県指定文化財 [絹本著色 阿弥陀如来来迎図(けんぽんちゃくしょくあみだにょらいらいごうず)]

【製作】鎌倉時代(13世紀~14世紀)
【形態】縦119.2cm、横50.6cm
本図は、継ぎ目の確認できない一枚物の平織の絹に描かれた斜め向きの金色の阿弥陀如来の立像であ る。右下には檜皮葺(ひわだぶき)の建物があり、須弥壇(しゅみだん)、厨子(ずし)らしきものが見え、内部に複数の人物が見える。阿弥陀如来は右手を胸前で屈臂(くっぴ)し、左手は体側に垂下(すいか)して、それぞれ第一、二指を捻(ねん)じて「来迎印」を結んでいる。来迎雲は見られないものの、本図の成立に来迎図が深く関係していることは疑いなく、来迎図として受容される。如来の肉身は白色下地に金泥を塗っている。衣は白色地に截金(きりかね)で雷文(らいもん)繋ぎ文、麻葉(あさのは)繋ぎ文、華唐草(はなからくさ)文が表され、部分的に色隈(いろくま)が施される。頭部からは来迎図によく見られる放射光が放たれ、足元には踏割蓮華(ふみわりれんげ)がある。全般的に古様な雰囲気を持ち、白色下地の使用は13世紀の制作を伺わせる一方、上唇と下唇の合わせ目に濃墨線の下部に金泥でぼかしを入れたり、館の塀を灰色に塗ったり14世紀の作例と近い表現も指摘できる。