○笠間市土採取事業規制条例

平成30年3月14日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、土採取事業について必要な規制を行うことにより、土採取事業に伴う災害を防止するとともに、土採取事業の跡地(以下「採取跡地」という。)について周辺の環境保全上適正な整備を図り、もって自然環境の保全と住民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 土採取事業 一定の利用目的をもって土地を掘削し、又は切取りし、土を他に移動することをいう。

(2) 事業区域 土採取事業を施行する土地の区域をいう。

(3) 事業主 土採取事業に係る工事請負等の契約(以下「契約」という。)の発注者及び契約によらないで自ら土採取事業を行う者をいう。

(4) 工事施行者 事業主との契約により工事を施行する者をいう。

(6) 所有者等 所有者、占有者又は管理者

(適用事業)

第3条 この条例は、次の各号のいずれかに該当する土採取事業について適用する。

(1) 事業区域の面積が500平方メートル以上又は採取する土の量が500立方メートル以上のもの

(2) 事業区域に隣接する土地(以下「隣接地」という。)において、当該土採取事業を行う日前1年以内に土採取事業が行われ、又は現に行われている場合において、当該土採取事業を行う者と当該隣接地において土採取事業を行い、若しくは行っている者が同一であるとき、又は当該土採取場の土地の所有者等と当該隣接地の所有者等が同一であるときで、当該事業区域の面積と当該隣接地における事業区域の面積とを合算した面積が500平方メートル以上となるもの又は当該事業区域における土採取の量と当該隣接地における採取する土の量とを合算した量が500立方メートル以上となるもの

2 前項の規定にかかわらず、この条例は、次の各号のいずれかに該当する土採取事業を行う場合については適用されない。

(1) 国、地方公共団体その他規則で定める公共的団体が行う土採取事業

(2) 他の法令の規定による許可等の処分その他の行為に係る土採取事業であって、規則で定めるもの

(事業主の責務)

第4条 事業主は、規則で定める事業区域の周辺関係者に対し、当該土採取事業についての事前の説明会を開催するなど、当該土採取事業に対する理解を得なければならない。

2 事業主は、隣接地の所有者等から同意を得なければならない。

3 事業主は、事業区域が所在する行政区の区長から当該土採取事業に対する意見を徴し、意見書を作成しなければならない。

(事業主及び工事施行者の責務)

第5条 事業主及び工事施行者(以下「事業主等」という。)は、土採取事業を施行するに当たっては、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 土採取事業に伴う災害の防止

(2) 事業区域の周辺地域における道路、水路及び橋りょう等の破損防止

(3) 土採取事業施行の際の安全対策及び公害防止

(4) 土採取事業施行後の法面等の保護

2 事業主等は、土採取事業により公共施設又は民間に係る建築物等を破損した場合には、速やかに、原状回復しなければならない。

3 事業主等は、当該土採取事業の施行に係る苦情又は紛争が生じたときは、誠意をもってその解決に当たらなければならない。

(土地の所有者等の責務)

第6条 事業区域の土地の所有者等は、土採取事業によって生ずる災害及び採取跡地の環境整備について、事業主等と共同の責任を負うとともに、事業主等が前条の規定により講ずる措置に協力しなければならない。

(事前協議)

第7条 事業主は、次条第1項又は第10条第1項の規定による許可の申請を行う前に、規則で定めるところにより、市長と事前協議をしなければならない。

(許可)

第8条 事業主は、土採取事業を行おうとするときは、前条の事前協議終了後、土採取計画を定め、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。

2 前項に規定する土採取計画には、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。

(1) 事業の目的

(2) 土採取事業の区域

(3) 採取する土の量及び土採取の期間

(4) 土採取事業の方法及び土採取事業のための設備その他の施設に関する事項

(5) 土採取事業に伴う土砂の崩壊、流出等の防止のための方法及び施設に関する事項

(6) 土採取事業に係る採取跡地の環境保全に関する事項

(7) 採取した土の搬出方法に関する事項

(8) 土採取事業の請負人及び現場責任者の住所及び氏名

(9) 採取した土の搬出先の状況に関する事項

3 市長は、第1項の許可をするに当たり、当該許可に係る土採取場の周辺の地域の生活環境の保全及び災害の防止のため必要な限度において、条件を付すことができる。

4 第1項の規定にかかわらず、事業主は、災害その他非常の事態の発生により土採取事業を緊急に行う必要がある場合には、当該土採取事業を完了した後、速やかに規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。

