国の制度を活用するなど笠間焼の販路拡大に取り組んでまいります。また、昨年12月に議員提案にて制定されました「笠間市地酒を笠間焼で乾杯する条例」とも関連させ、飲食店等での利用を呼びかけてまいります。さらに、笠間焼若手陶芸家を対象に「笠間焼陶芸家支援事業」を引き続き実施し、笠間焼の後継者育成・創業支援および定住化を促進してまいります。なお、震災の影響により休止していた「アマチュア陶芸展」を復活させ、陶芸ファンの拡大に努めてまいります。
「稲田みかげ石」については、県や関係機関と連携し、公共事業への活用や、販路拡大事業として開催する「いばらきストーンフェスティバル」、「ストーンエキシビション」への支援および稲田みかげ石スラッジの環境対策事業にともなう処理組合への支援を引き続き行ってまいります。
企業誘致については、新規立地が可能な「茨城中央工業団地(笠間地区)」に、国・県・市の優遇制度の活用や、分譲価格の引き下げを県に働きかけるなど、企業誘致の実現に取り組んでまいります。また、岩間IC周辺の工業系の用途地域を設定している安居地区については、企業立地に必要な都市基盤整備を計画的に行うため、工業地域整備の基本構想を策定いたしました。これにより平成26年度は、地元の方々と事業実施に向けた協議を行うと共に、地権者会の設立なども進めてまいります。
なお、今定例会に上程しております、工場立地法準則条例の制定により、緑地を含む環境施設面積の割合が、工業地域においては現在までの25%以上から10%以上に緩和され敷地の有効活用が図れることから、今後の工場等の立地促進が見込まれるものと期待しております。
本市の基幹産業である農業については、「笠間市農林業振興基本計画」に基づき、本市に適した個性ある農林業を推進するための施策に取り組んでまいります。
まず、担い手の育成強化と新規就農者の確保については、地域農業の将来像となる「人・農地プラン」に基づき、新規就農者への営農相談や地域懇談会の開催等を行ってまいります。さらに、農繁期の労働力確保のため、臨時雇用にかかる経費を支援してまいります。
農業公社の設立については、現在の農業は、農業従事者の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加など、将来の農業経営に大きな不安を抱えております。このような現状の中、耕作放棄地の解消や農産物の加工・販売などを柱とした農業法人組織の立ち上げが急務となっております。中でも各県に設置される農地中間管理機構による耕作放棄地の解消は、国の攻めの農業の柱のひとつとされ、その業務の多くが市に委託されることになっていることから、その業務の受け皿としても農業法人組織の設立が必要となっております。今後、具体的な事業計画の策定などの準備を進め、平成26年度内の設立を目指し取り組んでまいります。
6次産業化・ブランド化の推進については、笠間市の農業、産業の特色を生かした「笠間アグリビジネスネットワーク協議会」を、昨年7月に設立いたしました。平成26年度は、このネットワークを核として、加工品や笠間の特色を生かした農産物「笠間の野菜」の開発を行い、それらと地域ブランド「かさまの粋」の認証を組み合わせながら、販売強化の支援に取り組んでまいります。
このほか、笠間クラインガルテンを核としたグリーンツーリズムの推進、畑地の一体再生事業による耕作放棄地対策事業、水田農業では、集落営農組織に対する支援や経営安定対策における戦略作物である麦、大豆、飼料作物の生産振興などに取り組んでまいります。
農地の基盤整備については、県営事業である経営体育成基盤整備事業の事業採択を受けた、北川根地区の測量業務等が完了し、現在も継続して整備を進めている霞ヶ浦用水事業と合わせ、平成26年度からパイプラインおよび揚水機場の工事に着手し、平成27年度の供用開始を目指してまいります。また、市の施工により実施しております、稲田大古山地区については、平成26年度に一部の付帯工事を除き、基盤整備が完了する予定となっております。
森林整備については、森林湖沼環境税を活用し、森林の間伐や作業路の整備、林業専用道の整備を実施してまいります。公共性の高い平地林などを整備・保全し、健全な森林の育成と多様な森林の活用を引き続き推進してまいります。
農業水利施設の震災対策として、小原地区の不動谷津池の耐震調査およびハザードマップの作成を実施します。地震による被災の影響が大きい農業水利施設の耐震性を調査することで、災害の未然防止を図ってまいります。
