地域主権改革
地域主権改革とは
「地域主権改革」は、日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革です。
この改革は、国と地方公共団体の関係を、国が地方に優越する上下の関係から、対等な立場で対話のできる新たなパートナーシップの関係へと根本的に転換し、国民が地域の住民として、自らの暮らす地域の在り方について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うという住民主体の発想に基づいて、推進するものです。
地域主権一括法
地域主権改革の一環として、平成23年度に「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第37号)」(第1次一括法)及び「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第105号)」(第2次一括法)が成立し、施行されました。
それぞれの一括法による主な改正内容としては、「基礎自治体への権限移譲」と「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」の2点があげられます。
区分 | 基礎自治体への権限移譲 | 義務付け・枠付けの見直し |
施行期日(条例整備が必要なもの) |
---|---|---|---|
第1次一括法 (平成23年5月2日公布) |
- | 41法律 | 平成24年4月1日 (経過措置があるもの:平成25年4月1日) |
第2次一括法 (平成23年8月30日公布) |
47法律 | 160法律 |
地域主権一括法による主な改正内容
(1)基礎自治体への権限移譲
「基礎自治体への権限移譲」とは、住民に身近な行政主体である基礎自治体(市町村)に事務事業を優先的に割り当てて、可能な限り多くの行政事務を住民に最も身近な基礎自治体が広く担うようにするため、都道府県が有していた権限について、基礎自治体へ移譲するものです。
(2)義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大
「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」とは、地方公共団体の自治事務について、国が法令で事務の実施やその方法を縛っている義務付け・枠付けが多数存在するため、その見直しと条例制定権の拡大を進めることで、地域の住民を代表する議会の審議を通じ、地方公共団体自らの判断と責任において、行政を実施する仕組みに改めるものです。
地域主権一括法による改正の影響
(1)基礎自治体への権限移譲による影響
県が処理していた事務を住民にとって身近である市町村が処理するもので、市の意向に関係なく、笠間市に該当する場合には権限移譲されることから、関係条例又は要綱等(事務処理要領等)の整備が必要になります。
(2)義務付け・枠付けの見直しによる影響
施設等設置管理の基準、許認可、計画等の策定などについて、国の義務付け・枠付けが見直されることから、該当する各省令等(政省令)に準じたものとすることを前提に、笠間市が独自の基準を設ける必要があります。
事項 | 内容 |
---|---|
施設・公物の設置管理の基準 | 条例委任⇒関係条例又は要綱等(事務処理要領等)の整備が必要 |
協議、同意、許可・認可・承認 の見直し等 |
国の関与を廃止又は弱い形態の関与への見直し |
計画等の策定及びその手続 | 地方自治体の計画等の策定義務の廃止、内容の例示化 |
地域主権一括法に係る条例等の制定又は改正
地域主権一括法により、条例、規則、要綱等の制定または改正が必要となりますが、このうち、義務付け・枠付けの見直しの影響によるものについては、これまで各省令等(政省令)で規定していた施設・公物の設置管理の基準について、地域の実情に応じて条例で定めることとなります。
各省令等で定める国の基準は、以下の3つに分類され、条例で定める基準に対し、それぞれ異なる拘束力を有するものとなっており、条例の制定または改正に際しては、国が提示した基準がどのような性格のものか留意したうえで笠間市の基準を定める必要があります。
基準の区分 | 条例に対する拘束力 |
---|---|
従うべき基準 | 当該基準に従う範囲内の内容であれば許容されるが、必ず適合しなければならない基準 |
標準とする基準 | 合理的な理由がない限り、国の基準どおりに定める |
参酌すべき基準 | 十分参酌した結果であれば、地域の実情により国の基準と異なる内容を定めることが許容される |
地域主権一括法(第2次一括法)の施行に伴う基礎自治体への権限移譲
住民に最も身近な基礎自治体(市町村)が、行政事務を広く担うようにするため、都道府県の権限の一部が市町村へ移譲されます。原則として平成24年度から移譲されますが、平成25年度から移譲されるものもあります。
笠間市へ移譲される具体的な事務については、以下のファイルをご覧ください。
●笠間市へ移譲される事務 PDF形式/133KB
地域主権一括法(第1次及び第2次一括法)の施行に伴う義務付け・枠付けの見直し
施設等設置管理の基準、許認可、行政計画の策定などについて、国の義務付け・枠付けが見直しされます。このうち、従来は各省令等(政省令)で規定されていた施設等の基準は、地方公共団体が独自の条例で基準を設けることで対応します。
【笠間市における条例の新規制定又は改正状況】
○整備済の条例
新規/改正 | 制定・改正条例 | 法令名 | 見直し内容 | 基準等の概要 | 笠間市独自の基準の制定の有無 | 所管課 |
