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施政方針(平成24年第1回笠間市議会定例会) 平成24年2月29日

はじめに

平成24年度の一般会計をはじめ各特別会計・企業会計の予算並びに関係諸議案のご審議をお願いするにあたり、市政運営についての基本的な考え方と主要施策などについて所信を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

東日本大震災からの復旧復興

昨年、3月11日に発生しました東日本大震災から、早1年を経過しようとしております。改めまして、この災害により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災されました方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
国内の観測史上最大となるマグニチュード9.0の地震と津波、原子力事故という複合的な災害に見舞われました昨年の我が国は、まさに復旧・復興に明け暮れた1年でありました。
政府は、4次にわたる補正予算の編成、また、平成24年度予算案にも復興予算を盛り込み財源の手当を行うとともに、日本再建の指令塔となる復興庁を発足させ、被災地の復興支援をワンストップで行う体制を整えたところであります。
また、ライフラインをはじめとするインフラ等に対する直接的な被害と、原子力事故による風評により大きな被害を受けた茨城県も、早期の復旧を目指し事業を進めるとともに、放射線検査を徹底し、茨城県産農産物と観光地の安全性のPRを重ね、風評被害の払拭を図っているところであります。
笠間市の復旧状況ですが、道路、公園及び都市施設等の公共土木施設につきましては、下水道工事との兼ね合いで行います道路工事を除きましては、ほぼ年度内に復旧が完了する見込みです。また、下水道関係の工事につきましても、3月までには、工事の発注が完了する見込みであります。
また、学校施設につきましては、ほぼ復旧が完了し、唯一使用ができませんでした笠間幼稚園につきましても、今月20日から保育を開始したところであります。
笠間市民体育館、友部公民館体育室、稲田公民館につきましては、国の災害査定が終了し、補助の内定がありましたので、稲田公民館につきましては建て替えをし、市民体育館、友部公民館体育室につきましては、施設の長寿命化を図るため、復旧・耐震補強工事に加え、老朽化に伴う改修工事を併せて行い、来年度中の使用再開を目指してまいります。
また、笠間・水戸環境組合の「ゆかいふれあいセンター」につきましても、災害査定が終了し、財源の目処が立ちましたので、復旧工事に着手し、来年度中の再開を目指してまいります。なお、今後の施設運営につきましては、効果的・効率的な管理運営を通じ、市民サービスの向上と経費の縮減を図る方策を、多方面から検討してまいりたいと考えております。

放射線対策につきましては、市内43箇所の放射線量の測定、放射線マップの作成、水道水・食品の放射性物質の検査、原子力アドバイザーの配置などを行い対処してまいりましたが、今後も継続して放射線を測定し、市民に正しい情報を提供してまいりたいと考えております。

市政を取り巻く情勢

さて、現在の日本経済は、円高、デフレによる景気の低迷から抜けきれない状況が続いております。最新の経済指標によれば、個人消費の底堅い動き、生産や雇用の持ち直し、国の補正予算の効果などにより、一部に明るい兆しはあるものの、欧州政府債務危機、電力供給の制約、原子力災害の影響など景気を下押しするリスクも存在しております。
このような中、政府は大震災からの復興に全力を尽くすとともに、デフレ脱却に断固として取り組むため、日本銀行と一体となって安定的な物価上昇を実現する態度を明確にし、これを受けて、日本銀行はゼロ金利政策等により、当面の消費者物価の上昇率1%を目指す、金融緩和策を決定したところであります。
また、少子高齢化、人口減少社会における持続可能な社会保障制度のあり方、国の債務が1,000兆円にも上る我が国の財政の健全化を踏まえた新たな国民負担のあり方を議論するため、「社会保障と税の一体改革」を閣議決定したところであります。

施政方針の考え方

先般、厚生労働省より50年後の我が国の人口推計が発表されました。それによりますと、50年後には日本の総人口は3割減少し8,674万人となり、高齢者が人口の4割を占めるという、日本が世界でも突出したスピードで少子高齢が進行しているということを改めて裏付けるデータでありました
また、本年1月1日現在の、茨城県の推計人口によりますと、昨年1年間の茨城県の人口減少数は、1万4,444人の減で、295万4,126人、県内で人口が増加したのは7団体のみであり、笠間市の減少数は669人で7万8,704人と7万9千人を割り込んでいる状況にあります。
少子高齢化、人口の減少は、日本全体の流れとなっており、労働力の減少、消費の落ち込みによる経済活力の衰退、持続可能な社会保障制度の崩壊など様々な問題を引き起こすことが懸念され、これに対する対策が急務となっており、政府も社会保障と税の一体改革の中で議論を行っているところであります。
このような状況の中、平成24年度は、本年度に引き続きましての農業支援対策に加え、新たに定住化対策と健康づくり対策を重点施策として位置付け、事業を展開してまいります。
「定住化対策」につきましては、広域交通の要衝という地の利や本市が有する豊富な地域資源を生かし、「住みよいまち 訪れてよいまち かさま」を目指し、本年度まで行ってまいりました、子育て支援、少子化対策などの施策に、市街地の活性化、産業支援、雇用対策、住環境の整備などの新たな事業を加え、定住化を図る施策を総合的に取り組んでまいります。
「農業支援対策」につきましては、農業は地域の地場産業という考え方のもと、農業経営の安定化、担い手の育成、グリーンツーリズムを推進し、引き続き農業の振興に取り組んでまいります。
「健康づくり対策」につきましては、世界保健機関(WHO)が提唱する「健康都市」を目指し、人の健康づくりと、健康的な生活を支える都市環境づくりを進めるための「健康都市づくり運動」を展開するとともに、本年度に策定した、「笠間市健康づくり計画」を基に、市民が生涯にわたり、健康で元気に暮らせる地域社会を実現するための取り組みを行ってまいります。