3.共に支えあい、健やかに暮らせるまちづくり 【健康・福祉】
次に、「共に支えあい、健やかに暮らせるまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、健康づくりの推進についてですが、笠間市健康づくり計画に基づき、「健康都市講座(健康づくり講演会)」および「健康づくり市民大会」を引き続き開催し、市民や企業の健康づくりへの取り組みを紹介するなど、健康都市づくり運動の連携と交流を通して、健康づくりに対する意識の高揚を図ってまいります。
「いばらきヘルスロード」については、現在、案内看板の整備や、市民へ配布するパンフレットの作成に取り組んでおります。平成26年度は、多くの市民の方にヘルスロードを知っていただくため、新たなコースへ案内看板を設置すると共に、笠間市ウォーキング協会と連携しウォーキングの体験教室などを開催してまいります。
健診事業については、がん検診推進事業や各種健康診査の未受診者へ、受診の奨励を継続して実施し、受診率向上に努めてまいります。また、生活習慣病予防対策の一次予防の重要性を理解していただくために、特定健診事業とあわせ特定保健指導を実施すると共に、各指定医療機関との調整を行い、人間ドックで490人、脳ドックで250人の助成枠を確保し、生活習慣病の予防と健康保持増進を図り、伸び続ける医療費の抑制に努めてまいります。
予防接種事業については、大人の風しん感染対策として、現在、国において、主に妊娠希望者に対する抗体検査費用の助成が検討されております。本市では引き続き、風しん予防接種を奨励するとともに、抗体検査実施後、陰性であった方に対する予防接種費用を助成し、先天性風しん症候群の発症の予防に努めてまいります。
次に、少子化対策および子育て支援事業についてご説明いたします。
はじめに、出会い創出支援事業についてですが、市内の団体が行う出会いの場づくりに対する助成を引き続き実施してまいります。また、結婚に関する情報提供を積極的に行うためには、人と人との結びつきが重要なことから、本市周辺の城里町、栃木県益子町、茂木町の県境を越えた1市3町での広域ネットワークを活用した情報発信の仕組みづくりに取り組んでまいります。
さらに、健やかな妊娠、安全な出産のための妊婦健康診査の推進と助成、不妊治療費および未熟児養育医療の医療費一部助成を継続して実施してまいります。
子育て支援についてですが、平成24年8月に「子ども・子育て支援法」が施行され、平成27年度から新制度がスタートいたします。本市では、平成27年度から平成31年度を計画期間とする「子ども・子育て支援事業計画」の策定や、「幼保連携型認定こども園」の整備など、地域の実情にあった質の高い保育・教育の提供および地域子ども・子育て支援事業を計画的に実施してまいります。
ファミリーサポートセンター事業については、現在、子育ての相互援助活動として定着しておりますので、引き続き安心して子育てができる環境づくりとして推進してまいります。
地域子育て支援拠点事業については、各地区の子育て支援センターにおいて、多くの保護者と乳児・幼児にご利用いただいている状況であり、笠間市児童館と共に、今後も児童支援の拠点として事業を推進してまいります。
また、大きな社会問題となっています児童虐待やネグレクト(育児放棄)は、早期発見・早期対応が第一でありますので、家庭児童相談室での相談業務はもとより、要保護児童対策地域協議会等、関係機関の連携により対応してまいります。
放課後児童クラブについては、児童の健康管理や安全確保、また遊びや生活を通じた児童の健全育成に努めるとともに、指導員の資質向上を図り、一層のサービス向上に努めてまいります。なお、平成27年度からの新制度にあわせ、6年生までの対象児童すべてに対応できるよう、施設整備を含めて取り組んでまいります。
マル福制度については、本市独自の支援を幅広く実施しており、小児医療費の助成も対象年齢を中学3年生まで拡充してまいりました。平成26年度も現在の制度を継続し、乳幼児・児童・生徒の健康の保持および健全育成を図ってまいります。
ひとり親家庭への支援としては、「母子家庭等高等技能訓練促進事業」を引き続き実施し、資格取得中の負担軽減を図ると共に、その他、各種支援制度の周知を図り経済的な支援を行ってまいります。
生活困窮者対策については、昨年12月の生活困窮者自立支援法の公布を受け、自立相談支援事業の実施および住宅確保給付金の支給等、生活保護に至る前の自立支援策強化を図るための取り組みを進めてまいります。
