ホストタウンであるエチオピアへのスポーツを通じた支援プロジェクトとして行った「Way of Hope Project」。このプロジェクトで「アベベ・ビキラ・メモリアル かさま陶芸の里ハーフマラソン大会」の参加ランナーや市民の皆さんなどから寄付いただいたランニンググッズを贈呈するとともに、今後の交流の方向性を確認するために、令和6年2月6日から10日まで(エチオピア現地では2月7日から9日までの2泊)の日程で、私と教育長、市担当職員2名でエチオピアを訪問してまいりました。
2月7日(水曜日) |
(1)在エチオピア日本国大使館を訪問
エチオピアに到着し、まず在エチオピア日本国大使館へごあいさつに伺いました。 柴田 裕憲(しばた ひろのり)特命全権大使との面会では、今回の支援プロジェクトの説明をいたしました。 柴田大使からは、エチオピアの現状についてご説明いただきました。エチオピアは10代後半の人口が最も多く、若い人たちが街中で生活しており、活気あふれる若い国であるということで、将来性も感じました。
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(2)JICAエチオピア事務所を訪問
次に、JICAエチオピア事務所を訪問いたしました。 大嶋 健介(おおしま けんすけ)所長と話をさせていただき、理科や数学を指導する教員のレベルアップのため、日本の教員の短期派遣のご提案をいただいました。 エチオピアは地理的に遠い国ですが、前向きに検討してまいります。
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2月8日(木曜日) |
(1)ランニンググッズを贈呈
ランニンググッズの贈呈式を、アディスアベバ・スタジアムで開催いたしました。 式典には、エチオピア・オリンピック委員会のアシュブル委員長や、エチオピア陸上競技連盟のツル会長など、約20名の方々にご臨席いただき、地元テレビ局が撮影する中で執り行いました。 「アベベ・ビキラ・メモリアル かさま陶芸の里ハーフマラソン大会」に「アベベ・ビキラ」の名を冠していることに対する感謝の意を示され、アベベ・ビキラが今でも英雄であり続ける印象を受けました。 改めて、寄贈いただいたハーフマラソン大会の参加者および市民の皆さんに感謝いたします。
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(2)エチオピアン・ガールズ・スケーターズを視察
ムラサキパークかさまの協力によりスケートボードが寄贈された「エチオピアン・ガールズ・スケーターズ」の活動場所を訪れ、交流いたしました。 スケートボードの寄贈により、待ち時間なく練習できるようになったと、スケーターの皆さんは感謝の気持ちを伝えてくれました。 また、今回のプロジェクトの説明を受けたユニセフの担当者からは、「このスケートボードの寄贈がきっかけで、他の国などからも支援を申し出てくれることとなり、大変感謝しています」という言葉をいただきました。 スケーターの皆さんは、女性の社会的地位の向上なども目標にしています。スケートボードの技術面ではまだまだのようですが、素晴らしい活動をされています。
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2月9日(金曜日) |
(1)車いすバスケットボールを視察
アベベ・ビキラ・パラリンピック・トレーニングセンターで行われている「車いすバスケットボール」の練習を視察する予定でしたが、会場では、エチオピア・パラリンピック委員会のベケレ委員長など多くの関係者の皆さんに思わぬ歓迎を受け、歓迎セレモニーまで開催していただきました。セレモニーでは、アベベ・ビキラのプレートを寄贈いただきました。 ベケレ委員長からは、さまざまな支援や要請がございましたが、今後、笠間市としてできる範囲で対応してまいります。
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(2)大学生等との意見交換会
エチオピアの東京大学といわれる「アディスアベバ大学」で、日本語の勉強経験がある学生たちと意見交換を行いました。 学生全員が、「チャンスがあれば日本で働きたいという思いがあるが、そういう機会がない」と話していました。 現在、県内にある筑波大学には、エチオピアからの留学生が9名いると聞いていますので、インターンシップ等で笠間市へ受け入れることは可能と考えています。
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今回のエチオピア訪問において、現地には若い人材が多くいる一方で、働く場の確保や教育を受ける経済的余裕がないといった課題も抱えていると感じたところであり、一自治体としての支援の困難さを感じた反面、今後、スポーツや教育、人材育成等の分野で人とのつながりを生かした交流を深めることで、相互の発展につなげてまいりたいと考えております。
なお、エチオピア・パラリンピック委員会から寄贈いただいたアベベ・ビキラのプレートは、市役所本所の正面玄関に3月31日(日曜日)まで展示しています。ぜひご覧いただきたいと思います。