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市長コラム「中国放浪記」(平成22年7月ホームページ特別版)

「中国放浪記」

 今回7月12~16日(4泊5日)まで時事通信社主催による内情中国プレミアムツアーに休暇を取り参加してまいりました。
1日目 浙江省 抗州市(5800万人)
中国貿易促進委員会抗州市分会で抗州下城区の経済状況についての説明を受ける。10数人が対応してくれるが皆さん若く(20代、30代)活力を感じる。
 2日目 飲料メーカー(ワハハ)合資会社を訪問。20年間で急成長 約7000億の売上げ 国内に約50の工場を展開しているとのこと。設備については新しいものではなかった。しかし会社としての成長は勢いを感じる。社員寮を工場敷地内に設置。
 次に、浙江省工業大学生との意見交換(日本語学科)
 学生(中流階級)→日本に対しての関心大→留学希望 日系企業に就職したい
歴史的に中国の先人達は日本に期待を持ち、日本から学ぶことの大切さを知り、留学希望が多かったが最近は少なくなってきているとの事。
 意見交換した7名の学生は目が輝いており、勉強熱心、親の躾つけがしっかりしていると感じた。
 大学内見学途中に軍服装の生徒達の歩行行進訓練に出会う。
 中国では、入学前(9月入学)の新入生に対して、生徒の規律を正しくする為に、軍が直接1カ月近くの訓練を全員に対して行うとの事です(日本も必要では)。
 中国は特別な場合を除いて、1人っ子政策が今も続いている為に最近は過保護的な生徒が多くなってきているとの事。
 3日目 繊維市場 中国最大の取引市場(中国軽紡城、服飾材)を見学
 紹興市―紹興酒のふる里 古くから水の都として発展。 橋の数16,000橋。
 古い中国のイメージが残っている。現在100の紹興酒造工場がある。
 手作り専門の工場は2ヶ所(他は機械化されている)。
 そのうちの1件を見学 甕に入れて熟成させる。5、10、15、20、25―50年
 (水分が蒸発して古くなるほどまろやかになるとの事)
 値段も年数に比例して高くなる。甕の口を竹と葉と泥でふさいで熟成させる。
 次に中国新幹線に乗車して、上海へ向かう。最高速度250km、実際には、約150kmで走行スピード以外は日本と変わらない。
 約10年ぶりの上海である。あまりの高層ビルの多さに驚く。
 上海市(戸籍上人口1600万人 その他500万人)
 東京を上回る人口 万博に伴う活気。
 駅を始め巨大建築物の乱立、オフィス、住宅需要の高さ、夜のにぎわい、すべてに驚く、しかし街に清潔感は感じられない。
 4日目 上海万博を見学
 広大な駐車場を目の前にして中国も車社会になったと改めて認識をする。
 人、人…会場内は全て人の波である。人の波と合わせてゴミが散乱していることが非常に目についた。もちろん、清掃員があとを追うようにほうきであつめていくが、追いつかない状況である。
 私達は、最初に日本館を見学。館の形は「まゆ」を想定した安藤忠雄氏設計による建築物である。日本と中国の歴史的つながりから日本の現代までの物語、社会の生活の流れ等が感じられるような表現をしてあるが、中国に配慮した構成を最初の場面で感じました。
 日本館は人気No.2で、3~4時間待ちの状況である。最大の人気はトヨタのバイオリンをひくロボットである。私達は、驚く事ではないが、中国の人にとっては、大変な関心である。次に中国館へ向かう。赤い巨大建築物で、開催国とての権威を象徴しているような感じである。
 12階の建物(通常の建物であれば15階建て位)で上から見学しながら降りてくる形になっている。人々の生活状況が動く映像で映し出される巨大スクリーンが目玉であり、大きさを求める所は中国を感じる。開催国としての意気込みを感じる。コンパニオンの態度は洗練されており、好感を持つ。選びぬかれた人たちである。
 会場内は電気バス、電気自動車が走行しており、環境面での取り組みも感じました。
 今回の一つの目玉である、最高の人気館はサウジアラビア館で6時間待ちである。
 <上海万博の注目ポイント>
(1) 過去最高の参加国・機関:242カ国・機関。
(2) 過去最高の目標来場者数:延べ7,000万人。
※これまでの最高は1975年の大阪万博(6,600万人)。
(3) 万博後に流行しそうな注目グッズ:「電気自動車」、「人間型ロボット」。
※ 大阪万博では、「歩く歩道」が注目され、その後世界各地に普及。
(4) パビリオン:日本館・日本産業館・大阪館はいずれも大人気。⇒日本への旅行ブーム、日本製品の購入意欲に火がつく。アフリカ、北朝鮮などの発展途上国には、中国政府が無償でブースを提供。
(5) レストラン:「万博ミシュランランキング」で日本のはなまるうどんが第8位。
5日目 上海の雷上薬兼有限会社(漢方薬の企業)訪問(東洋医学か西洋医学か?)
 上海市内~上海浦東空港へは中国のリニアモーターカーに乗車。4両の車両であるが約40kmの区間を8分位で走る。最高速度430km(さすがに早い)中国の躍進、象徴の一つである。今後延長をしていくとの事。
 広い中国の交通インフラの整備は政府として積極的に取り組んでいる政策であり、10年後はどのような整備が進んでいるのか想像しがたい。わずか5日間の中国視察終わる。
 感想
約10年ぶりの抗州、上海であった。中国の学生、企業の若い社員、それぞれ意欲旺盛であり、生き生きさや日本への感心の強さを感じた。
 経済発展の著しい中国である、今後どこまで成長が続くのか?世界の最大人口を抱える中国は政治、経済的に世界のNo.1になる時代が来るのか。
 世界へ人材を留学させ、人材育成を図り世界中へ中国語を習う学校を設立し、アフリカ等資源豊かな国へ積極的に支援をしている中国、どこまで巨大化するのか。
 スケールが大きい。一方、公衆衛生感、清潔感、技術、繊細性等は日本が上回っていると思う。日本人が尚一層しっかりしなければならない。戦略あり日本として世界へ改めて目を向けていく事が必要である。

以上

 

山口伸樹

 

バックナンバー

「座頭市」(平成22年7月号)
「忘れられた選挙制度改革」(平成22年6月号)
「検討委員会」(平成22年5月号)
「役所の商品」(平成22年4月号)

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