また、生活保護については、生活保護法の一部改正を受け、就労による自立の促進、不正・不適正受給対策の強化、医療扶助の適正化等について重点的な取り組みを続けてまいります。
障害者福祉については、障害のあるすべての人に対して、地域での自立した生活を支えるために必要な福祉サービスを提供すると共に、地域での相談支援の拠点となる「基幹相談支援センター」や「笠間市障害者地域自立支援協議会」との連携のもと、相談支援体制の強化や権利擁護・虐待防止等に取り組んでまいります。
高齢者福祉については、平成27年度から平成29年度までの「第6期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定し、さらなる事業の充実に取り組んでまいります。計画の策定にあたっては、学識経験者など15名程度で構成する策定委員会を組織し議論してまいります。
介護サービス利用者に対しましては、特別養護老人ホーム入所待機者の削減を目的として、笠間市児童館脇へ平成26年度中の施設整備を支援してまいります。
また、高齢化に伴う多様な問題に対応するため、地域における総合的な介護・保健・医療・福祉サービスが連携する、「笠間市地域包括ケアシステムネットワーク」を推進し、相談支援の充実を図ると共に、支援が必要な方が地域で安心して暮らすために、地域住民の協力による「在宅ケアチーム」の設置や地域企業との「見守り協定」により、日常的な見守りの強化を行ってまいります。
今年度、実証実験を行いました地域経営型クラウドシステムについては、介護認定情報や見守り支援のための情報、救急医療情報などを効率的に共有するためのシステムであり、関係機関がこれらの情報を有効活用することにより、医療・介護等の連携を強化し、地域全体での支援体制づくりを図るため、平成26年度から本格運用を開始します。
さらに、高齢になっても元気に生活できるように、介護予防対象者を把握し、身近な地域での介護予防事業や認知症対策などを充実させるとともに、高齢者の孤独化を防止するための社会参加を積極的に推進してまいります。
笠間市立病院については、第2次笠間市立病院改革プランに基づき、公立病院として市立病院が果たすべき役割に取り組みながら、経営の健全化を目指してまいります。
市立病院整備事業については、平成30年4月の友部駅北地区への移転新築を目指し、平成26年度から基本設計に着手してまいります。昨年末に出された「笠間市立病院建設協議会」の答申を踏まえ、在宅医療を軸とし、今までの在宅訪問診療に加え、訪問看護や訪問リハビリなど新たな医療に取り組んでまいります。また、保健センター機能や地域包括支援機能、病児保育機能など、行政機能の併設についても検討を進め、行政サービス機能と医療機能を効果的・効率的に生かしながら、保健・医療・介護・福祉との連携により地域に必要とされる病院を目指してまいります。
なお、今年度まで県事業で実施していた筑波大学との連携事業については、平成26年度からは、笠間市単独で筑波大学と委託契約を締結し、「かさま地域医療教育ステーション推進事業」として、指導医の派遣と学生の受入れを行い、地域医療に従事する医師の養成と地域医療の充実を図ってまいります。
4.自然と共生した安全でやさしさのあるまちづくり【生活環境】
次に、「自然と共生した安全でやさしさのあるまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、はじめに防災体制の充実についてですが、平成24年10月に策定しました地域防災計画「地震および風水害対策計画編」に基づき推進しておりますが、この度「防災のしおり」を作成し市内全世帯へ配布するなど、防災意識のさらなる向上に努めてまいります。
また、本市の一部が東海第二原子力発電所から半径30kmを目安とする「緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)」に含まれることから、昨年5月に「原子力災害対策計画編」を策定しました。現在は、具体的な原子力災害への備えとして、防護措置としての安定ヨウ素剤の服用および市域さらには県域を越えた避難を想定した広域避難計画を策定するため、県を中心に県内全市町村や避難先と想定される近隣の県や市町村、また自衛隊や交通・運輸等のさまざまな関係機関へ協力を要請し、検討・協議を行っているところでございます。
