令和4年4月1日から下水道使用料が変わります
笠間市では、公共下水道事業および農業集落排水事業の経営健全化を図るため、使用料の見直しを検討してまいりました。
下水道審議会での審議を経て、当初の改定日は令和3年4月1日を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う市民生活および地域経済への影響に配慮し、改定日を1年延期しておりました。
このたび、令和3年度第3回笠間市議会定例会にて改正議案が可決されましたので、令和4年4月1日より使用料を一律15%引き上げさせていただきます。
衛生的な生活に不可欠な汚水処理事業の安定した経営と、自然環境の維持・改善のため、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
*使用料改定についてのお知らせはこちら(新しいウインドウで開きます)
*新使用料体系、早見表はこちら(ページの下部へ移動します)
改定までの経緯
笠間市の汚水処理
笠間市の汚水処理は、市が事業運営している公共下水道事業および農業集落排水事業と住民の皆様が設置している浄化槽により構成されています。
※笠間市人口 74,733人(令和3年3月31日現在)
公共下水道受益人口 34,890人(人口比 46.7%)
農業集落排水受益人口 6,477人(人口比 8.7%)
公共下水道事業は主に市街地を、農業集落排水事業は農村部を対象にし、住民の生活環境を快適にするとともに、公共用水域の水質保全を目的に、生活排水や工場排水の処理を行っている事業です。
現在の使用料金体系は、従量制(基本料金+使用量に応じた追加料金)としており、公共下水道事業および農業集落排水事業で同一となっています。
経営の現状
令和2年度決算では、公共下水道事業については、使用料収入(約6億5千万円)に対し約8億5千万円を、農業集落排水事業については、使用料収入(約7千6百万円)に対し約3億4千万円を一般会計繰入金により充当しており、本市の財政に大きな負担となっています。
起債(借金)の償還金(返済金)が支出の大きな割合を占めることにより、汚水処理事業の財源が不足しておりますが、笠間市では汚水処理事業が住民生活に直結するインフラであると考え、供用開始した平成4年から今日までの29年間、料金の値上げを行わずに事業運営を行ってまいりました。
財政収支等の見通し
1.使用料収入の見通し
人口減少はますます進むことが予想され、令和20年には60,000人を下回る推計となっています。
下水道の水洗化人口(公共下水道接続率 90.5%、農業集落排水接続率 81.3%)については、行政人口の減少と接続率の増加により横ばいが続くものの、微減に転じた後、令和15年を境に減少幅が大きくなるものと予想されます。
2.企業債償還金
公共下水道事業では、起債(借金)の償還金(返済金)が年間約14億円と支出の大きな割合を占めており、当面の間、大きな負担が続くことが予定されています。
農業集落排水事業においても、年間約3億円の償還が予定されています。
3.一般会計繰入金額
施設の建設には多額の工事費用が必要であり、その財源を起債(借金)に頼り事業を進めてまいりました。
この起債の償還(借金の返済)までは使用料でまかないきれず、公共下水道事業においては年間約9億円程度を、また農業集落排水事業においては年間約3億円程度を市の一般会計から繰入することで事業を継続してきましたが、今後も同程度の収支状況が続くことが見込まれます。
継続的な事業運営に向けた課題
今後の事業の見通しにおいて、人口減少により収益性の改善が見込めない状況であり、持続可能な事業運営に必要不可欠な経営基盤の強化が急務となっています。
下水道経費は下水道使用料により賄うことが原則(汚水私費の原則)であり、一般会計繰入金(通常の税金)が投入されることは、下水道を使用していない住民に対し、税金の使途に対する不均衡となっています。
また、施設の老朽化に伴う建設改良費が今後増加することが見込まれ、このための財源確保が必要となります。
これまでと今後の取組み
笠間市では、これまで事業の効率化を図るため、処理場の運転における民間委託の導入や、財政支出の軽減を図るため、職員数の削減や起債の借り換えによる利息支払いの軽減等を行ってまいりました。
これまでも住民の皆様へ接続をお願いしてまいりましたが、今後も更なる接続率の向上が必須であるため、継続して未接続者への理解と協力をお願いし、使用料収入の増加を図ります。
また、更なる経営の効率化を図るため、これまでの取組みに加え、処理場の統廃合等の検討を進めてまいります。
使用料改定の目的と必要性
経営の健全化に向けて、これまでコスト削減などのさまざまな取組みを実施してまいりましたが、それだけでは経営状況を改善できない状況にあります。
今後10年間で見込まれる不足額を補うため、収入の根幹をなす下水道使用料を改定し、経営の健全化を図るとともに、老朽化した下水道施設の改修・更新、耐震化等の汚水処理事業の持続を目指します。
下水道課では、受益者である住民の皆様の負担が急激に変化することのないように、段階的な引き上げ等、実現性に問題がない施策に努め、今後も経営の効率化とコスト削減など一層の経営努力を進めます。
皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
令和4年4月1日以降の料金について
料金体系
2ヶ月あたり:消費税別
区分 | 基本料金(2ヶ月につき) | 超過料金(2ヶ月につき) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
汚水量 | 金額 | 汚水量 | 金額 | |||
新 | 旧 | 新 | 旧 | |||
一般汚水 | 20㎥まで | 3,220円 | 2,800円 | 20㎥を超え 40㎥まで | 161円 | 140円 |