平成24年施政方針演説

予算編成方針

次に、予算編成方針についてご説明申し上げます。
まず、歳入につきましては、個人市民税は、年少扶養控除の廃止や特定扶養控除の縮減などの税制改正等により、平成23年度と比べ増収となる見込みでありますが、固定資産税は、3年に一度の評価替えや東日本大震災の影響等により、大幅な減収となる見込みであり、市税全体としては、前年度と同規模程度を見積もったところであります。
また、市税とともに、歳入の根幹をなす地方交付税は、国の地方財政対策により、前年度同額程度を確保しているところであり、地方交付税の代替措置である「臨時財政対策債」とともに、前年度と同規模を計上しているところであります。
歳出につきましては、義務的経費である社会保障関係経費が増大することが見込まれ、投資的経費充当財源を圧迫しつつある状況であります。
これらのことから、予算編成方針の基本的考え方として、市の将来あるべき姿を見据えた長期的視野に立ち、全ての事務事業の必要性・目的・効果等のさらなる検証により、効率的で実効性の高い行政運営を目指した予算とすることを掲げ、行財政改革を推進しつつ、全部署において可能な限り経費の見直しを図りながら、真に市民が求めている施策を進めてまいります。
各種施策の財源確保としては、事務事業経費の見直しによるもののほか、国や県などの補助制度を積極的に活用してまいります。また、市債の借入れにつきましては、市債の繰上償還に充てる市債(いわゆる借換債)のほかは、普通交付税の代替措置である「臨時財政対策債」と、交付税算入率が高い「合併特例債」や「防災減災事業債」、さらに「災害復旧関連の市債」に限って借り入れるものであります。さらに、平成23年度までに積み立てることができました「財政調整基金」から繰り入れて、財源確保を図るものであります。
平成24年度の一般会計予算は、総額275億円であります。
特別会計予算につきましては、国民健康保険特別会計をはじめとします7会計で、予算総額は173億8,300万円であります。
また、企業会計予算につきましては、市立病院事業会計をはじめとします3会計で、予算総額は29億6,488万7,000円であります。
なお、一般会計予算と特別会計予算及び企業会計予算を合わせた、笠間市の平成24年度の予算総額は478億4,788万7,000円で、前年度と比較すると9億6,694万6,000円の増となっております。
今後の財政運営につきましては、「財政健全化法」の趣旨を踏まえ、本市の財政状況を的確に分析しつつ、各種施策の緊急性・必要性を充分検討しながら、限られた財源を重点的かつ効率的に配分し、節度ある財政運営に努めてまいります。

 

主要施策の概要

1.広域交流基盤を生かした新時代のまちづくり【土地利用・都市基盤】

続きまして、主要な施策の概要について、総合計画の将来像を実現するための6つの柱(施策の大綱)に従って、述べさせていただきます。
はじめに、「広域交流基盤を生かした新時代のまちづくり」についてご説明申し上げます。
まず、岩間駅周辺整備事業でありますが、岩間地区の新たな玄関口として、交通結節点の機能強化や駅アクセスの利便性向上のため、駅舎及び自由通路、駅前広場等の整備を進め、今年7月の供用開始に向けて取り組んでまいります。また、効率的な土地利用や居住環境の向上のため、岩間駅東土地区画整理事業の面整備については、平成24年度末の完了を目指してまいります。
また、岩間駅東大通り線延伸部につきましては、岩間駅東口から国道355号バイパスまでの未供用区間680mを、駅東口へのアクセスの向上、地域の発展のため、平成27年度の完成を目指して事業を進めてまいります。
次に、新規事業であります、景観研究事業ですが、美術系大学との連携により、市の景観に係る調査研究を行い、市内における学生等の活動による地域の活性化及びさらなる市の魅力向上を図ってまいります。

次に、道路整備についてでありますが、国道355号笠間バイパスの整備につきましては、笠間地区の石井地内と来栖地内を優先整備区間として進めており、石井地内の本線部分の用地買収が済みましたので、工事着手に向け推進してまいります。
また、来栖地内につきましては、平成24年度中に、市道「来栖飯合線」から市道「来栖本戸線」までの680m区間の供用化を目指してまいります。笠間バイパスにつきましては、引き続き関係機関と連携をしながら、早期完成に向け事業促進に努めてまいります。
主要地方道「大洗友部線」につきましては、懸案となっております橋爪地区の未改良区間約600mの整備に向け、本年度に引き続き、調査設計を行う予定でございます。涸沼川の整備と一体的に事業化が図られるよう、関係機関並びに地域の皆様と協議しながら取り組んでまいります。
その他の県道整備につきましても、茨城県と連携しながら改良率の向上に努めてまいります。
市道の整備でありますが、幹線道路につきましては、現在行っている各路線の整備を継続して進捗させて行くとともに、地域からの要望の多い、生活道路、特に排水溝の整備につきましては、来年度、重点的に予算を配分して地域の課題解決に取り組んでまいります。
まず、合併支援道路である「上町大沢線」、「来栖本戸線」及び「笠間小原線」につきましては、国の交付金などを活用しながら早期完成に努めてまいります。特に、「来栖本戸線」につきましては、国道355号バイパスの一部供用開始に合わせまして、355号バイパスの供用箇所から「市道(笠)3531号線」(フルーツライン)交差部までを平成24年度内に開通させる予定であります。
また、友部地区旭町地内の「市道(友)2級6号線」は、都市計画道路「宿大沢線」と「市道(友)1級9号線」を結ぶ友部駅へのアクセス道路となりますので、平成24年度内の全線供用を図ってまいります。
都市計画道路につきましては、都市計画決定後、未着手となっている路線について、現在の社会情勢を踏まえた市の将来像等との整合性を多角的に検証し、計画の見直しが必要であると思われる路線の存続・変更・廃止について再検討をしてまいります。