自主防災組織については、1月末現在で115団体が設立され、組織率は45.14%となっております。災害に強い地域づくりのためにも、今後も継続して組織結成を促進し、組織率の向上に努めてまいります。
また、防災に対する高い意識を有するとともに、知識・技能を備えた防災士の資格取得を推進するため、今年度新設しました「防災士助成金制度」を活用し、市内7名の方が防災士の資格を取得しました。今後もこの事業を継続し、地域における防災リーダーの育成に努めてまいります。
さらに、福祉の分野では、災害時の避難にあたり支援が必要となる人を定義し、その情報収集や共有方法、また避難支援体制の概要等を定める「笠間市災害時避難行動要支援者避難支援プラン」を今年度策定いたしました。平成26年度は、避難行動要支援者について避難の支援、安否の確認、その他必要な措置を実施するための基礎となる名簿、「災害時避難行動要支援者台帳」の作成および、日頃から見守りを希望する要支援者について、一人一人の個別計画の作成に取り組んでまいります。
消防防災対策については、広報等による防災意識の向上と住宅用火災警報器の普及啓発を図ると共に、防火水槽や消火栓などの施設整備を継続して実施し、さらなる充実を図ってまいります。
救急体制については、岩間消防署の高規格救急車を更新するほか、救急隊員の新たな教育管理制度の導入や、病院実習による再教育を充実させると共に、県立中央病院が3月より運行を開始する「ドクターカー」と本市救急隊が連携するための協定を締結し、救急搬送時の救命率向上に努めてまいります。また、民間救急ボランティア団体である「かさまハートサポーター」および「女性消防団」が、消防署員と協働で、市民に対して応急手当の指導を行うなど、今後も救命率向上につながる普及啓発活動に取り組んでまいります。
消防団については、団員不足の解消が課題となっており、広報紙、ホームページへの掲載や団員募集パンフレットを配布すると共に、消防団協力事業所表示制度を活用し市内各事業所への協力を依頼するなど、団員の加入促進を図ってまいります。
女性消防団の活動については、これまでの住宅防火診断に加え、幼稚園などに直接訪問しての幼児防災教育や、各事業所へ防火ポスターを配布するなど、防火に関する広報活動を行ってまいります。
消防救急デジタル無線の広域化および消防指令センターの共同化については、今年度から施設の整備を進めているところであります。防災体制のさらなる充実を図るため、平成28年6月からの運用開始を目指し取り組んでまいります。
次に、環境基本計画については、平成20年度に環境基本計画を策定いたしましたが、放射能・エネルギー政策などの新たな環境問題や、現計画および目標数値を見直し、今日の社会と環境の状況変化を踏まえ、今後の環境保全に関する総合的かつ長期的な施策を図るため、平成26年度から2ヵ年事業で計画の改定作業を進めてまいります。
住環境の整備については、空き家等の適正管理に関する条例が今年度から施行され、空き家に対する管理不全状態の防止と解消を図るため、市民から提供された情報により空き家を調査し、所有者に行政指導を行い、一定の成果をあげているところでございます。平成26年度についても、解体撤去費用の補助制度を引き続き実施するなど、空き家等の適正管理に努めてまいります。
住宅用太陽光発電システムの設置補助については、市民からの要望が高いものであり、平成27年度まで事業期間を延長し実施いたします。今後とも、国および県のエネルギー政策の動向に注視しながら「環境負荷の少ないエネルギー利用の促進」に努めてまいります。
不法投棄防止対策については、悪質な不法行為に対する監視活動や指導を行うため、警察署および県廃棄物対策課などの関係機関と、より一層の連携を図り、迅速な対応による早期解決に努めてまいります。
日常生活を支える生活道路の整備については、安心・安全な道路環境を形成するため、地権者の協力を得ながら、狭あい道路の整備を引き続き進めると共に、特に交通危険箇所など緊急性の高い箇所を優先的に整備してまいります。
排水整備事業については、近年多発するゲリラ豪雨による浸水被害を未然に防止するため、市街地部を中心に、緊急性の高い箇所の整備を推進してまいります。
市道の管理については、「笠間市道路里親制度」の普及に努め、地域の方々による道路の清掃・美化等の促進を図るなど、地域と行政の協働による道路環境づくりを推進してまいります。