---|---|---|---|---|---|---|
改正 | 笠間市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例 | 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 | 地方公共団体の国等に対する寄付を原則制限していた附則第5条の廃止 | 基準の策定はなし ※(普通財産の譲与又は減額譲渡)第3条、(普通財産の無償貸付又は減額貸付)第4条、(物品の譲与又は減額譲渡)第6条、(物品の無償貸付又は、減額貸付)中の「他の地方公共団体」を「国等若しくは他の地方公共団体」とする。 |
無 |
総務課 |
改正 | 笠間市における土地改良事業経費の賦課徴収に関する条例 | 土地改良法 | 引用条項の整理 | 基準の策定はなし ※第1条及び第7条中「法第96条の4」を「法96条の4第1項」に変更。 |
無 | 農村整備課 |
改正 | 笠間市公民館の設置及び管理に関する条例 | 社会教育法 | 公民館運営審議会委員の委嘱基準 | 学校教育及び社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者 | 無 | 生涯学習課 |
改正 | 笠間市立図書館の設置及び管理に関する条例 | 図書館法 | 図書館協議会委員の任命基準 | 学校教育及び社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者 | 無 | 生涯学習課 |
改正 | 笠間市都市公園条例 | 都市公園法 | 都市公園の設置基準 | ・都市公園の配置の考え方(分布の均衡、災害防止を考慮等) ・都市公園の敷地面積(設置目的に応じた標準面積;街区内利用なら0.25ha等) |
有 | 都市計画課 |
公園施設建築物の建築面積割合基準 | ・公園施設建築物の建築面積割合 ※現行…敷地面積の百分の二をこえてはならない。 |
無 | ||||
新規 | 笠間市移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例 | 高齢者、障害者の移動等の円滑化の促進に関する法律 | 都市公園移動等円滑化の基準 |
・園路、広場の出入口、通路、階段、傾斜路等の基準 |
無 | 都市計画課 |
新規 | 笠間市営住宅等整備の基準に関する条例 | 公営住宅法 | 公営住宅及び共同施設の整備基準 | ・敷地の基準 ・公営住宅の床面積、設備(給水、排水、電気、便所等) ・児童遊園、集会所、広場・緑地、通路等共同施設基準 |
有 | 都市計画課 |
改正 | 笠間市営住宅管理条例 | 公営住宅入居者の条件 | ・居住の安定を図る必要性の規定 ※現行政令規定を入居者の心身状況、世帯構成、区域内の住宅事情等を勘案し条例で規定。 ・低額所得者のとしての収入基準 |
有 | 管理課 | |
新規 | 笠間市布設工事監督者の配置基準及び資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例 | 水道法 | 水道布設工事監督者の配置及び資格基準 | ・監督者の配置 ・監督者の資格(学歴・経歴等) ※最長で水道工事に関する実務経験10年以上。学歴に応じて年数は軽減され、例えば大学で土木工学科課程において衛生工学や水道工学の学科目を修めて卒業すれば2年以上。 |
有 | 水道課 |
水道技術管理者の資格 | ・水道技術管理者の資格(学歴・経歴等) ※最長で水道に関する実務経験10年以上。学歴に応じて年数軽減。 |
有 | 水道課 | |||
新規 | 笠間市道に係る移動等円滑化のために必要な道路の構造の基準を定める条例 | 高齢者、障害者の移動等の円滑化の促進に関する法律 |
道路移動等円滑化の基準 |
・歩道の幅員、縦断勾配、立体横断施設,乗合自動車停留所、施設の案内標識設置等の基準 |
無 |
管理課 |
新規 | 笠間市道路の構造の技術的基準を定める条例 | 道路法 | 道路構造基準 ※政令で定めるものはのぞく |
・道路の幅員、建築限界、線形、視距、こう配、路面、排水施設、交差又は接続、待避所、横断歩道橋・さくその他安全な交通を確保するための施設等 ・構造強度基準 (政令で定めるもの) ・道路の設計の基礎とする自動車に関する事項 ・建築限界 ・橋その他政令で定める主要な工作物の自動車の荷重に対し必要な強度 |
有 | 建設課 |
新規 | 笠間市道に設置する道路標識の寸法等に関する条例 | 道路標識の様式基準 ※内閣府令・国土交通省令で定めるものはのぞく |
・案内標識・警戒標識等の寸法等 | 無 | 管理課 | |
改正 | 笠間市公共下水道条例 | 下水道法 | 公共下水道の構造基準 ※雨水吐及び水処理施設はのぞく |
・排水施設・処理施設の材料、機能等の構造 ・排水管の内径及び排水渠の断面積 ・排気口、マンホール等設置 |
無 | 下水道課 |
終末処理場の維持管理基準 | ・処理方法に応じた施設機能維持のための一般的規定 ・臭気の発散及び蚊、はえ等の発生の防止 |
無 | 下水道課 | |||
笠間市都市下水路管理条例 | 都市下水路の維持管理基準 | ・しゅんせつ頻度(年1回以上等) ・洗浄ゲート等洗浄頻度(月1回以上) |
無 | 下水道課 | ||
新規 | 笠間市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例 | 介護保険法 | 指定地域密着型介護老人福祉施設の指定基準中、指定対象の施設及び入所定員に係る基準 | ・特別養護老人ホームで、その入所定員が二十九人以下 ※現在市内に該当なし |