(許可の基準)

第9条 市長は、前条の規定により許可の申請があった場合において、当該申請に係る土採取事業が、次の各号のいずれにも該当すると認められるときでなければ、許可をしてはならない。

(1) 当該土採取事業に関する計画が規則で定める施行基準に適合していること。

(2) 第7条に基づく事前協議が終了していること。

(3) 第4条第1項に基づく説明会を開催し、事業区域の周辺関係者から当該土採取事業に対する理解を得ていること。

(4) 第4条第2項に基づき同意を得ていること。

(5) 第4条第3項に基づき意見書が作成されていること。

(6) 事業主等が次のいずれにも該当しないこと。

 心身の故障によりその業務を適正に行うことができない者として規則で定めるもの

 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 次のいずれかの事由により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

(ア) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)、浄化槽法(昭和58年法律第43号)、この条例その他生活環境の保全を目的とする法令又は条例で規則で定めるものに違反したこと。

(イ) (ア)に掲げる法令又は条例の規定に基づく処分に違反したこと。

(ウ) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)(同法第32条の3第7項又は第32条の11第1項を除く。)に違反したこと。

(エ) 刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条又は第247条の罪を犯したこと。

(オ) 暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の罪を犯したこと。

 第19条の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る笠間市行政手続条例(平成18年笠間市条例第9号)第15条の規定による通知があった日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から5年を経過しない者を含む。)

 第15条第17条第18条又は第22条の規定により命令を受け、その命令に係る措置が完了していない者(当該命令を受けた者が法人であるときは、当該命令の日に当該法人の役員であった者を含む。)

 土採取事業等に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)

 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、その役員を含む。)からまでのいずれかに該当する者

 法人でその役員又は規則で定める使用人のうちにからまでのいずれかに該当する者のある者

 個人で規則で定める使用人のうちにからまでのいずれかに該当する者のある者

 暴力団員等がその経営又は運営に実質的に関与していると認められる者

(令2条例5・一部改正)

(許可の変更)

第10条 第8条第1項の規定により許可を受けた事業主は、当該許可に係る土採取事業内容、事業区域その他の事項を変更しようとするときは、あらかじめ規則で定める書類を提出し、市長の許可を受けなければならない。

2 第8条第2項及び前条の規定は、前項の許可について準用する。

(名義貸しの禁止)

第11条 第8条第1項及び前条第1項の規定により許可を受けた事業主は、自己の名義をもって他人に土採取事業を行わせてはならない。

(事業の開始)

第12条 事業主は、第8条第1項の規定による許可を受けた土採取事業を開始しようとするときは、規則で定めるところにより、当該土採取事業を開始する日の7日前までにその旨を市長に届け出なければならない。

(標識の設置)

第13条 事業主等は、土採取事業の施行期間中、事業区域内の見やすい場所に規則で定める標識を設置しなければならない。

(施行基準の遵守義務)

第14条 事業主等は、土採取事業を施行するに当たっては、規則で定める施行基準を遵守しなければならない。

(停止命令等)

第15条 市長は、第8条第1項及び第10条第1項の規定による許可を受けず、又は第8条第2項(第10条第2項において準用する場合を含む。)の規定による当該許可に付された条件に違反して土採取事業を施行している事業主等に対し、当該土採取事業の停止を命じ、又は期限を定め、原状回復その他の必要な措置を命ずることができる。

(改善勧告)

第16条 市長は、事業主等が規則で定める施行基準に違反して土採取事業を施行しているときは、改善するよう勧告することができる。

(改善命令)

第17条 市長は、事業主等が前条の規定による勧告に従わないときは、期限を定めて必要な措置を命じることができる。

(緊急措置命令)

第18条 市長は、第8条第1項の規定による許可に係る土採取事業に伴う土砂の崩壊、流出等による災害の防止のため緊急に必要があると認めるときは、当該土採取事業の事業主等に対し、当該土採取事業の停止を命じ、又は必要な措置を採ることを命じることができる。

この場合において、事業主等が現場にいないときは、当該土採取事業に従事する者に、当該土採取事業の停止を命じることができる。

(許可の取消し)

第19条 市長は、事業主に対し、次の各号のいずれかに該当する場合は、許可を取り消すことができる。

(1) 偽りその他不正の手段により第8条第1項又は第10条第1項の規定による許可を受けたとき。

(2) 第11条の規定に違反したとき。

(3) 第17条の規定による命令に従わないとき。

(事業の完了)