都市公園の管理についても、「笠間市都市公園グリーンパートナー制度」により、地域における自主的な美化活動を推進し市民に親しみやすい公園となるよう、グリーンパートナー協力団体の拡充に努めてまいります。
なお、現在設置されている道路照明や案内標識の現状を調査し、老朽箇所の点検や本市への来訪者にも分かりやすい案内標識の設置箇所等の検討を行うと共に、市道の除草や清掃、簡易な補修などの管理を年間を通して包括的に民間委託するため、モデル路線を選定し試験的に実施してまいります。
上水道事業についてですが、現在取り組んでいる石綿管の更新および鉛製給水管の解消については、平成25年度末で石綿管が約55%、鉛製給水管は約46%が完了する見込みであり、安心安全な水道水の安定供給を図るため、引き続き事業を推進してまいります。また、水道施設の耐震調査および施設整備計画の策定が今年度完了することから、平成26年度には財政計画を策定し、計画的な施設整備を推進してまいります。
なお、平成28年度に予定している水道料金の改定については、整備計画および財政計画を基に適正な料金改定の実施に向け、準備作業を進めてまいります。
さらに、検討を進めてきました、水道料金徴収業務等の民間委託については、事業経営の効率化および経費削減等の効果が期待できることから、平成26年度より実施してまいります。
公共下水道事業については、浄化センターともべの長寿命化計画に基づき、中央監視室の改修工事を実施し、処理施設の安全な運転に努めるとともに、処理能力の向上を図ってまいります。
また、下水道管渠の整備工事を推進し下水道普及率の向上を図ると共に、現在、工事を進めている笠間地区の笠間幹線圧送管予備ルート整備については、平成27年度中の完成を目指し、地震に強い下水道を構築してまいります。
農業集落排水事業については、今年度供用開始した友部北部1期地区の接続促進を図ると共に、2期地区の管路布設工事を進めることにより順次供用開始区域を拡大し、小原地区の水質浄化に取り組んでまいります。
水道使用料徴収業務の民間委託に伴い、公共下水道事業・農業集落排水事業の使用料徴収業務もあわせて委託し、使用料納付の効率化を図り徴収率の向上に努めてまいります。なお、公共下水道事業および農業集落排水事業への接続についても、戸別訪問による直接働きかけを実施し、市内全体の接続率の向上に努めてまいります。
合併浄化槽設置事業については、県の上乗せ補助を活用し、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への入れ替え促進に力を入れるなど、より一層の水質浄化に努めてまいります。
次に、地域活性化・定住化促進についてですが、日本を代表する建築家、伊東豊雄氏設計の「笠間の家」については、昨年11月に正式オープンしたところでございますが、平成26年度は建築をテーマとした伊東先生とのワークショップや、若手陶芸家の協力による各種企画展を開催するなど、建築家や陶芸家そして市民の交流の場となるような活用を進めてまいります。
また、空き家の利活用を促進する「空き家バンク」制度を今年度創設しましたが、利用希望者の登録数が、空き家の登録数を大幅に上回っていることから、緊急雇用創出事業を活用して、市内の空き家物件の調査を実施し、空き家の掘り起こしを行うなど、空き家の有効活用に取り組んでまいります。
「地域おこし協力隊」については、現在、首都圏から3名の隊員を受け入れており、地場産業の振興や地域活性化策への取り組みを中心に活動しているところでございます。平成26年度も3名の隊員に対して、将来の本市への定住化を見据えた活動への支援をあわせて行ってまいります。
次に、防犯・交通安全対策の強化についてですが、昨年(平成25年)の笠間市内における刑法犯罪件数は898件であり、一昨年(平成24年)より133件減少している状況にありますが、犯罪の多様化、巧妙化が進む中「安全で安心なまち笠間」を目指し、防犯対策を進めてまいります。
本市では、犯罪の抑止を目的とした防犯カメラを、友部駅・笠間駅・稲田駅・岩間駅・宍戸駅・民間交番に設置しておりますが、平成26年度は、新たに福原駅駐輪場へ設置してまいります。
また、昨年9月に開所しました「笠間市民間交番あさひ」については、警察OBや地域の防犯連絡員の方々に非常勤特別職の「セーフティサポーター」として勤務していただいておりますが、昨年9月から12月の4ヶ月間の住吉、湯崎を含めた旭町周辺の犯罪認知件数は、昨年同時期55件であったものが32件に減少しており、設置効果はあったものと感じております。引き続き、地域の防犯拠点として笠間警察署との連携を密にし、地域の安全・安心をサポートしてまいります。
