○準用河川における河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例施行規則
平成25年3月18日
規則第12号
(趣旨)
第1条 この規則は、準用河川における河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例(平成25年笠間市条例第19号。以下「条例」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 幅員は、3メートル以上で堤防の天端幅以下の適切な値とすること。
(2) 建築限界は、次の図に示すところによること。
(1) 床止めに接する河岸又は堤防の護岸は、上流側は床止めの上流端から10メートルの地点又は護床工の上流端から5メートルの地点のうちいずれか上流側の地点から、下流側は水叩きの下流端から15メートルの地点又は護床工の下流端から5メートルの地点のうちいずれか下流側の地点までの区間以上の区間に設けること。
(2) 前号に掲げるもののほか、河岸又は堤防の護岸は、湾曲部であることその他河川の状況等により特に必要と認められる区間に設けること。
(3) 河岸(低水路の河岸を除く。以下この号において同じ。)又は堤防の護岸の高さは、計画高水位以上とすること。ただし、床止めの設置に伴い流水が著しく変化することとなる区間にあっては、河岸又は堤防の高さとすること。
(4) 低水路の河岸の護岸の高さは、低水路の河岸の高さとすること。
(床止めの設置に伴い必要となる魚道)
第4条 条例第18条の魚道の構造は、次に定めるところによるものとする。
(1) 床止めの直上流部及び直下流部における通常予想される水位変動に対して魚類の遡上等に支障のないものとすること。
(2) 床止めに接続する河床の状況、魚道の流量、魚道において対象とする魚種等を適切に考慮したものとすること。
(可動堰の可動部のうち土砂吐き等としての効用を兼ねる部分以外の部分の径間長の特例)
第7条 条例第22条第2項に規定する場合における可動部の径間長は、可動堰の可動部のうち土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねる部分以外の部分(以下この条において「兼用部分以外の部分」という。)の径間長が計画高水流量に応じ、同条第1項の表の第4欄に掲げる値を10メートル以上超えることとなる場合又はゲートの縦の長さと横の長さとの比の値が15分の1以下となる場合においては、当該径間長を同表の第4欄に掲げる値以上とすることができる。ただし、次の各号の一に該当する場合においては、可動部の径間長を当該各号に定める値以上とすることができる。
(1) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル未満であり、かつ、兼用部分以外の部分の可動部の全長が30メートル未満である場合 12.5メートル
(2) 計画高水流量が1秒間につき2,000立方メートル以上であり、かつ、兼用部分以外の部分の可動部の径間長が50メートル以上である場合 条例第22条第1項の規定による径間長に応じた径間数に1を加えた値で兼用部分以外の部分の可動部の全長を除して得られる値
2 可動堰の可動部のゲートの構造計算に用いる設計震度は、0.12(強震帯地域)とする。
3 可動堰の可動部のゲートについては、第1項に規定するもののほか、必要に応じ、洪水時における動水圧その他のゲートに作用する荷重を計算するものとする。
(貯留水による静水圧の力)
第9条 貯留水による静水圧の力は、可動堰の可動部のゲートと貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとし、別記算式1により計算するものとする。
2 前項の地震による波浪の貯水池の水面からの高さは、設計震度0.12(強震帯地域)を用いて計算するものとする。
(地震時における可動堰の可動部のゲート)
第10条 地震時における可動堰の可動部のゲートの慣性力は、可動堰の可動部のゲート方向に作用するものとし、別記算式2により計算するものとする。
(地震時における貯留水による動水圧の力)
第11条 地震時における貯留水による動水圧の力は、可動堰の可動部のゲートと貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとし、適切な工学試験又は類似の可動堰の構造計算に用いられた方法に基づき定める場合を除き、別記算式3により計算するものとする。
(1) ゲートの起立時における上端の高さは、計画横断形に係る低水路の河床の高さと計画高水位との中間位以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするとき、又は治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、ゲートの起立時における上端の高さを堤内地盤高又は計画高水位のうちいずれか低い方の高さ以下とすることができる。
(2) ゲートの直高は、3メートル以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするときは、この限りでない。
(1) 管理橋の幅員は、水門に接続する管理用通路の幅員を考慮した適切な値とすること。
(2) 管理橋の設計自動車荷重は、20トンとすること。ただし、管理橋の幅員が3メートル未満の場合は、この限りでない。
(水門又は樋門の設置に伴い必要となる護岸)
