稲田石について
笠間市稲田地区を中心に採掘される「稲田石(いなだいし)」は、約6000万年前に地下深くでマグマが固まってできた花崗岩(かこうがん)の一種で、その際立った白さから別名「白い貴婦人」とも呼ばれています。
江戸時代から石材として利用されていた稲田石ですが、稲田地区で本格的な採石・加工が始まったのは明治22年。
大消費地である東京に近く、良質な花崗岩を豊富に埋蔵していたことから、国会議事堂、最高裁判所、東京駅など、日本を代表する数々の建築物に稲田石が使用されました。また、県内では茨城県庁の庁舎や県民広場、市内では笠間稲荷神社門前通りの石畳などにも使用されています。
美しい光沢と優れた耐久性を兼ね備えた稲田石は、時間による劣化が少ないことから、墓石や建築材、土木用材などあらゆる分野で幅広く使用され、日本の戦後復興と経済発展を支えてきただけではなく、大型石造物に適した石材として現在も人気を博しています。