さらに、防犯灯整備については、今年度、市管理防犯灯1,100基を10年間一括リース方式によりLEDに切り換えましたが、平成26年度は行政区管理の防犯灯、約6,700基を同様に10年間一括リース方式でLED化を図り、省エネおよび、行政区の電気料金の軽減を図ってまいります。
交通安全については、昨年(平成25年)の笠間市内における交通事故発生件数は、296件であり、一昨年(平成24年)より42件減少しておりますが、死亡者数は4人であり、その全てが65歳以上の高齢者という状況にあります。平成26年度は、第9次交通安全計画に基づき配置した、交通安全教育指導員を中心に小中学生や高齢者等の交通安全教育の充実を図ってまいります。特に交通安全協会や交通安全母の会と協力しながら、小学生の自転車の安全運転、高齢者の交通事故防止のための啓発活動や出前講座などに力を入れてまいります。
さらに、道路交通環境面については、小学校区ごとに市民が参加して実施する通学路の交通安全点検を計画的に行ってまいります。
笠間市消費生活センターについては、今年度から相談業務をNPO消費者相談室に委託しておりますが、平成26年度も引き続き、専門的、効率的な消費生活相談の運営をはじめ「消費者力アップ市民講座」や「弁護士相談」を開催するなど、市民サービスの向上を図ってまいります。また、高齢者を中心に拡がる悪質商法など、ますます多様化する消費者問題に対し、消費者の安心と安全を確保するため、消費者行政の強化に引き続き取り組んでまいります。
5.人が輝き、豊かな文化を創造・発信するまちづくり【教育・文化】
次に「人が輝き、豊かな文化を創造・発信するまちづくり」について、ご説明申し上げます。
はじめに、幼児教育についてですが、公立保育所および幼稚園の整備については、国の制度再編の方向性を注視しながら、幼保一体化に向けた検討を進めてまいりましたが、「公立保育所・幼稚園整備基本計画」に基づき、「笠間幼稚園とてらざき保育所」を、また「稲田幼稚園といなだ保育所」を一体化した「幼保連携型認定こども園」を整備することとし、それぞれ平成28年度および平成29年度の開園を予定いたしました。平成26年度は、笠間幼稚園とてらざき保育所を一体化した「幼保連携型認定こども園」の設計業務を進めてまいります。
学校教育については、児童・生徒一人一人が確かな学力を身につけ、さらなる学力向上を目指すため、昨年に引き続き「学力向上支援事業」を実施してまいります。すべての小・中学校に、本市が独自に雇用する「授業支援講師」を配置し、ティームティーチングによる授業や習熟度別指導の充実を図るとともに、児童生徒の理解度や興味・関心などの個人差を考慮した学習指導を実施してまいります。
学校施設の耐震化については、今年度で小中学校全施設69棟に対し63棟が完了し、耐震化率は91.3%となりました。平成26年度におきましては、稲田中学校の校舎と佐城小学校・岩間第一小学校および岩間第二小学校の屋内運動場の耐震補強工事等の実施を予定しておりますが、これらの工事が完了しますと、統廃合により廃校を予定している校舎を除き、すべての耐震化が終了いたします。
小中学校の適正配置については、学校統合に対する子どもたちや保護者の皆様の不安が解消できるよう、スクールバスの運行、子どもたちの事前交流事業、PTAの組織体制など必要な事項・課題について、「小中学校統合準備委員会」で協議を進めております。平成27年4月の学校統合がスムーズに進められるよう、引き続き万全の準備を整えてまいります。
児童の学力向上と学習意欲の高揚を図るため、小学校5・6年生を対象に笠間・友部・岩間の3地区の公民館において実施している「寺子屋事業」についてですが、今年度までは「国語と算数」の学習を行っておりましたが、平成26年度からは新たに「英語」を加えるなど、事業の充実を図ってまいります。
「かさま国際音楽アカデミー」については、平成26年度も音楽によるまちづくりを目指し、アカデミーの内容をさらに充実させ開催してまいります。
平成23年度より、市内小学校を対象に、芸術家、アーティストを派遣して実施しております「青少年劇場小公演事業」については、平成26年度からは中学校まで対象を拡大して実施してまいります。
