県指定文化財 [金剛般若波羅密教]
【製作】 弘安4年(1281)
【様式】 経巻折本(36折、72枚)縦29.1cm、横12.3cm
この写経は、奥書によると鎌倉の執権北条時宗の弟、武蔵守宗政の健康長寿と一家の繁栄を祈願して、仏源禅師大休正念和尚が書写したものである。この写経には1ページ5行の金泥の罫があり、1行17文字のしっかりした楷書で書かれている。仏源は中国温州卯生まれで、文永6年(1269)に来日し、執権時宗も帰依した臨済宗の高僧である。この写経は仏源が開山となった秋田氏の菩提寺高乾院に奉納されたもので、後に秋田氏の移封と共に寺も写経も転々として、現在笠間市石井の高乾院に保存されている。