畜産試験場跡地につきましては、これまで20年以上にわたり様々な検討がされてきた中で、多額の費用を要する雨水排水処理施設の整備が常に課題となり、協議が進捗しない状況にありました。そのような状況の中、「みどりの広場」としての暫定利用などをきっかけとしながら、本年度において茨城県と共同で畜産試験場跡地周辺基礎調査を実施したところであります。
本調査に基づく協議において、雨水排水処理施設の整備及び跡地の利活用について茨城県に強く働きかけを行った結果、県の市町村合併支援事業である「新市町村づくり支援事業」として、県が事業主体となって雨水排水処理施設の整備を進めることとなりました。これにより、本市にとって最大の効果といえる、本格的な利活用が推進される見込みとなったところでございます。
今後は、県と市の共同による企業、学校などへの紹介などを強めながら、利活用等の決定についても市が参画するなど、畜産試験場跡地の利活用を積極的に推進してまいりたいと考えております。

2.多彩な交流で飛躍する活力ある産業のまちづくり【産業】

次に、「多彩な交流で飛躍する活力ある産業のまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、門前通り拠点整備事業ですが、東日本大震災の影響により、笠間稲荷門前通り周辺の観光客の食事や宿泊を担ってきた民間業者が廃業となり、観光の顔として利用されてきた宿泊施設等が、この周辺から姿を消すこととなりました。地域の魅力の向上、観光人口の増加と賑わいを創出するため、旧ホテル井筒屋から日動美術館にかけてのエリアに、観光の拠点を整備するための基本構想の策定を行ってまいります。また、笠間稲荷門前通りにつきましても、地元と連携しながら、歩行者を優先した道路や景観等のまちづくり計画を策定してまいります。
次に、「笠間焼」や「稲田みかげ石」の地場産業支援ですが、県や関係機関と連携し、公共事業への活用や特長のあるイベントでのPRのほか、国の緊急雇用創出事業を活用し、販路拡大を図ってまいります。
また、新たな笠間焼陶芸家の支援策として、若手陶芸家のチャレンジ支援を、窯業指導所や笠間焼協同組合などと連携して行うとともに、笠間焼陶芸家として創業する方や、窯業指導所の卒業生などの育成と定住化を図るための事業を行ってまいります。
次に、市内企業の支援につきましては、中小企業事業資金融資制度として保証料や利子補給の補助、また労働環境改善のための設備の投資に対する「企業活動促進支援事業補助」を引き続き実施してまいります。
さらに、災害復興といたしまして、震災復興対策の保証料や利子の補助、国・県の制度であります「中小企業等グループ施設等災害復旧事業」を活用する中小企業の支援及び、罹災を受けた笠間焼の窯の復旧に対する支援を行ってまいります。
また、雇用対策につきましては、国の緊急雇用創出事業の活用や、新たに行う「職に役立つ資格取得支援事業」により雇用促進を支援するとともに、一定の条件のもと笠間市民を新たに雇用した中小企業に対する補助制度を新たに創設し、企業の雇用支援を図ってまいります。

企業誘致の推進でありますが、広域交通環境の優位性を生かし、茨城県とともに茨城中央工業団地(笠間地区)へのPR活動やフォローアップを行うとともに、既存企業の支援につきましては、ワンストップサービスによる様々な相談や事業地拡張計画などの支援強化を図ってまいります。

次に、商業の振興でありますが、商業振興及び商店街活性化事業として、本年度に引き続き県の補助事業を活用し、商工会や商店会などが実施する空き店舗対策や賑わい創出などの事業の支援を行います。
笠間のご当地グルメであります「笠間のいなり寿司」につきましては、イベントでの笠間のPR事業を関連団体と連携しながら実施して行くとともに、昨年、盛況に開催されました「B級ご当地グルメサミット1nかさま」も引き続き開催してまいります。
また、商工振興の施策の中心となる商工会を支援し、市内商工業の振興が効率的に実施できるよう、連携した取り組みを行ってまいります。なお、震災の復興と市民の購買意欲の高揚、さらには市内の商工業者の活性化を図る事業として「がんばろう笠間商品券発行事業」を来年度も支援してまいります。また、「ふるさとまつりinかさま」につきましては、市民が一体になるイベントとして、関連団体で構成する実行委員会に対しての支援を行ってまいります。