無 | 高齢福祉課 |
指定地域密着型サービス事業者の指定基準中、申請者に係る基準 | ・法人要件 | 無 | 高齢福祉課 | |||
指定地域密着型サービスの従業者等の基準、設備及び運営に関する基準 ※地域密着型サービス(市内にあるもの) ・認知症対応型共同生活介護(グループホーム) ・認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス) ・小規模多機能型居宅介護 |
(従うべき) ・従業者に係る基準及び員数 ・居室の床面積 ・小規模多機能型居宅介護及び認知症対応型通所介護の事業に係る利用定員 ・利用又は入所する要介護者のサービスの適切な利用、適切な処遇及び安全の確保並びに秘密の保持等に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの (標準) ・指定地域密着型サービス事業の利用定員 (参酌) ・その他の事項 |
有 | 高齢福祉課 | |||
新規 | 笠間市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例 | 指定地域密着型介護予防サービス事業者の指定基準中、申請者に係る基準 | ・法人要件 | 無 | 高齢福祉課 | |
指定地域密着型介護予防サービスの従業者等の基準、設備及び運営に関する基準 ※地域密着型サービス(市内にあるもの) ・介護予防認知症対応型共同生活介護 ・介護予防認知症対応型通所介護 ・介護予防小規模多機能型居宅介護 |
(従うべき) ・従業者に係る基準及び員数 ・居室の床面積 ・小規模多機能型居宅介護及び認知症対応型通所介護の事業に係る利用定員 ・利用又は入所する要介護者のサービスの適切な利用、適切な処遇及び安全の確保並びに秘密の保持等に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの (標準) ・指定地域密着型サービス事業の利用定員 (参酌) ・その他の事項 |
有 | 高齢福祉課 | |||
新規 | 準用河川における河川管理施設等の構造的基準に関する条例 | 河川法 | 準用河川の河川管理施設等の構造に関する技術的基準 | ・準用河川に係る河川管理施設等の構造について河川管理上必要とされる技術的基準 | 無 | 管理課 |
●条例制定・改正における笠間市独自の基準 PDF形式/104KB
地域主権一括法に係る条例等の制定及び改正における市民の意見反映
住民に最も身近な市の役割が重視される中で、自らの判断と責任において地域の実情に合った基準の設定等を講じる際には、これまで以上に市民ニーズの把握に努め市民の意見を反映させる必要があることから、パブリック・コメント手続制度などの手段により市民に意見を求めつつ検証し、条例等の制定及び改正を行います。
【パブリック・コメント手続制度による意見公募実施案件】
新規 /改正 | 案件名 | 実施期間 (意見公募期間) | 担当課 |
---|---|---|---|
改正 | 笠間市都市公園条例 | 平成24年8月30日(木曜日)~9月18日(火曜日) 【20日間】終了 | 都市計画課 |
新規 | 笠間市道に係る移動等円滑化のために必要な道路の構造の基準を定める条例 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 管理課 |
新規 | 笠間市移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例 | 平成24年8月30日(木曜日)~9月18日(火曜日) 【20日間】終了 | 都市計画課 |
新規 | 笠間市道路の構造の技術的基準を定める条例 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 建設課 |
新規 | 笠間市道に設置する道路標識の寸法等に関する条例 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 管理課 |
新規 | 笠間市営住宅等整備の基準に関する条例 | 平成24年8月30日(木曜日)~9月18日(火曜日) 【20日間】終了 | 都市計画課 |
改正 | 笠間市営住宅管理条例 | 平成24年8月30日(木曜日)~9月18日(火曜日) 【20日間】終了 | 管理課 |
新規 | 笠間市布設工事監督者の配置基準及び資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例 | 平成24年8月30日(木曜日)~9月18日(火曜日) 【20日間】終了 | 水道課 |
改正 | 笠間市公共下水道条例及び施行規則 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 下水道課 |
笠間市都市下水路管理条例 | |||
新規 | 笠間市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 高齢福祉課 |
新規 | 笠間市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 高齢福祉課 |
新規 | 準用河川における河川管理施設等の構造的基準に関する条例 | 平成24年11月30日(金曜日)~12月20日(木曜日) 【21日間】終了 | 管理課 |
問い合わせ先
- 2012年8月6日
- 印刷する