笠間城跡の保存・整備については、今年度から考古学や歴史学などの学術関係者で組織した調査委員会にて調査を行っておりますが、平成26年度も引き続き調査を実施し、国史跡の指定を目指してまいります。
市立図書館については、市民の利用率が全国でも非常に高い図書館であります。平成26年度は、市民の多様な要望にお応えできるよう、図書購入費を拡充すると共に、施設の維持管理を進め利便性や情報発信力の向上を目指してまいります。
また、笠間図書館においては、コーヒーなどを販売し、やすらぎ空間の整備に取り組んでまいります。
笠間公民館については、昭和57年の完成以来、築32年が経過し、水回りや空調設備、また大ホールなど全体的に老朽化が進んでいる現状であります。このため、平成26年度に施設全体の現況調査を実施し、効率よく重点的に整備するための改修計画を作成するなど、笠間公民館のリニューアルに向けて取り組んでまいります。
次に、市内のスポーツ大会については、今年度からハーフマラソンの部を新設して実施しました「かさま陶芸の里ハーフマラソン大会」が、2013年全国マラソン大会100選に選ばれるなど、一定の成果を収めたものと思っております。平成26年度も今回の課題を整理し、さらに充実した大会となるよう取り組んでまいります。
また、合気道の聖地として開催する「全国高等学校合気道演武大会」および「全国高等学校アームレスリング選手権大会」、歴史と伝統のある「県下中学校交歓笠間市駅伝大会」、小学生対象の「スナッグゴルフ大会」など、市民の体力向上とスポーツの振興を目的にさまざまなスポーツ大会を開催してまいります。
また、市内の体育施設については、現在、大規模改修を行っております「岩間B&G海洋センタープール」の改修が今年度内に完了いたします。今後も、市内の体育施設が市民のスポーツ振興と健康の維持増進の場となりますよう、指定管理者と連携を図りサービスの向上に努めてまいります。
次に、国際交流の推進についてですが、元気かさま応援基金を活用し、平成26年度も引き続き、市内在住の学生や社会人を対象に募集を行い、近隣アジア諸国を中心に派遣事業を実施してまいります。
海外都市との交流については、一昨年、韓国江華郡から議員と職員が本市を訪れたことたことをきっかけに、今年度の青年海外派遣事業で江華郡を訪問するなど交流が深まってきていることから、平成26年度に、この韓国江華郡に市職員を派遣し、文化や歴史、観光、教育などを通してどのような交流ができるかを検討してまいります。
また、これまで交流のあった、レバノン・クェート・エチオピアの各国およびドイツのラー市などとの交流も継続してまいりたいと考えております。
6.人と地域、絆(きずな)を大切にした元気なまちづくり【自治・協働】
次に、「人と地域、絆(きずな)を大切にした元気なまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、笠間支所についてですが、旧法務局庁舎へ移転し、来る3月24日からオープンできる運びとなりました。また、教育委員会庁舎については、本所敷地内に鉄骨2階建て庁舎を建設することで、今年度、地質調査および建築工事の実施設計を実施いたしました。平成26年度は建築工事に着手し、平成27年度の早い時期に新たな庁舎で業務が開始できるよう進めてまいります。
次に、協働のまちづくりについては、新しい公共を含めた協働事業への認識を深めるため、市民と職員が参加する講演会を開催し、協働のまちづくりの浸透を図ってまいります。
地域コミュニティ活動については、地域の課題解決に取り組む自治会や行政区のニーズを把握し、地域コミュニティ活動をより活性化していく仕組みづくりを検討してまいります。
市民活動や地域コミュニティ活動の交流拠点となる「地域交流センター」については、平成26年度に友部地区地域交流センターの実施設計を行い、平成28年度のオープンに向け取り組んでまいります。実施設計を進めるにあたり地域交流センターを拠点とした活動や地域の将来像について話し合う地域懇談会を開催してまいります。なお、岩間地区地域交流センターについても、平成26年度に地域活動による活性化を目指すための活用策などを話し合う地域懇談会を開催し、平成29年度のオープンを目指して取り組んでまいります。
地域ポイント制度については、新たな人材の発掘や地域活動の参加機会の拡大を目指し、市民にポイント制度のPRをしてまいりました結果、2,000人を超える市民が登録し、市内のさまざまな事業に参加していただいておりますが、さらにポイント対象事業を健康ポイントやエコポイントなどの事業にも広げるなど、継続して進めてまいります。