次に、観光の振興でありますが、東日本大震災により市内の観光関連の企業や旅館が大きな被害を受け、また、その後の原発事故や風評被害により、観光客の動きは、まだまだ厳しい状況にあります。市では、旅行業登録者である笠間観光協会と協働で、笠間市が目指す「通年型観光地」づくりを行うため、笠間の特色を活かした体験型旅行プランなどの支援を行ってまいりました。来年度につきましては、一層の拡充を図るため、観光協会が行う着地型ビジネスモデル事業と連携を図り、新たな旅行商品開発に取り組み、震災の復興を含めて支援してまいります。
観光PRにつきましては、県及び関連団体と連携して、北関東自動車道や茨城空港を活用した広域的なPR活動を展開してまいります。また、笠間パーキングエリアや友部サービスエリアのPRスペース等を活用し、沿線市町を交えた効果のあるPR活動を実施してまいります。
県内で初めて認定された「恋人の聖地」につきましては、笠間青年会議所が北山公園で実施する「恋人の聖地イベント」の支援や、愛宕山に恋人の聖地をイメージするオブジェなどの設置を検討してまいります。また、全国的な広がりをみせる街コンイベントを関連団体と連携して開催し、市街地への波及効果も図れるような事業として実施してまいります。
笠間芸術の森公園前のギャラリーロードの歩道整備につきましては、観光拠点として地元関係者の皆様と協議しながら、地域の特色を活かした歩道の整備を進めてまいります。
イベントの充実につきましては、春の「花まつり」、秋の「笠間の菊まつり」等の魅力の向上策について、関係団体と連携して取り組んでまいります。また、県や関連団体と連携し「つつじまつり」や「陶炎祭」等における渋滞対策として、シャトルバスの運行事業などを実施してまいります。「笠間の菊まつり」では、街なかの装飾を検討し、笠間らしい菊の華やかさを創造し演出してまいります。
また、観光資源整備として、佐白山周辺の景観整備や北山公園の新池及び散策路の整備を行い、愛宕山につきましては、核となるスカイロッジを中心にフォレストハウスなどを一体的に活用し、指定管理者と連携し利用促進を図ってまいります。

本市の基幹産業である農業でありますが、平成24年度も引き続き重点施策として取り組んでまいります。
まず、担い手の育成支援に向けた取り組みといたしましては、安定的な農業経営を目指した担い手の育成強化や新規就農者の確保などに努め、農業後継者への研修補助や新規就農者への営農相談等の支援を行ってまいります。また、新たな取り組みとして、地域農業のあり方や今後の地域の中心となる経営体等を定めた「地域農業マスタープラン」を作成し、地域農業の活性化に努めてまいります。
農産物の生産振興につきましては、引き続き花卉や栗などの主要な農産物について、生産体制の強化支援策を実施してまいります。特に、栗園への改植にあたっては、伐採・抜根作業費用の助成範囲を拡充してまいります。また、優れた農産物等を販売促進に結びつける戦略としての地域ブランド「かさまの粋」の認証を促進し、農商観連携による産地振興を積極的に推進してまいります。
さらに、地産地消といたしまして、学校給食への笠間市農産物の利用促進を図るとともに、消費者から支持される農産加工品の開発や6次産業化の定着を支援してまいります。
次に、耕作放棄地対策につきましては、引き続き自己所有地を含めた農地の再生や、再生した農地の継続活用に対して助成してまいります。また、新たな取り組みとして、再生した農地での指定作物の栽培助成や、認定農業者等による耕作放棄地の再生等に助成を行い、耕作放棄地の解消に努めてまいります。
また、グリーンツーリズムの推進につきましては、「笠間クラインガルテン」を核として、指定管理者との連携により都市住民との交流を図るとともに、地域住民の手によるサポート付きリゾート農園「あいあい農園」を支援してまいります。
さらに、新たな取り組みとして、体験農業のできる農家・農産物直売所・農業関連施設等のマップを作成してまいります。
次に、米の生産調整につきましては、引き続き集落営農組織等に対する支援や農業者戸別所得補償制度における戦略作物の生産振興と新規需要米の流通助成を行い、地域内流通の拡大と生産調整達成を目指してまいります。
次に、農地の基盤整備につきましては、経営体育成基盤整備事業の箱田中央地区、友部小原地区及び滝川地区、さらに畑地帯総合整備事業の小原地区を県営事業により実施しており、地域との調整を図りながら順調に進捗しております。
平成24年度からは市施行により、JR水戸線稲田駅南側に位置する大古山地区(約8ha)について、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金事業を活用し、基盤整備を実施してまいります。
森林整備につきましては、引き続き森林湖沼環境税を活用した森林機能緊急回復整備事業による間伐や作業路の整備、身近なみどり整備推進事業よる市街地に隣接する平地林や農業集落に隣接する里山林等で公共性の高い部分の環境整備を行い、健全な森林の育成と多様な森林の活用を推進してまいります。

3.共に支えあい、健やかに暮らせるまちづくり 【健康・福祉】

次に、「共に支えあい、健やかに暮らせるまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、子育て支援事業ですが、平成22年度から実施しております「ファミリーサポートセンター事業」は、子育ての援助を希望する「利用会員」と子育ての援助をする「提供会員」を合わせて約250人規模になり、子育ての相互援助活動として定着してまいりましたので、今後もさらに推進してまいります。
また、今年4月に開館します「笠間市児童館(笠間キッズ館)」につきましては、複合的な機能を有する子育て支援の拠点として、多くの市民に利用していただけるよう、幅広く事業を展開してまいります。
次に、保育事業の運営につきましては、従来から一時保育や障害児保育など各種サービスを実施しておりますが、今後も保護者の要望に沿った保育サービスに努めるとともに、全国的に問題となっております保育料の滞納につきましては、「保育料滞納対策要綱」により滞納者ゼロを目指し、厳正に対処してまいります。
また、放課後児童クラブにつきましては、市内全ての児童クラブが民間委託となりますので、今後、指導員の研修等を通じ、なお一層のサービス向上に努めてまいります。
子育て家庭への支援につきましては、子どものための手当や児童扶養手当を支給し、経済的援助をいたします。また、母子家庭の経済的自立に向けた資格の取得を推進するため、新たに母子家庭高等技能訓練促進事業を創設し、資格取得の際に安定した修業環境を提供してまいります。
また、家庭に問題のあるケースにつきましては、要保護児童対策地域協議会の関係機関と連携を図り、ケース検討会を随時開催し対応してまいります。
なお、平成24年度は「笠間市次世代育成支援行動計画 かさまっ子未来プラン(後期計画)」の3年目にあたり、本年度までの事業の評価に基づき、子育てに喜びを感じることができる地域社会を目指し、事業計画をさらに推進してまいります。

