市指定文化財 [紙本著色十二天屏風(しほんちゃくしょくじゅうにてんびょうぶ)(六曲屏風(ろっきょくびょうぶ))]


【製作】戦国時代 永禄6年(1563)以前と思われる。
【形態】縦73.4cm 横33.5cm(各尊))
本屏風は、紙本着色で、十二天を貼り合わせている。十二天は、仏を完全防護する梵天(ぼんてん)・帝釈天(たいしゃくてん)・多聞天(たもんてん)(毘沙門天(びしゃもんてん))・日天(にってん)・伊舎那天(いざなてん)・火天(かてん)・閻魔天(えんまてん)・地天(じてん)・月天(がってん)・風天(ふうてん)・水天(すいてん)・羅刹天(らせつてん)である。
梵天は左手に蓮華、帝釈天は左手に独鈷(とっこ)、多聞天は左の手のひらに塔、日天は日輪、伊舎那天は左手に三鈷(さんこ)の鉾かドクロの鉢、火天は左手に念珠(数珠)、閻魔天は人頭のついた杖、地天は左手に月輪、風天は左手に杖、水天は左手に竜の頭を丸めて縄にした竜索(りゅうさく)、羅刹天は武将の姿で右手に太刀を持っている。また日天の日輪、月天の月輪はそれぞれ日光、月光菩薩の日輪、月輪と同じである。
これら十二天が色彩豊かに、細密に描かれている。各絵に義尊寄進と墨書されている。紙のため剥落があったが、ほとんど補筆されている。