田んぼダム
「田んぼダム」とは、「田んぼダム」を実施する地域やその下流域の湛水被害リスクを低減するための取組みです。
水田の落水口に流出量を抑制するための堰板や小さな穴の開いた調整板などの器具を取付けることで、水田に降った雨水を時間をかけてゆっくりと排水し、水路や河川の水位の上昇を抑えることで、水路や河川から溢れる水の量や範囲を抑制することができます。
平成14 年に新潟県の旧神林村(村上市)で下流域の集落から上流域の集落に呼びかけることで始まりました。
茨城県農地局作成動画「「いばらきの農業・農村のめぐみ 田んぼの役割って?」
~令和6年度に制作及び撮影した田んぼダムのPR動画です。ぜひご覧ください!~ こちらです。
田んぼダムの効果
Ⅰ 水田からの流出量のピークを抑制
水田の排水口に流出量を抑制するための堰板や小さな穴の開いた調整板などをとりつけ、水田に降った雨を時間をかけてゆっくりと排水することで、流出量のピーク(最大流出量)を抑制する効果があります。
Ⅱ 様々な規模の降雨に対して効果を発揮
「田んぼダム」は、規模の小さい降雨から大きい降雨まで様々な規模の降雨に対して効果を発揮することができます。また、想定する降雨に応じて適切な流出量調整器具を選定することで、より大きな効果を期待することができます。
田んぼダムへの支援
◎多面的機能支払交付金
地域が共同で行う多面的機能を支える活動や、地域資源(農地、水路、農道等)の質的向上を図る活動を行う多面的機能支払交付金の活動組織等が、市町村が策定する水田貯留機能強化計画に基づき、田んぼダムに一定の要件(資源向上支払(共同)の交付を受ける田面積全体のうち5割以上等)を満たして取組む場合に、資源向上支払(共同)に単価の加算(田400円/10a※)を行います。
※資源向上支払(共同)を5年間以上実施、または、寿命化のための活動に取組む地区は田300円/10a
※要件を満たす限り、加算措置は次期の事業計画期間においても適用されます。
◎田んぼダム促進緊急対策事業(茨城県での支援)
近年の頻発・激甚化する水害リスクの増大に備えるために、水田に降った雨水を一時的に水田に貯める「田んぼダム」の取組を支援することで、流域治水や内水氾濫対策を図ります。
1補助対象:土地改良区、水利組合等
2 補助率:10/10
3 対象地域:流域治水プロジェクト対象河川の流域内の水田で、洪水浸水被害の危険度が高い地域
4 対象経費:田んぼダムのための落水桝の設置、畦畔の補強等
田んぼダムの仕組み
落水口に流出量を調整するための堰板や、小さな穴の開いた調整板などの器具を取り付けることで、水田に降った雨水を、時間をかけてゆっくりと排水することができます。そのため、一気に排水路や河川に水が流れ込むのを抑えることができます。
想定する降雨や落水口にあった流量調整器具が必要です。
●機能分離型
・小規模な降雨では貯留せず、大規模な降雨を貯留します。
・機能一体型より短時間で排水できます。
・板を2枚設置できる排水桝または専用の器具が必要。
・小規模な降雨では貯留しないため、中干し期や稲刈り前などの水田を乾かす必要がある時期に流出量調整器具を設置していても、影響を小さくすることができます。
●機能一体型
・小規模な降雨から雨水を貯留します。
・機能分離型より排水に時間がかかります。
・通常の排水桝にも設置できます。
・小規模な降雨でも雨水を貯留するため、中干し期や稲刈り前など水田を乾かす必要がある時期など、営農への影響が想定される場合は、一時的に外すことも必要となる場合があります。
取組みのポイント仕組み
(1)合意形成と田んぼの選定
作物の生産に影響を与えない範囲で、農業者の協力を得て「田んぼダム」に取組みます。
(2)畦畔や排水桝の点検と補修
十分な高さ(300ミリメートル程度)のある堅固な畦畔が必要です。畦畔がやせている場合は、畦畔の再構築など補修をします。排水桝のつまりや破損の点検、補修を行います。
(3)排水調整板の設置
営農への負担の少ない、水位調整等に手間がかからない器具を選定し、設置します。
※「田んぼダム」の機能をしっかり発揮させるには、畦畔塗りや草刈り作業など、日常の維持管理も欠かせません。「田んぼダム」に取組んでいることを周知するなどし、地域のみんなで取組んでいきましょう。
笠間市における実施地域
・笠間地区土地改良区 大渕地区
関連ファイルダウンロード
- 01田んぼダムの手引きPDF形式/1.52MB

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問い合わせ先
- 2025年3月31日
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