次に、少子化対策事業ですが、不妊治療費の助成につきましては、夫婦の経済的負担を軽減するため、平成20年度から行っておりますが、来年度も継続して助成を行ってまいります。
また、結婚を希望する方への支援を行う、出会い創出支援事業でありますが、引き続き、市内の団体が行う出会いの場づくりや、いばらき出会いサポートセンターへの入会に対しまして助成を行います。また、独身者の親たちの結婚セミナーや、地域の活性化を目指した大規模な合同コンパ「かさコン」の支援など、新たな視点から出会いの場づくりを行ってまいります。

次に、健康づくりの推進ですが、生活習慣病予防事業につきましては、人間ドック・脳ドックの助成枠について各検診機関との調整を行い、人間ドックで355人、脳ドックで230人の助成枠を確保しております。特定健診事業と合わせ、生活習慣病の予防と伸び続ける医療費の抑制に努めてまいります。
また、市民が24時間いつでも、健康、医療、子育て、介護などについて、無料で相談できる「かさま健康ダイヤル24」につきましては、日常の健康に関する不安等を解消し、安心して生活できるよう、より一層の利用促進を図ってまいります。
さらに、予防接種事業の推進として、国が平成23年度第4次補正予算において継続することとした「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金事業」の継続活用や、がん対策の充実として、子宮頸がん・乳がん・大腸がんの各がん検診について行っております「がん検診 無料クーポン券事業」を、市独自に胃がん・肺がんについても拡大する「がん検診推進事業」を実施してまいります。

笠間市立病院につきましては、平成21年3月に策定しました笠間市立病院改革プランの計画期間が本年度をもって終了しますので、新たに平成24年度から3年間を計画期間とする、第2次笠間市立病院改革プランを策定し、地域医療体制の中で市立病院が今後果たすべき役割や、経営効率化に係る計画などを示し、引き続き経営の健全化に取り組んでまいります。
積年の重要課題でありました医師招へいにつきましては、現在2名体制の常勤医師について、この4月から1名増員を図り、3名体制とすることになりましたので、診療体制をさらに充実させ、入院・外来患者の増加を図るとともに、市立病院が目指す在宅医療を支える訪問診療を積極的に行ってまいります。さらには、保健センターなどの関係機関と連携を図りながら、健康診断や予防接種などの保健予防活動にも積極的に取り組んでまいります。
また、病院の経営感覚に優れた人材の登用につきましても、事務局長を外部から登用し、今後、医療・保健・福祉関係部局と連携を図りながら、市立病院の新たな役割の明確化、組織体制の見直しなども検討してまいります。
地域の救急医療体制充実のため実施しております、日曜・平日夜間初期救急診療につきましては、市民の皆様が安心して救急医療が受けられるよう引き続き推進して行くとともに、重症者の受け入れを行う、第二次医療機関としての県立中央病院救急センターとの連携を強めるなど、医療環境の整備と充実に努めてまいります。

次に、福祉の推進でありますが、現在の笠間市地域福祉計画が平成24年度で終了することから、平成29年度までの5年間を計画期間とする第2次地域福祉計画を策定いたします。この計画は、高齢者、障がい者、児童等の福祉に関する基本となるもので、現在の計画の進捗状況や社会情勢の変化を検証し策定するものであります。今後も、この計画を基本として、社会福祉協議会やボランティア、NPO法人などと連携を図りながら、誰もが安心して暮らせるよう地域福祉の増進に努めてまいります。
障害者福祉につきましては、障害者自立支援法による総合的サービスを提供するため、平成24年度から6年間の「笠間市第2期障害者計画」と3年間の「第3期笠間市障害福祉計画」に基づき、「支えあい自分らしく暮らせるまちづくり」を基本理念に、障がいをもつ方が地域で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。
さらに、障害者相談支援強化のため「基幹相談支援センター」を設置し、障がいのある方の多様なニーズに応えるとともに、地域の相談支援の拠点として「笠間市障害者地域自立支援協議会」や関係機関と連携し、権利擁護や虐待防止等に向けた取り組みを行ってまいります。
本市の生活保護の状況につきましては、県内市では6番目に高い保護率となっております。今後も厳しい雇用情勢が予測される中で、国のセーフティネット事業を活用した「就労支援相談員」による被保護者の社会的自立に向けた支援に取り組んでまいります。
高齢者福祉につきましては、平成24年度から3か年計画の第5期高齢者福祉計画・介護保険事業計画を基本に各種施策に取り組んでまいります。介護保険料につきましては、介護給付費の増大等に伴い、保険料を引き上げる改定を行う必要がありますので、市民に十分理解が得られるよう、周知の徹底を図ってまいります。
また、介護予防事業につきましても、保健センターと連携し、運動・栄養・口腔機能向上等の事業を実施してまいります。
さらに、高齢者が率先して社会参加をし、生きがいをもった生活を送れるよう、高齢者クラブ活動の支援や生涯学習活動に取り組み、高齢者が自ら進んで各種活動を企画・立案し、参加する体制づくりを進めてまいります。