40㎥を超え 60㎥まで | 172円 | 150円 | ||||
60㎥を超え 200㎥まで | 184円 | 160円 | ||||
200㎥を超えるもの | 195円 | 170円 | ||||
浴場汚水 | 20㎥まで | 3,220円 | 2,800円 | 20㎥を超えるもの | 46円 | 40円 |
使用料早見表(新旧比較用)
2ヶ月当たり:消費税込み(10%)
使用水量の()内の人数は、井戸水を使用している場合の使用人数です。
使用水量(㎥) |
使用料金(円) | 使用水量(㎥) | 使用料金(円) | 使用水量(㎥) | 使用料金(円) | 使用水量(㎥) | 使用料金(円) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
新 | 旧 | 新 | 旧 | 新 | 旧 | 新 | 旧 | ||||
~20(1人) | 3,542 | 3,080 | 41 | 7,273 | 6,325 | 62 | 11,272 | 9,812 | 83 | 15,523 | 13,508 |
21 | 3,719 | 3,234 | 42(3人) | 7,462 | 6,490 | 63 | 11,475 | 9,988 | 84(6人) | 15,725 | 13,684 |
22 | 3,896 | 3,388 | 43 | 7,651 | 6,655 | 64 | 11,677 | 10,164 | 85 | 15,928 | 13,860 |
23 | 4,073 | 3,542 | 44 | 7,840 | 6,820 | 65 | 11,880 | 10,340 | 86 | 16,130 | 14,036 |
24 | 4,250 | 3,696 | 45 | 8,030 | 6,985 | 66 | 12,082 | 10,516 | 87 | 16,332 | 14,212 |
25 | 4,427 | 3,850 | 46 | 8,219 | 7,150 | 67 | 12,284 | 10,692 | 88 | 16,535 | 14,388 |
26 | 4,604 | 4,004 | 47 | 8,408 | 7,315 | 68 | 12,487 | 10,868 | 89 | 16,737 | 14,564 |
27 | 4,781 | 4,158 | 48 | 8,597 | 7,480 | 69 | 12,689 | 11,044 | 90 | 16,940 | 14,740 |
28(2人) | 4,958 | 4,312 | 49 | 8,786 | 7,645 | 70(5人) | 12,892 | 11,220 | 91 | 17,142 | 14,916 |
29 | 5,135 | 4,466 | 50 | 8,976 | 7,810 | 71 | 13,094 | 11,396 | 92 | 17,344 | 15,092 |
30 | 5,313 | 4,620 | 51 | 9,165 | 7,975 | 72 | 13,296 | 11,572 | 93 | 17,547 | 15,268 |
31 | 5,490 | 4,774 | 52 | 9,354 | 8,140 | 73 | 13,499 | 11,748 | 94 | 17,749 | 15,444 |
32 | 5,667 | 4,928 | 53 | 9,543 | 8,305 | 74 | 13,701 | 11,924 | 95 | 17,952 | 15,620 |
33 | 5,844 | 5,082 | 54 | 9,732 | 8,470 | 75 | 13,904 | 12,100 | 96 | 18,154 | 15,796 |
34 | 6,021 | 5,236 | 55 | 9,922 | 8,635 | 76 | 14,106 | 12,276 | 97 | 18,356 | 15,972 |
35 | 6,198 | 5,390 | 56(4人) | 10,111 | 8,800 | 77 | 14,308 | 12,452 | 98(7人) | 18,559 | 16,148 |
36 | 6,375 | 5,544 | 57 | 10,300 | 8,965 | 78 | 14,511 | 12,628 | 99 | 18,761 | 16,324 |
37 | 6,552 | 5,698 | 58 | 10,489 | 9,130 | 79 | 14,713 | 12,804 | 100 | 18,964 | 16,500 |
38 | 6,729 | 5,852 | 59 | 10,678 | 9,295 | 80 | 14,916 | 12,980 | 110 | 20,988 | 18,260 |
39 | 6,906 | 6,006 | 60 | 10,868 | 9,460 | 81 | 15,118 | 13,156 | 120 | 23,012 | 20,020 |
40 | 7,084 | 6,160 | 61 | 11,070 | 9,636 | 82 | 15,320 | 13,332 | 130 | 25,036 | 21,780 |
経過措置について
令和4年4月1日より前から継続して公共下水道または農業集落排水をご利用の場合は、以下のとおり経過措置が適用されます。
奇数月検針の場合:新料金が適用されるのは8月請求分からとなります。
毎月検針の場合:新料金が適用されるのは6月請求分からとなります。
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- 2024年9月1日
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