第15条 河川又は水路を横断して設ける水門又は樋門の設置に伴い必要となる護岸は、次の各号に定めるところにより設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(主要な公共施設に係る橋)
第16条 条例第40条第2項の規則で定める主要な公共施設に係る橋は、道路幅員30メートル以上の橋とする。
(2) 既設の橋等と近接橋との距離が、条例第40条第1項の規定による基準径間長以上であって、かつ、川幅(200メートルを超えることとなる場合は、200メートル)以内である場合においては、近接橋の橋脚を既設の橋脚等の見通し線上又は既設の橋等の径間の中央の見通し線上に設けること。
(橋面)
第18条 条例第41条第2項の規則で定める橋の部分は、地覆その他流水又は波浪が橋を通じて河川外に流出することを防止するための措置を講じた部分とする。
(橋の設置に伴い必要となる護岸)
第19条 橋の設置に伴い必要となる護岸は、次の各号に定めるところにより設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 河道内の橋脚を設けるときは、河岸又は堤防に最も近接する橋脚の上流端及び下流端から上流及び下流にそれぞれ条例第40条第1項の規定による基準径間長の2分の1の距離の地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
(2) 河岸又は堤防に橋台を設けるときは、橋台の両端から上流及び下流にそれぞれ10メートルの地点を結ぶ区間に設けること。
(管理用通路の保全のための橋の構造)
第20条 条例第43条の管理用通路の構造に支障を及ぼさない橋(取付部を含む。)の構造は、管理用通路(管理用通路を設けることが計画されている場合は、当該計画されている管理用通路)の構造を考慮して適切な構造の取付通路その他必要な施設を設けた構造とする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
(適用除外の対象とならない区域)
第21条 条例第44条第1項の規則で定める要件に該当する区域は、橋の設置地点を含む一連区間における計画高水位の勾配、川幅その他河川の状況等により治水上の支障があると認められる区域とする。
(1) 高水敷に設ける橋で小規模なもの
(2) 低水路に設ける橋で可動式とする等の特別の措置を講じたもの
(1) 堤防の天端幅は、計画高水位が堤内地盤高より高く、かつ、その差が0.6メートル未満である区間においては、計画高水流量に応じ、次の表に掲げる値以上とすること。
項 | 計画高水流量(単位 1秒間につき立方メートル) | 天端幅(単位メートル) |
1 | 50未満 | 2 |
2 | 50以上100未満 | 2.5 |
(2) 堤防の高さは、計画高水位が堤内地盤高より高く、かつ、その差が0.6メートル未満である区間においては、計画高水流量が1秒間につき50立方メートル未満であり、かつ、堤防の天端幅が2.5メートル以上である場合は、計画高水位に0.3メートルを加えた値以上とすること。
(3) 堤防に設ける管理用通路は、川幅が10メートル未満である区間においては、幅員は、2.5メートル以上とし、建築限界は、次の図に示すところによること。
附則
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
別記算式1(第9条関係)
P=Woho
備考
この式において、P、Wo及びhoは、それぞれ次の数値を表すものとする。
P 貯留水による静水圧の力(単位 1平方メートルにつき重量トン)
Wo 水の単位体積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)
ho 次の表の中欄に掲げる区分に応じ、同表の下欄に掲げる水位からダムの堤体と貯留水との接触面上の静水圧の力を求めようとする点までの水深(単位 メートル)
項 | 貯水池の水位 | 波浪を考慮した計画湛水位(単位メートル) |
1 | 計画湛水位が常時満水位である場合 | 常時満水位に風による波浪の貯水池の水面からの高さ及び地震による波浪の貯水池の水面からの高さを加えた水位 |
2 | 計画湛水位かサーチャージ水位である場合 | サーチャージ水位に風による波浪の貯水池の水面からの高さ及び地震による波浪の貯水池の水面からの高さの2分の1を加えた水位 |
3 | 計画湛水位が設計洪水位である場合 | 設計洪水位に風による波浪の貯水池の水面からの高さを加えて水位 |
別記算式2(第10条関係)
I=WKd
備考
この式において、I、W及びKdは、それぞれ次の数値を表すものとする。
I 地震時における可動堰の可動部のゲートの慣性力(単位 1立方メートルにつき重量トン)
W 可動堰の可動部のゲートの自重(単位 1立方メートルにつき重量トン)
Kd 設計震度0.12(ただし、可動堰の非越流部の直上流部における水位である場合は0.06とすることができる。)
別記算式3(第11条関係)
Pd=0.875WoKdH₁h₁
備考
この式において、Pd、Wo、Kd、H₁及びh₁は、それぞれ次の数値を表すものとする。
Pd 地震時における貯留水による動水圧の力(単位 1平方メートルにつき重量トン)
Wo 水の単位堆積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)
Kd 設計震度0.12(ただし、可動堰の非越流部の直上流部における水位がサーチャージ水位である場合は0.06とすることができる。)
H₁ 計画湛水位から基礎地盤までの水深(単位 メートル)
h₁ 計画湛水位から可動堰の可動部のゲートと貯留水との接触面上の動水圧を求めようとする点までの水深(単位 メートル)