次に、男女共同参画の推進については、第2次笠間市男女共同参画計画に基づき、笠間市審議会等委員への女性の参画比率を平成29年度までに35%に引き上げることを目指してまいります。また、男性や子どもの時からの男女共同参画の理解促進、仕事と生活の調和の推進を重点的に進めてまいります。
笠間市ホームページについては、従来のホームページの中に、小学生を対象とした「子ども向けホームページ」を平成26年度から開設いたします。従来と比較し、イラストを多く使い、漢字にルビを付けるなど親しみやすく分かりやすい表現で構成し、自分たちが住む「我が街かさま」を広く知るためのツールとして、また学校のパソコン授業の教材や、県立図書館および国土交通省・財務省のキッズコーナーなど外部とのリンクを設定することにより、調べ物や自由研究にも活用できるよう工夫してまいります。
さらに、本市の魅力ある観光資源や地域資源の情報、また災害発生時の避難誘導などの行政情報を発信する新たな媒体として、「産・学・官と地域」が連携し、市内全域を対象に、スマートフォン等で利用できる「笠間まちなかガイドシステム」を新規に構築してまいります。
次に、行政経営に対する取り組みについてですが、行財政改革につきましては、「第二次笠間市行財政改革大綱」に基づき、3つの柱である「市役所の変革」、「市民協働・公民連携の推進」、「財政基盤の確立」に引き続き取り組んでまいります。
特に「財政基盤の確立」である使用料および手数料については、サービスに要する経費を的確に把握すると共に、受益者負担の原則に基づいた算定方法を明確化し、サービス内容の透明性を高め適正な料金設定とするため、全庁的な見直しに取り組んでまいります。
指定管理者制度については、「笠間市指定管理者制度導入および運用ガイドライン」に基づき、団体の持つ特性を十分に生かしながら、指定期間全体を通した効果の検証に目を向け、施設の管理運営と制度運用のさらなる改善に向け取り組んでまいります。
外部委託の推進については、イベント業務等におけるこれまでの市の関与の度合いを見直し、役割分担を明確にしたうえで、業務委託や関連団体の自主運営などへの移行に取り組んでまいります。
また、施設の維持管理に伴う、電気、機械、空調、ボイラー等の各種保守点検業務委託については、契約期間を単年度から複数年度に見直すなど、効率的な業務の実施に努めてまいります。
情報政策については、情報システムの見直しを行いシステムの最適化による効率化と経費の削減を図るとともにICT(情報通信技術)を活用した事務手続きの簡略化や時間の短縮など、より一層のサービス向上に取り組んでまいります。
次に、平成26年度における組織機構の改正ですが、幼保一体化への取り組みを効率的・効果的に推進するための組織として、福祉部子ども福祉課内に「幼保連携推進室」を設置し、あわせて「少子化対策室」を廃止して、その所掌事務を「幼保連携推進室」に移管いたします。
また、今日の人口減少や少子高齢化などにより余剰・遊休となっている財産の売却等を含めた対応や、老朽化等により今後更新時期を迎える施設への対応など、公有財産管理のあり方が地方公共団体の今後の行財政運営に大きな影響を及ぼすことから、これらを担当する組織として、総務部内に「資産経営課」を新たに設置いたします。
次に、自治体間の広域連携の取り組みについてですが、現在、水戸市を中心とした県央地区9市町村で「県央地域首長懇話会」を構成し、公共施設の有効利用、広域観光の推進事業などを実施しておりますが、少子高齢化による人口減少社会への対応を考慮し、効率的な行政運営を行うための手段として、自治体間の枠を越えた新たな連携事業への取り組みなど、県央地域首長懇話会での議論を深めてまいりたいと考えております。
以上が主要な施策の概要についてでございます。
ただいま申し上げました、笠間市総合計画・基本構想の6つの柱を基本に、議会ならびに市民の皆様と真摯に議論を重ね、そして手を携えながら、職員と一丸となって、本市の将来像である「みんなで創る 文化交流都市」を実現してまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
問い合わせ先
- 2011年9月2日
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