4.自然と共生した安全でやさしさのあるまちづくり【生活環境】

次に、「自然と共生した安全でやさしさのあるまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、住環境の整備についてですが、住宅が飽和している笠間市の現状においては、空き家・空き店舗はますます増加して行くことが予想され、安全性や景観といった面からも喫緊の対策が必要となっております。
その対策の第一歩として、世界的建築家「伊東豊雄氏」が手がけ、「笠間の家」という名前で伊藤氏が日本建築協会新人賞を受賞した、下市毛地内にある陶芸家「故 里中英人氏」の家を市に寄付していただき、伊東氏の協力を得ながら改修したのち、建築セミナーの講座や茨城県陶芸美術館との連携によりワークショップ事業などを実施し、空き家利活用策のモデル事業として推進してまいります。
また、自然エネルギーの有効利用を図り、地球温暖化防止と環境にやさしいまちづくりを推進するため、本年度に引き続き住宅用太陽光発電システム・住宅用エコキュートの設置補助を継続してまいります。
さらに、東日本大震災により自己の居住用住宅に大規模半壊以下の被害を受けた被災者の住宅補修等資金の借入れに対する利子補給制度を創設し、被災者の負担軽減を図るとともに、地震による建築物の倒壊等の被害から市民の生命及び財産を保護するため、「笠間市耐震改修促進計画」に基づき、昭和56年以前に建てられた木造住宅を対象とした耐震診断事業を引き続き実施し、住宅等の耐震改修の促進を図ってまいります。
次に、狭あい道路の整備についてですが、日常生活を支える生活道路の整備につきましては、交通危険箇所など緊急性の高い要望箇所を優先的に順次整備しているところでございます。毎年、多くの要望が市民より寄せられておりますが、限られた財源の中でこれらの要望に応えて行くためには、効率的かつ透明性を確保した整備が必要なことから、生活道路の整備基準の策定を検討してまいります。
次に、公共下水道事業につきましては、管渠工事のほか、震災により先送りしました笠間地区の笠間幹線圧送管予備ルートの整備を一部着工いたします。また、浄化センターともべの汚泥棟増設工事が平成24年度中に完成いたしますので、処理能力の向上が図られることとなります。
農業集落排水事業につきましては、小原地区を中心とする友部北部1期地区の管渠布設工事、汚水処理施設工事を、平成25年度中の供用開始に向け進めてまいります。
なお、公共下水道・農業集落排水は、地域により接続率が低い状況にありますので、接続率向上のために、啓発チラシの配布や戸別訪問を強化し、積極的に取り組んでまいります。
合併浄化槽設置事業につきましては、引き続き森林湖沼環境税を原資とする県事業を活用し高度処理型合併浄化槽の設置促進を図り、公共用水域の水質保全と生活環境の向上に努めてまいります。
市街地の排水整備事業につきましては、笠間地区浸水対策事業計画に基づき、平成21年8月の集中豪雨で特に被害の大きかった行幸町地内及び下市毛地内の浸水箇所を優先して整備を行ってまいります。
次に、上水道事業でありますが、国の補助事業を活用して岩間地区の愛宕配水池に緊急遮断弁を設置し、地震等の災害時に3地区で飲料水の確保ができるよう整備を進めてまいります。また、石綿管更新及び鉛管解消につきましても、引き続き事業を進め、安心安全な水道水の安定供給を図ってまいります。
さらに、水道情報管理システムの構築を平成24年度から2ヵ年で実施し、適切な水道施設の維持管理、事業の健全経営及び住民サービスの向上に努めてまいります。
水道料金の統一につきましては、改定の初年度を平成24年度に予定しておりましたが、東日本大震災の影響により1年先送りし、平成25年度の実施といたしました。水道運営審議会からの答申を基に、平成25年度から段階的な改定を行い、平成30年度を目途に3地区の料金を統一し、適正な事業経営及び住民サービスの公平性の確保を図ってまいります。なお、料金の改定につきましては、利用者に理解が得られるよう周知の徹底を図ってまいります。

次に、防災対策ですが、東日本大震災の経験を踏まえ、防災力の向上を重要事業に位置付け、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
まず、地域防災計画策定事業ですが、自然災害、地震災害、原子力災害等に対応し、総合的かつ計画的な災害対策を推進するため、国の考え方を踏まえ、地域防災計画の改訂を進めているところですが、原子力災害に対する指針が国から示されるのが、4月以降となるため、風水害や地震に関する計画の見直しを先行して行い、市民に周知して行くとともに、原子力災害に係る防災計画につきましては、9月頃までに策定したいと考えております。
次に、自主防災組織の育成についてですが、災害時等における市民による防災活動や避難体制などの整備を図るため、震災後、自主防災組織の結成を強化しております。現在、35の自主防災組織が設立されておりますが、さらに防災の意識向上を図り、組織率を高めてまいります。
次に、防災行政無線の統合化事業ですが、東日本大震災の反省から、市民への情報伝達方法について、複数の伝達手段の検討を進めてまいりました。災害時の情報伝達としましては、即時性の確保された防災行政無線の整備をまず進めることが必要であり、3地区で統一されていない現行の防災行政無線の周波数を統合し、円滑な通信連絡体制を確保してまいります。
また、拠点避難所などと相互連絡が確保できる通信体制を早期に確立するとともに、笠間市からの情報伝達手段である「かさめーる」の周知や、エリアメールなどの緊急情報を配信するサービスの拡大を図ってまいります。
次に、防災拠点自家発電整備事業ですが、先の震災で、停電により災害対策本部の機能が大きく失われたため、その反省により、笠間市役所本庁舎に非常用発電装置を整備し、災害時の本部機能対策及び防災拠点の機能確保を図ってまいります。

