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栗の流通のコールドチェーン化

笠間市では、笠間の栗を安全に美味しく提供するため、JA常陸、笠間地域農業改良普及センターと協力してコールドチェーンに取り組んでいます。
コールドチェーンは生産・運搬・販売まで低温を保ったまま流通させる物流方式で、栗にとって大きなメリットが2つあります。

薬剤を使用しない殺虫方法

栗には、稀に虫がいることを知っていますか?農産物に害虫被害はつきものですが、栗も同様に虫による被害があります。栗の皮に卵を産む虫がおり、卵が孵化すると栗の内部に侵入し、栗を食べてしまいます。虫が入っている栗には穴が開いており、目視で確認することができるため基本的には選果の時に排除しますが、その確認は人が手作業で行っているため、どうしても見逃してしまう時があります。そのために殺虫処理を行い、虫に侵食された栗が消費者に行き届かないようにしています。

殺虫処理は、これまで「くん蒸処理」という薬剤を使った方法が用いられていました。しかし、度重なる研究により、くん蒸処理を行わなくても栗を0~-2℃で3~4週間冷蔵貯蔵することでくん蒸処理と同等の殺虫効果を得られることが分かりました。JA常陸では生産者から集めた栗に対して、令和5年から完全な冷蔵殺虫に取り組み、運搬時も冷蔵状態を保つ「コールドチェーン」を徹底することで、薬剤を使用しない安心安全な栗を出荷しています。

氷蔵庫での貯蔵がクリ果実のクリシギゾウムシ被害に及ぼす影響(2020)

品種 収穫日 貯蔵期間
( 日 )
幼虫数
(匹
/100果)
被害果実率
(%)
中生 2023/10/5 0 69 19.0
14 14 7.0
21 1 1.0
28 0 0.0
晩生 2023/10/12 0 229 39.0
14 19 9.0
21 8 6.0
28 8 3.0

                ※氷蔵庫では設定温度‐2℃、包装なしで貯蔵

【笠間地域農業改良普及センター調べ】


糖度の高い笠間の栗

冷蔵貯蔵のメリットは殺虫だけではありません。実は0~-2℃の温度で約3~4週間冷蔵貯蔵をすると、栗の糖度が上昇することも分かっています。これは冷蔵することで栗内部のアミラーゼが活性化され、栗のでんぷん質が糖分に変化するためです。これらの栗は笠間市で「貯蔵栗」と呼ばれ、料理や焼き栗などに多く使われています。また、冷蔵貯蔵は一定の温度で均一に冷蔵庫内を冷やす必要があり、通常の業務用冷蔵庫で冷蔵貯蔵を行うことは難しいため、東芝キヤリア株式会社と協力して、栗生産者が利用しやすい貯蔵栗用冷蔵庫の開発にむけて研究を進めています。
                        
                 

栗品種別糖度上昇率2020【笠間地域農業改良普及センター調べ】

 

このように、薬剤を使用せずに殺虫できる、栗が甘くなる、など冷蔵貯蔵することで栗は、安全においしく食べることができます。それを消費者の皆様に届けるために、笠間市はコールドチェーンに取り組んでいます。
JA常陸では、冷蔵貯蔵した栗を「貯蔵栗」や「極み」として、販売しています。安全で糖度が高い栗となっていますので、ご興味のある方は「道の駅かさま みどりの風」にてお買い求めください。

 



問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは農政課です。

〒309-1792 笠間市中央三丁目2番1号

電話番号:0296-77-1101 ファクス番号:0296-77-1146

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