観察記録     
観察記録2023.02 2023年2月の定期観察記録です。写真をクリックすると
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@ 枯葉の間からフキノトウ 2023.01.18 撮影 町田

D 雌株の頭花 (参考)
    2020.03.01


E雌株の結実 (参考)
    2015.04.12  
   
A 雄株の頭花(参考)
  2019.02.27

B 雄性花 撮影 町田 
    2023.01.18

C 雄性花の花柱 撮影 町田 
      2023.01.18
  
     【 観察メモ 】

今回は、町田さんに撮影して頂いたフキノトウの花のつくりについて、調べてみました。 キク科の中では、ちょっと風変りなフキノトウ(フキの花)の姿がわかりましたので ご紹介します。

   
キク科の花は一般的には舌状花と筒状花という小花が集まって頭花を 作っています。 いずれの小花も両性花で花粉を出す雄しべと雌しべ(受粉 をする柱頭)を持っています。
花びらといわれている舌状花も 一個の 「完全な花」 なのです。

キク科の中には、舌状花だけのもの、筒状花だけのものもあります。

一般的頭花:カントウヨメナ、ヤマシロギク、ノコンギク・など
舌状花だけ:タンポポ、ジシバリ、ニガナ、ヤクシソウ、ノゲシ・など
筒状花だけ:アザミ、ヒヨドリバナ、キッコウハグマ・など
   
カントウヨメナ (参考)
 舌状花と筒状花


カントウタンポポ(参考)
   全部舌状花
  

アザミ (参考)
 全部筒状花
  
   

フキノトウ各部名称   
フキノトウが地中から顔をだして、多くの頭花を包んでいた苞が開くと、フキノトウの花が咲いたと思いがちですが、実はそうではなくて、 頭花の中にある筒状花(写真の黄色の粒々)が開いた時が本当の開花なのです。

フキは雌雄異株植物で雌株と雄株に分かれています。

雄株の頭花:雄性花が多数を占め、中性花や雌性花が少数混っているものや、中性花だけという変なものもあるという。

雌株の頭花:
雌性花が多数を占め数個の中性花が入ります。
  
一般的な筒状花は開花すると、合着して円筒状になっている雄しべの中で花粉をつくる。 その中央を花柱が花粉を押し上げながら伸び、 伸びきったところに柱頭ができて両性花となる。 ところが、
フキノトウの筒状花では、両性花の形をしているのに肝心な柱頭がない雄性花、雄しべがあっても花粉を出さず柱頭もない中性花、完全に 雌花になった雌性花の三種があります。(上図参照)
 ※ 「 雄性花のメシベに花粉がついている」 という表現は間違いではありませんでした。 m(__)m

フキは雄性先熟植物らしく、雄株の方が先に開花します。 写真の撮影日でもそのことが分かります。 近場での近親交配を避けるため に、周辺の雄花がなくなったとろで雌花が咲き出し、虫たちが遠くから運んでくる花粉を待つのだという。

ところで、虫たちは何を目当てに雌花に集まるのでしょう?  雌花には虫たちのごちそうのひとつ花粉はない。それでは蜜を出しているのか? 疑問に思ってさらに調べてみると、 「 雌株の頭花の中央付近に混っている中性花が蜜を出している 」 という記事を見つけました。 雌花に蜜腺はなく、雄性を失った中性花が蜜だけ出して受粉を助けているのです。 奥が深ぁ〜いですね!!。

写真A〜Cは雄株の頭花を写したもので、花冠が5裂しその中央から花粉をつけた花柱が伸びているのがわかります。 写真Cは花柱先端部をアップで撮ったもので花粉がついているのがわかります。

写真Dは雌株の写真で、白い糸状のものが雌しべです。中性花が混じっているのがわかります。 写真Eは綿毛をつけた実を飛ばすために 40aもの高さに延びた花茎です。

   
オオゴキブリ 2023.01.18 撮影 町田
   【 オオゴキブリのこと 】

本件も町田さんからの情報提供によるものです。

従来ヤマトゴキブリとして 「天神の里の主な生き物」 に登録がありましたが、 これをオオゴキブリと同定して頂いたので、種名を訂正して今回撮影されたものと一緒に登録します。


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