第20条 事業主は、当該土採取事業が完了したときは、規則で定めるところにより、その日から14日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

2 市長は、前項の届出があったときは、速やかに、当該届出に係る土採取事業が第8条第1項の規定により許可を受けた事業計画(第10条第1項の規定による変更の許可を受けたときはその変更後のもの。)に適合しているかを検査し、当該土採取事業が当該許可を受けた事業計画に適合していると認めるときは、検査済証を事業主に交付するものとする。

(事業の廃止等)

第21条 事業主は、土採取事業を廃止し、又は停止(第15条及び第17条の規定による場合を除く。)したときは、その廃止し、又は停止した日から14日以内に規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(採取跡地に係る措置命令)

第22条 市長は、採取跡地について、第8条第1項の許可に係る土採取計画に適合しないと認めたときは、当該事業主に対し、当該事項を当該採取計画に適合させるための措置をとることを命ずることができる。

2 市長は、前項の規定にかかわらず、採取跡地について、土採取事業に伴う土砂の崩壊、流出等による災害の防止のため必要があると認めるときは、土採取事業の完了の日又は廃止の日から2年間に限り、事業主等に対し、期限を定めて、必要な措置を命ずることができる。

(承継)

第23条 第8条第1項又は第10条第1項の規定による許可を受けた者について、相続、合併又は当該許可に係る土採取事業の譲渡があったときは、相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により土採取事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は当該土採取事業の譲渡に係る譲受人が当該許可を受けた者の地位を承継する。

2 前項の規定による地位を承継した者は、規則の定めるところにより、遅滞なくその旨を市長に届け出なければならない。

(報告の徴収)

第24条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業主等に対し、土採取事業の進行状況その他必要な事項を報告させることができる。

(立入検査)

第25条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に事業区域内に立ち入り、施設その他の物件を検査させ、又は関係人に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(違反事実の公表)

第26条 市長は、事業主等が、第15条の規定による停止命令若しくは措置命令に違反し、第16条の規定による改善勧告に従わず、又は第17条の規定による改善命令若しくは第18条の規定による緊急措置命令に違反し、住民の安全と良好な生活環境を確保していく上で支障があると認めるときは、その事実を公表することができる。

(委任)

第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第28条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(1) 第8条第1項の規定による許可を受けないで、土採取事業を行った者

(2) 第10条第1項の規定による許可を受けないで、許可に係る土採取事業内容を変更して土採取事業を行った者

(3) 第15条第17条第18条又は第22条の命令に違反した者

2 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。

(1) 第24条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(2) 第25条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

3 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(1) 第12条の規定による届出をせずに土採取事業を開始し、又は虚偽の届出をした者

(2) 第13条の規定による標識を設置しなかった者

(3) 第20条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(4) 第21条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(5) 第23条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(両罰規定)

第29条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年6月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に着手している土採取事業については、この条例の規定は適用しない。ただし、第17条及び第28条第1項第3号並びに次項から第5項までの規定については、この限りでない。

3 この条例の施行の際、現に着手している土採取事業の事業主は、この条例の施行の日から起算して30日以内に、当該土採取事業に係る採取場ごとに、当該事業主の氏名又は名称及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)並びに第8条第2項第1号から第9号までに掲げる事項を書面により届け出なければならない。届出に係る事項に変更があったときも、同様とする。

4 前項の届出をするときは、規則で定める図面を併せて提出しなければならない。

5 この条例の施行の際、現に着手している土採取事業について、附則第3項の届出の内容と合算して採取場の面積が500平方メートル以上又は採取場において採取する土の量が500立方メートル以上に拡大されたときは、施行日以後に拡大された採取場については、附則第2項の規定にかかわらず、この条例の規定を適用する。

(令和2年条例第5号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前にこの条例による改正前の笠間市土採取事業規制条例(以下「改正前の条例」という。)第8条第1項の規定によりされた許可の申請であって、この条例の施行の際、許可又は不許可の処分がされていないものについての許可又は不許可の処分については、なお従前の例による。

3 この条例の施行の際現に改正前の条例第8条第1項の許可を受けている者に対するこの条例による改正後の笠間市土採取事業規制条例第19条の規定による許可の取消しに関しては、この条例の施行前に生じた事由については、なお従前の例による。

笠間市土採取事業規制条例

平成30年3月14日 条例第24号

(令和2年3月18日施行)