国指定文化財 [木造(もくぞう) 千手観音(せんじゅかんのん)立像(りゅうぞう)]
【製作】 建長4年(1252)
【像形】 像高207.5cm
本像は,頭上に十一面を頂き,高髻(こうけい),毛筋(けすじ)彫(ぼり),天冠台を刻んでいる。真手(まて),宝(ほう)鉢手(はつしゅ)外四十臂,条帛(じょうはく)を懸け,裳(も)をつけ両足を揃えて立っている。造りは檜材の寄木造りで,漆箔を置き玉(玉)眼(がん)嵌入(かんにゅう)である。髻が高く作られていて,そのひだの複雑な作りから明らかに慶派の作風である。像の背面に「建長四年壬子七月 従五位上行長門守□□朝□□□」と刻銘があり,笠間城主笠間時朝の発願による造像であると解される。なお光背は失われている。