○笠間市パブリック・コメント手続条例

平成18年3月19日

条例第11号

(目的)

第1条 この条例は,パブリック・コメント手続に関して必要な事項を定めることにより,市の施策等の形成過程における市民への情報提供を充実し,及び説明責任を果たすとともに,市民からの提案,意見等を考慮した施策等の効果的,効率的な立案を図り,もって市民の市政への積極的な参画を促し,市民との協働による開かれた市政の推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「パブリック・コメント手続」とは,市の基本的な施策等の策定に当たり,当該策定しようとする施策等の趣旨,目的,内容等の必要な事項を広く公表し,それに対して市民等から提出された意見及び情報(以下「意見等」という。)を考慮して意思決定を行うとともに,意見等の概要,意見等に対する市の考え方等を公表する一連の手続をいう。

2 この条例において「実施機関」とは,市長,教育委員会,農業委員会及び公営企業管理者をいう。

3 この条例において「市民等」とは,市政に関し意見等を有するすべての者をいう。

(パブリック・コメント手続の対象)

第3条 パブリック・コメント手続の対象となる施策等(以下「施策等」という。)は,次に掲げるものとする。

(1) 次に掲げる条例の制定又は改廃に係る案の策定

 市の行政運営の基本的な制度を定める条例

 広く市民に義務を課し,又はその権利を制限することを内容とする条例(金銭徴収に関する事項を内容とするものを除く。)

 市民の生活又は事業活動に直接かつ重大な影響を与える条例

(2) 広く市民の生活に影響を与える施策等の制度を定めた要綱その他これに類するものの制定又は改廃

(3) 総合計画等市の基本的な施策等の方向性を定める計画,個別行政分野における基本的な施策等の方針等の策定又は改廃

(4) 広く市民の公共の用に供される施設の建設・整備に係る基本的な計画の策定又は改廃

(5) 市の基本的な方向性等を定める憲章,宣言等の策定又は改定

(6) 前各号に掲げるもののほか,策定又は改定しようとする施策等の趣旨,市民の生活への影響等を勘案して,パブリック・コメント手続を実施することが適当と実施機関が認めたもの

(適用除外等)

第4条 次に掲げるものについては,この条例の規定を適用しない。

(1) 迅速又は緊急を要するもの

(2) 改正,改定等の部分が軽微なもの

(3) 法令その他の規程により定めるものであって,市独自の判断の部分が極めて小さいもの

(4) 法令その他の規程により,縦覧及び意見書の提出その他の手続でパブリック・コメント手続と同様の手続を行うもの

(5) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第1項の規定による直接請求により議会に付議するもの

2 実施機関は,地方自治法第138条の4第3項の規定により設置する審議会その他の附属機関及び実施機関が設置するこれに準じる機関が次条から第9条までの規定に準じた手続を経て策定した報告,答申等に基づき,施策等の策定を行うときは,改めてパブリック・コメント手続を行わないで施策等の策定の意思決定をすることができる。

(施策等の案の公表)

第5条 実施機関は,施策等の策定をしようとするときは,その意思決定を行う前の適切な時期に,施策等の案を公表しなければならない。

2 前項の規定により施策等の案を公表するときは,併せて次に掲げる資料を公表するものとする。この場合において,当該資料の内容が市民等に容易に理解されるよう図表,注釈等を加えるなどの表現方法等に工夫するよう努めるものとする。

(1) 施策等の趣旨及び目的並びに施策等の案を作成した経緯

(2) 施策等の案を立案する際に整理した実施機関の考え方及び論点

(3) 前2号に掲げるもののほか,市民等が当該施策等の案を理解するために必要な関連資料

3 前2項の規定による公表は,実施機関が指定する場所での閲覧又は配布,インターネットを利用した閲覧等の方法により行うものとする。

(手続実施の予告)

第6条 実施機関は,前条の規定により施策等の案及び同条第2項各号に掲げる資料(以下「施策等の案等」という。)を公表する前に,次に掲げる事項を広報紙への掲載,インターネットを利用した閲覧等の方法により,当該パブリック・コメント手続の実施を予告するものとする。

(1) 施策等の案の名称及びその説明

(2) 施策等の案に対する意見等の提出時期

(3) 施策等の案等の入手方法

(意見等の提出)

第7条 実施機関は,施策等の案の公表の日から20日間以上の期間を設けて,施策等の案等についての意見等の提出を受けるものとする。ただし,緊急その他やむを得ない理由があるときには,その理由を明示し,当該期間を短縮することができる。

2 前項の意見等の提出の方法は,次に掲げるとおりとする。

(1) 実施機関が指定する場所への書面の提出

(2) 郵便

(3) ファクシミリ

(4) 電子メール

(5) 前各号に掲げるもののほか,実施機関が必要と認める方法

3 意見等を提出しようとする市民等は,原則として住所,氏名その他規則で定める事項を明らかにしなければならない。

(意思決定に当たっての意見等の考慮)

第8条 実施機関は,前条の規定により提出された意見等を考慮して,実施機関としての施策等の策定の意思決定を行うものとする。

2 実施機関は,前項の規定による意思決定を行ったときは,次に掲げる事項を公表しなければならない。ただし,笠間市情報公開条例(平成18年笠間市条例第12号)第6条に規定する不開示情報に該当するものは除く。

(1) 提出された意見等の概要

(2) 提出された意見に対する実施機関の考え方

(3) 施策等の案を修正した場合における当該修正内容

3 第5条第3項の規定は,前項の規定による公表の方法について準用する。

(案件の一覧表の作成等)

第9条 市長は,パブリック・コメント手続を実施中の案件及び既に終了した案件の一覧表を作成し,インターネットを利用した閲覧等の方法により常時市民等に情報提供するものとする。

(障害者,高齢者等への配慮)

第10条 実施機関は,障害者,高齢者等で第5条第3項に規定する公表の方法による施策等の案等の入手又は第7条第2項に規定する意見等の提出の方法による意見等の提出が困難である者と認められる者から他の方法による要請があった場合は,当該要請に適切に対処できるよう必要な配慮をするよう努めるものとする。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は,実施機関が別に定める。

この条例は,平成18年3月19日から施行する。

笠間市パブリック・コメント手続条例

平成18年3月19日 条例第11号

(平成18年3月19日施行)