次に、消防対策でありますが、市民が安心して暮らせるまちづくりを進めるため、住宅用火災警報器の普及を図るとともに、防火水槽や消火栓などの施設整備を継続して実施してまいります。
救急体制につきましては、円滑な救急活動を行うため、笠間消防署の救急自動車を更新するほか、救急救命士の病院実習を中心とした再教育を充実させ、救急隊員が行う応急処置の質の向上に努めてまいります。また、一般市民による応急手当の普及啓発を目的とした救命講習会を、本年度に引き続き、救急ボランティア及び女性消防団員と連携して開催し、救命率の向上を図るための環境づくりを推進してまいります。
消防団につきましては、団員の加入促進を図るため市広報紙、ホームページ、パンフレットの配付などを通して団員の確保に努めるとともに、消防団協力事業所表示制度を推進し、団員が活動しやすい環境を整備してまいります。

次に、防犯、交通安全対策についてでありますが、昨年の笠間市内における犯罪事件の発生状況は、刑法犯罪件数1,020件であり、一昨年より127件減少している状況にあります。
市では一昨年から、緊急雇用創出事業を活用した安全・安心まちづくりパトロール事業を行っておりますが、今年も犯罪が比較的多くなる夏場から6ヶ月間実施してまいります。犯罪の抑止を目的とした防犯カメラの設置につきましては、友部駅・笠間駅・稲田駅に設置しましたが、今年はさらに岩間駅・宍戸駅に設置してまいります。
刑法犯犯罪数が減少している中、侵入犯罪は207件と一昨年より大きく増加していることから、住宅の玄関や窓などの防犯対策に対して助成を行う「住まいの防犯対策助成事業」を引き続き実施してまいります。
さらに、地域防犯情報の拠点となる民間交番につきまして、場所や運営方法などを具体的に検討してまいります。
交通安全につきましては、第9次交通安全計画に基づき、小中学生の交通安全教育の充実を図るとともに、特に交通安全協会や交通安全母の会と協力しながら、小学生の自転車の安全運転、高齢者の交通事故防止に努めてまいります。
多様化する消費者問題につきましては、被害防止・解決のため、昨年、消費生活センターの相談員を増員し、週3日の相談体制を週5日の相談できる体制としましたが、今年も週5日体制を継続し、市民が相談しやすい体制づくりに努めてまいります。

道路管理につきましては、市民との協働によるまちづくりを推進するために昨年度、笠間市道路里親制度実施要綱を制定し、市道の清掃、美化等に、里親24団体の協力を得ることができました。平成24年度におきましても道路里親制度のさらなる周知を図り、市民の皆様のご協力をいただきながら、道路環境の美化に努めてまいります。
また、都市公園の維持管理につきましては、市民の自主的な公園の美化活動を目的とした「笠間市都市公園グリーンパートナー制度」により3団体の協力をいただき、公園の美化・維持管理等をお願いしているところでございます。
平成24年度におきましても、都市公園グリーンパートナー制度により、市民の自主的な活動の推進を図ってまいります。
また、都市公園以外の公園に設置してある遊具等の安全点検を行い、安全・安心な公園維持に努めてまいります。

5.人が輝き、豊かな文化を創造・発信するまちづくり【教育・文化】

次に「人が輝き、豊かな文化を創造・発信するまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、小中学生の学力向上に対する取り組みですが、学力調査に見られる児童生徒の実態や学力に関する課題に対応するため、各学校が自主性を発揮し学力の向上に向けた教育活動を推進する「学力向上支援事業」、小学校4年生を対象として夏休み期間に補習授業を行う「学びのサポートプラン事業」、「寺子屋事業」などを充実させてまいります。なお、中学校においては「学力向上支援事業」による確かな学力の伸長と学習習慣の確立を目指し、長期休業期間や放課後における補習学習を実施してまいります。
教育施設につきましては、安全性を最重要視し、本市においては平成18年度から耐震化に取り組んでおります。平成24年度におきましては、稲田小学校・宍戸小学校・友部第二小学校の校舎の耐震補強工事を実施するとともに、稲田小学校・宍戸小学校・笠間中学校の屋内運動施設及び岩間第三小学校校舎の耐震補強実施設計を行ってまいります。また、耐震化未実施の小中学校全ての耐震診断事業を実施し、耐震化を推進してまいります。なお、来年度の耐震化工事が完了しますと、耐震化率は、本年度末見込みの73.9%から81.2%に高まります。
老朽化の著しい笠間学校給食センターの建て替えにつきましては、平成23・24年度の2か年事業として計画をしておりましたが、東日本大震災の影響により国庫補助の採択が遅れ、今月内示されたところであります。このようなことから、平成23年度予算の繰越しを行い、平成25年4月の供用開始を目指してまいります。なお、新給食センターでは、笠間地区10校の給食に加え、市内全ての小中学校の炊飯を実施していくほか、徹底した衛生管理による最新鋭の施設として、児童生徒に安心・安全かつ、おいしい給食を提供してまいります。
全国的な少子化が進む中、本市でもクラス替えができない1学年1学級の小中学校が全体のほぼ半数を占めており、学校規模の適正化は早急な対応を講じるべき課題となっております。そのため、笠間市立小中学校学区審議会に諮問し、今月、同審議会の答申をいただいたところであります。平成24年度は、この答申に基づいて保護者や地域の皆さんとの意見交換会を実施し、年度内に適正配置実施計画を策定してまいりたいと考えております。

