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木村武山 生誕150年
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武山を見る

武山は、近代日本画を代表する画家の一人として、歴史上の人物や出来事を題材とした「歴史画」、壮麗な作風で知られる「花鳥画」、そして晩年に力を注いだ「仏画」など、幅広い分野で優れた作品を残しました。

武山の多彩な作品の魅力に触れられる、優品を3点紹介します。

それぞれの作品には、時代背景や武山ならではの表現技法、作品に込められた想いが息づいています。
また、作品の見どころやポイントは、茨城県天心記念五浦美術館学芸員・木澤沙羅きざわさらさんによる解説です。
専門的な視点からひもとく武山の世界をぜひお楽しみください。

花鳥画

特集_4(花鳥画)

老松二鷹ろうしょうにたか
大正10から11(1921-22)年頃
個人蔵

繁栄を意味する松と勇猛な鷹は、おめでたい画題として組み合わせて描かれることが多くありました。
この作品では、松の緑色に対比して真っ赤な蔦を描き、画面に華やかな彩りを与え、鷹の気高さをいっそう引き立たせています。
武山は若い頃から色彩感覚を高く評価されており、この作品でも武山の優れた技量がうかがえます。

仏画

特集_5(仏画)

聖観音しょうかんのん
大正12から14(1923-25)年頃
個人蔵

大正から昭和期の武山は「仏画の武山」と称され、多くの仏画を制作しました。
十一面観音や千手観音などさまざまな観音菩薩のなかで、この作品に描かれる聖観音は、その基本となる姿であり、空から来迎する様子が色彩豊かに表されています。
古典研究に基づきながらも、鮮やかな色彩や精緻な衣文の表現に、武山独自の工夫がみられます。

歴史画

特集_6(歴史画)

安房劫火あぼうごうか
明治40(1907)年
茨城近代美術蔵

中国・秦の始皇帝が造営した阿房宮が項羽軍に焼き払われた際に、その炎が3か月の間燃え続けたという説話を描いています。
この作品は五浦で制作され、文部省美術展覧会で三等賞を受賞し、武山の出世作となりました。
師・天心はこの作品に対して「この絵にしてごうごうたる大音響が聞こえたなら天下の名作であるが」と批評したと伝わっています。

木村武山の足跡をたどる

茨城県近代美術館

特集_8

住所

水戸市千波朝東久保666-1

電話

029-243-5111

開館時間

午前9時30分から午後5時
※入館は午後4時30分まで

休館日

月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日休館)・年末年始

詳しくはホームページをご覧ください。

茨城県天心記念五浦美術館

特集_9

住所

北茨城市大津町椿2083

電話

0293-46-5311

開館時間

午前9時30分から午後5時
※入館は午後4時30分まで

休館日

月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日休館)・年末年始

詳しくはホームページをご覧ください。

武山へのまなざし

木村武山-愛すべき実力者

武山と親交した人々は、その人柄を驚くほどほめている。
「非常に親切で世話好き」それも「親身も及ばぬ親切」。
「怒ったのを見たことがない」が、ただのお人よしではなく、「非常に才気あり、機知縦横」で「考察力がすばらしく機敏」そのうえ「理知的」で「事務的才能」が鋭敏にはたらく。
対談中は「ウィットに富んだ、しゃれた会話の連続」だという。
欠点は、そのサービスが「度をすごす」こと、画室を「実にきたなくよごす」ことくらいだ。
武山は、五浦の4人の画家で最も多くの弟子を抱えた。
それもこの性格によるだろう。

その明るさは画面では華麗な色彩として表れている。
しかし、単に明るいだけではない。
日露戦争当時、陸軍近衛連隊で軍務についていたことを軽く見るべきではない。
明治末から傾倒しはじめた仏画には、戦死した多くの兵士への思いが込められていただろう。
得意の花鳥画は、極楽浄土を表す鎮魂と平和への象徴と受け取りたい。
武山のやさしさが表れていると思う。

特集_7

茨城県天心五浦美術館
小泉晋弥こいずみしんや館長

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