土地改良とは
土地改良事業とは、土地改良法に基づき行われる農業生産の基盤の整備等によって、農業の生産性の向上、農業総生産の増大、農業生産の選択的拡大及び農業構造の改善に資することを目的としています。なお、土地改良法に基づかないで行う事業のことも土地改良事業ということがありますが、ここでは土地改良法に基づく土地改良事業を説明します。
土地改良事業は主に次の3つに大別されます。
(1) ほ場整備
生産性の高い農業を確立するため、その基盤となる大規模圃場の整備を図るとともに、効率的で安定した農業経営を目指す地域農業の担い手に優良農地の保全・確保及び農地の集積を図る事業です。
整備前イメージ図
整備後のイメージ図
(2) 農道整備
農作業機械の移動や農産物の運搬の効率を高めるための道路の整備を図るとともに、地域住民の生活道路としても役立つ、農道を整備する事業です。
(3) かんがい排水施設の整備
農地でいつでも必要なときに無駄なく水を使うことができるようにするため用水路などの整備や大雨の時にすぐに水田から川へ雨を流すための排水路などを整備する事業です。
茨城県農地局作成動画「いばらきの土地改良」
~令和4年度に制作及び撮影した土地改良事業PR動画です。ぜひご覧ください!~ こちらです。
茨城県農地局作成動画「水田三ジューシー」
~令和5年度に制作及び撮影した土地改良事業PR動画です。ぜひご覧ください!~ こちらです。
1.基本原則
(1)受益農家からの申請、同意主義
土地改良事業は、公共投資、社会資本の形成を行う事業ですが、農家の私的財産である農地の利用関係等に影響を及ぼすことや農家の費用負担があることから、原則として受益農家の申請、同意の下での事業の実施となります。ここが他の公共事業と大きく異なる点です(A図)。
【A図 土地改良事業の主な流れ】
(2)3分の2以上の同意
土地改良事業は、土地のつながりや水系のつながりによって、一定の地域内の農地全体を受益地に取込む必要がある事業となっており、事業を実施することで地域全体の利益につながることを鑑み、少数でもご同意いただけない方がいらっしゃる際に事業の実施ができなくなることを防ぐため、その一定の地域内の農家(基本的には「耕作者」)の3分の2以上の同意があるならば、同意いただけない方も含め全員を事業に参加いただくことができます。
2.実施主体
土地改良事業は、その規模、技術的難易度等を勘案して、次のような事業主体によって行われます。
2 区分 事業主体
1 国営 国
2 都道府県営 都道府県
3 団体営 土地改良区、市町村、農業協同組合等
3.費用負担
農業の生産基盤の整備は、生産性向上といった農家レベルの効果とともに、食料を適正な価格で安定的に供給するといった国民経済レベルの効果、地域経済の振興や生活環境の整備等による定住条件の向上等の地域レベルでの効果を有しています。このようなことから、土地改良事業は、事業の実施主体や種類に応じて、国の負担・補助に加え、都道府県、市町村及び受益農家が応分の負担をして実施しています。
4.利点(メリット)
土地改良事業には、次のような利点(メリット)があります。
(土地所有者の場合)
・財産として次世代に継承しやすくなる。
・農地の使い勝手が良くなり、担い手に貸しやすくなる。
・農地中間管理機構を介した貸借がしやすくなり、一定の賃料が振込まれる。
(耕作者の場合)
・ほ場の大区画化、道路整備による作業効率の向上及び生産コストが低減する。
・用水のパイプライン化による水管理労力の軽減及び安定した用水供給による品質が向上する。
・排水整備による反収の増加、畑地化並びに汎用化による高収益作物の導入ができる。
問い合わせ先
- 2024年8月6日
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