次に、文化振興につきましては、音楽によるまちづくりを目指して実施しております「クールシュヴェール国際音楽アカデミーinかさま」を引き続き開催してまいります。また、市内の全小学校を対象に、子ども達が生の演奏を鑑賞することができる「青少年劇場小公演事業」も引き続き実施してまいります。

次に、スポーツの振興につきましては、引き続きかさま陶芸の里マラソン大会や全国高等学校アームレスリング選手権大会を開催するとともに、スナッグゴルフ全国大会を支援してまいります。
市民のスポーツによる健康増進につきましては、市内のスポーツ団体及び指定管理者との連携を図り、各種スポーツ教室の充実に努めてまいります。
また、平成24年度は、年齢を問わず誰もが簡単に取り組むことができることで好評であります「ウォーキング」の教室を、健康都市づくりの一環として、多くの市民に参加いただけるよう開催し、市民の体力向上と健康の増進を図ってまいります。

6.人と地域、絆(きずな)を大切にした元気なまちづくり【自治・協働】

次に、「人と地域、絆(きずな)を大切にした元気なまちづくり」について、ご説明申し上げます。
まず、協働のまちづくりでありますが、協働のまちづくりを推進するため、また、新しい公共を含めた協働事業への認識を深めるため、職員やNPO団体等の関係者が参加する勉強会等を開催し、協働のまちづくりの浸透を図ってまいります。また、市民活動の交流拠点となる市民活動センターの設置に向けて、その機能や運営体制について検討を進めてまいります。
次に、地域ポイント制度についてですが、現在、今年の12月までの予定で社会実験を行っております。地域ポイント制度は、市民が行う公共的な活動や社会貢献活動にポイントを付与し、地域商品との交換、市民が願う身近な事業や団体等が行う提案事業にポイント還元を行うものですが、情報端末を活用し、情報の提供やポイントの還元を行うことによって、新たな人材の発掘や地域活動に参加する機会が増えることが期待できます。
この社会実験により、ポイント制度の検証を行い、平成25年度の本格導入を目指して進めてまいります。
まちづくり市民活動助成金につきましては、現在、団体等の設立に対して支援する自立促進事業と、団体の個性的な事業に3年を限度として支援する地域活性化事業に分類して実施しておりますが、地域ポイント制度のポイント還元内容として、団体等の提案事業への支援を検討することから、この助成金についても見直しを図ってまいります。
また、地域コミュニティの推進につきましては、東日本大震災での教訓により、地域の課題は地域自らが解決に向けて取り組むことが大切であることが再認識されたところでありますので、地域の課題に取り組む自治会や行政区を支援する仕組みづくりを検討してまいります。行政区制度につきましては、昨年、行政区制度検討委員会から意見をいただきましたので、その趣旨をあらゆる機会を通じ説明させていただき、区の運営が円滑に行える世帯数となるよう進めてまいりたいと考えております。
国際交流の推進でありますが、元気かさま応援基金を活用し実施しております、青年海外派遣事業につきましては、引き続き、市内在住の社会人を中心に10名程度を海外に派遣いたします。海外都市との交流につきましては、笠間市国際交流協会と連携し、ドイツ・ラー市と交流の輪を広げ、さらに、韓国や中国など比較的近い海外の都市と文化や歴史、スポーツなどを介した交流ができないか検討してまいります。

次に、男女共同参画の推進につきましては、男性も女性も暮らしやすい社会の実現を目指すため、笠間市男女共同参画計画の5つの基本理念に基づき、様々な取り組みを進めてまいりました。しかし、少子化に伴う人口減少、個人の価値観やライフスタイルの多様化、地域におけるつながりの希薄化など社会は大きく変化しており、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みが一層求められております。このような状況を踏まえ、来年度は、平成25年度から29年度を計画期間とする、第2次笠間市男女共同参画計画を策定してまいります。

最後に、行政経営に対する取り組みですが、行財政改革につきましては、昨年策定しました「第二次笠間市行財政改革大綱」で定めた、「市役所の変革」、「市民協働・公民連携の推進」、「財政基盤の確立」の3つの柱(改革の方針)に基づき、しっかりと取り組んでまいります。また、指定管理者制度につきましては、より一層のサービス向上と管理の適正化に向けて、モニタリング制度の運用を精査し、導入効果の的確な評価・分析のもと改善につながる体制の充実を図ってまいります。
行政評価につきましては、外部評価を引き続き実施し、行政内部の評価との乖離点を明確にしたうえで、評価の客観性、信頼性の向上を図り、職員の意識改革及び事務事業の改善につなげてまいります。また、本年度策定いたしました総合計画後期基本計画の進行管理を担う施策評価の試行を行い、行政評価制度の充実を図ってまいります。

以上が主要な施策の概要についてであります。

平成24年度は、10年間のまちづくりの総合的な指針となる、「笠間市総合計画」の折り返しの年となります。
総合計画につきましては、前期基本計画を検証したうえで、新たに健康都市づくり・防災力向上・地域の活性化の視点を取り入れた後期基本計画を、本年度新たに策定いたしました。
震災の復興とともに、ただいま申し上げました、笠間市総合計画・基本構想の6つの柱を基本に、議会はもとより市民の皆様と真摯に議論を重ね、手を携えながら、職員と一丸となって「みんなで創る 文化交流都市」を実現してまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは秘書課です。

〒309-1792 笠間市中央三丁目2番1号

電話番号:0296-77-1101 ファクス番号:0296-78-0612

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