合併浄化槽って何?
合併浄化槽とは
合併浄化槽とは
公共下水道、農業集落排水施設、コミュニティ・プラントなどが整備されていない地域でトイレを水洗化するときに設置が義務付けられているのが合併浄化槽です。合併浄化槽の働きを一言でいうと「水洗トイレからの汚水(し尿)や台所・風呂などからの排水(生活雑排水)を微生物の働きなどを利用して浄化し、きれいな水にして放流するための施設」です。
合併浄化槽の性能は、BOD除去率90%以上、処理水質BOD20mg/L以下です。各家庭に設置できる小規模な装置で、公共下水道の処理場の二次処理と同程度の処理が可能です。
※平成13年4月1日から浄化槽法が改正され、法律上では、合併浄化槽のみが「浄化槽」として位置づけされ、トイレの汚水のみを処理する単独浄化槽は、原則として新たな設置ができなくなりました。また、現在設置されている単独浄化槽を合併浄化槽に設置替えするよう努めなければならなくなりました。
※現在は「浄化槽」といえば「合併浄化槽」のみを指すようになりましたが、本ホームページでは、単独浄化槽と合併浄化槽を混同するおそれがないよう、「合併浄化槽」という用語を使用しております。
単独浄化槽との違い
生活排水の一人一日当たりの汚濁物質量(BOD量)は40gと言われています。そのうち、トイレからの汚れが13g、台所・風呂・洗濯など生活雑排水の汚れが27gです。
単独浄化槽はトイレの汚水だけを処理する浄化槽で、生活雑排水は未処理のまま放流されてしまいます。単独浄化槽の性能はBOD除去率65%以上なので、トイレの汚れが13gから5gに減ります。しかし、生活雑排水の汚れはそのままなので27g、合わせると32gにもなってしまいます。40gが32gにしか減りませんから、実質的なBOD除去率はたったの20%ということになります。
一方、合併浄化槽の性能は、BOD除去率90%以上なので、トイレと生活雑排水を合わせた40gがわずか4gに減ります。単独浄化槽に比べると、汚れの量がたったの8分の1になります。
水の汚れというのは、水中の微生物から見ると栄養分であり、微生物も私たちと同じように、栄養分と酸素を必要とします。BODとは、微生物が水の汚れを分解するときに使う酸素の量で、BODの値が高いときには、栄養分=汚れが多いことを表しています。川や海、湖沼などで水中の酸素が使われて少なくなってしまうと、悪臭の発生や魚の大量窒息死などの問題が発生します。
通常、水に溶けている酸素の量は約10mg/Lですから、BOD40gの汚れを流してしまうと、分解するのに40gの酸素を使うため、約4,000Lの水が必要になります。
合併浄化槽の種類と仕組み
合併浄化槽の主な処理方式には、(1)BOD除去型と(2)高度処理型があります。高度処理型は、内湾の赤潮や湖沼のアオコの原因となる窒素を高度に除去できます。いずれも微生物の働きを利用して、家庭からの排水をきれいにするものです。
微生物には、酸素のないところで生きる「嫌気性微生物」と、酸素のあるところで生きる「好気性微生物」の2種類があります。合併浄化槽は、この2種類の微生物を組み合わせて利用します。
BOD除去型(嫌気ろ床接触ばっ気方式)
汚水はまず、「嫌気ろ床槽」に入ります。ここでは、汚水の中の浮遊物を取り除くとともに、「ろ材」に付いている「嫌気性微生物」が汚水の中の有機物を分解します。続いてもう一つの「嫌気ろ床槽(第2室)」に入り、同じ処理を繰り返します。
次に、「接触ばっ気槽」に入ります。ここでは、ブロワーから十分空気が送り込まれている状態の中で、汚水が槽の中を循環し、「接触材」に付いている「好気性微生物」が有機物をさらに分解します。
次に、「沈殿槽」に送り込まれて、汚水を浄化した微生物の塊(汚泥)は沈み、上澄み水を「消毒槽」へ送ります。
最後に、「消毒槽」では、上澄み水を塩素剤で滅菌・消毒し、衛生的に安全な水にして放流します。
高度処理型(脱窒ろ床接触ばっ気方式)
高度処理型では、「嫌気ろ床槽」の代わりに、「脱窒ろ床槽」というものがあります。ここでは、「嫌気ろ床槽」と同様に浮遊物を取り除き有機物を分解するとともに、窒素の除去を行います。
その他の「接触ばっ気槽」、「沈殿槽」、「消毒槽」の働きは上のBOD除去型と同じですが、窒素を除去するため、「接触ばっ気槽」の水を「脱窒ろ床槽」へ送り返しています。
リンク
国関係機関
環境省ホームページ「浄化槽サイト」(新しいウィンドウで開きます。)
茨城県関係機関・団体
茨城県ホームページ「生活排水対策(浄化槽)」(新しいウィンドウで開きます。
問い合わせ先
- 2011年9月12日
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