笠間市内でツヤハダゴマダラカミキリの幼虫により樹木内部が食い荒らされる被害が確認されています。
ツヤハダゴマダラカミキリは令和5年9月1日に特定外来生物に指定されました。
森林のほか農地、公園、街路樹、学校等の樹木に深刻な影響が生じることが懸念されているカミキリムシで、被害拡大防止の観点から食い荒らされた樹木の伐採による対策が必要な事態となっています。
令和6年4月現在、茨城県内では12の市町村で被害が報告されています。
特定外来生物ツヤハダゴマダラカミキリは中国、韓国、北朝鮮原産で、アメリカ合衆国、フィンランド、フランス、イタリア等に侵入しています。成虫 体長 雄20~29mm、雌22〜35mm
体色は全体に光沢のある黒色で鞘翅に約20個の白斑を有します。触角には明瞭な白色の帯があり、雄は体長の2.5倍、雌では1.3倍と長いです。成虫は5月〜10月に出現し、雌は寄主植物にすり鉢状のかみ傷をつけ、その窪みに1個ずつ産卵します。1年に1世代で、卵、幼虫、蛹態で越冬します。
※左がオス、右がメス(出典:茨城県「特定外来生物ツヤハダゴマダラカミキリについて」)
ムクゲ、イロハモミジ、サトウカエデなど、ハンノキ属、クワ属、スズカケノキ属、センダン、セイヨウトチノキ、アキニレ、リンゴ属、サクラ属、ナシ属、バラ属、ネムノキ、ハリエンジュ、トネリコ、ユリノキ、ハコヤナギ属、ヤナギ属、カツラ属など多種に及びます。
茨城県内では、アキニレ、セイヨウトチノキ、カツラなどの街路樹や公園木が被害を受けており、河川敷のヤナギ類などにも発生が報告されています。
5月中旬〜10月頃に、ニレ属(アキニレ、ハルニレ)、カツラ、トチノキ属、ヤナギ類など被害を受けるおそれのある樹木を見回り、木幹を観察し、成虫の脱出孔又は産卵痕や、幼虫が排出するフラス(食べた木くずと糞が混ざったもの)の有無を確認します。
(在来のカミキリムシの可能性があるため、生体を確認することが望ましい。)
【被害の特徴】
・細い枝から侵入し、落枝の被害が出ており、樹木の枝先側が枯れる。
・枝先側から入り、枝分かれの付近から幹根の方向に穿孔するので、枝先が枯れて落枝している状況(折れた断面に穴が開いている)は、在来種のカミキリではあまり見られないため、「ツヤハダゴマダラカミキリ」の被害である可能性が高い。
・枝の芯を穿孔することで木の表皮だけが残り、時間の経過とともに表皮が割れて、開いてきた上で、中にフラスがある場合なども当該種の被害の可能性が高い。
(出典:茨城県「特定外来生物ツヤハダゴマダラカミキリについて」)
被害発生木を中心に目視で観察。在来種ゴマダラカミキリとの区別に注意してください
(出典:茨城県「特定外来生物ツヤハダゴマダラカミキリについて」)
農薬の使用に当たっては、必ず登録内容を確認してください。
※農薬登録情報提供システムhttps://pesticide.maff.go.jp/(外部サイトへリンク)
ツヤハダゴマダラカミキリの成虫や被害木の痕跡を見つけた場合は、すぐに、茨城県生物多様性センターか、環境政策課までご連絡をお願いします。
類 | 昆虫類 |
特定外来生物の種類 | ツヤハダゴマダラカミキリ |
特定外来生物の種類(学名) | Anoplophora glabripennis |
公示/確認/認定 | |
主体名 | 笠間市 |
区域 |
茨城県笠間市笠間、石井、来栖、金井 大字地内 |
期間 | 2023年(令和5年)11月27日〜2023年(令和6年)3月31日 |
防除の目標 | 街路樹等の食害及び一部枯れる被害による倒木の危険性の排除、生態系被害の防止並びに生息域拡大防止を図る。 |
防除の内容 |
食害を受けた樹木の伐採後、対象生物の逸出防止および伐採物の落下防止措置を行った上で運搬し、伐採物とともに樹木処分業者による粉砕処分を行う。 |
主務大臣 |
農林水産大臣、環境大臣 |
防除実施:笠間地区(荒町角交差点から笠間高校北交差点)令和5年12月18日〜19日
※特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)第17条の4第1項及び同法施行規則第23条第2項ただし書の規定による緊急防除の確認
特定外来生物に指定されたツヤハダゴマダラカミキリは、育てたり、生きたまま持ち運んだり、販売することなどは法律で禁止されていますので、絶対に行わないでください。駆除等の対策を実施する際に生体等の取り扱いに不明な点がございましたらご相談ください。(違反した場合は、最高で3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれを併科されます。)