○笠間市開発事業に伴う公共・公益施設整備基準
平成18年3月19日
訓令第66号
(趣旨)
第1条 この訓令は、笠間市開発事業指導要綱(平成21年笠間市告示第87号)の規定に基づき、開発事業を行う場合の公共・公益施設の整備(以下「施設整備」という)に関連し、必要な基準を定めるものとする。
(平26訓令4・一部改正)
(通則)
第2条 施設整備に関する技術上の基本事項は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第33条に基づく開発許可の基準によるほか、茨城県の開発行為の技術基準(昭和50年5月1日施行)及びこの訓令に定めるところによる。
2 開発事業に起因する開発区域内外の施設整備については、原則として事業者の負担において行うものとする。
(道路)
第3条 道路計画は、次に掲げる事項を勘案して設計しなければならない。
2 開発区域内に都市計画道路及び拡幅予定の道路がある場合には、その計画に適合させること。また、開発区域に隣接する既存道路との整合性を考えて計画すること。
3 開発区域内の道路が接続する既存道路は、車道幅員4.0メートル以上の道路であること。ただし、その車道幅員が4.0メートルに満たない場合には、事業者の負担において確保すること。
4 開発区域内の車道幅員は、6メートル(土地利用上支障がない場合には4メートル)以上とすること。
図―1
5 開発事業により設置する道路の構造については、市担当課と協議の上決定するものであるが、標準構造としては図―2及び次の事項によるものとする。
図―2
(1) 道路は、路面排水を有効に行うため1.5%~2%の横断勾配をつけ、側溝その他適切な排水施設を設けること。
(2) 道路の縦断勾配は、9%以下とし、地形等によりやむを得ないと認められる場合は小区間に限り12%以下とすることができる。
(3) 路面排水上必要と思われる箇所には、20m以内の間隔でグレーチングを設けること。
(4) 道路占用物等の位置については、道路管理者と別に協議すること。
6 開発区域内の道路は、行き止まり道路であってはならない。ただし、次の一に該当し、やむを得ないと認めた場合はこの限りではない。
① 当該道路と他の道路との接続が予定されている場合
② 転回広場が設けられている場合
<参考> 行き止まり道路の考え方
① 車道幅員4m以上6m未満のとき
② 車道幅員4m以上のとき | ③ 車道幅員6m以上のとき |
※道路の終端には、転回広場を設けること。
<参考> 転回広場
① 転回広場は、小型自動車(L=4.7m、B=1.7m、R=6.0m)がハンドルの切り返しを最小限に近い形で転回できる広さとし、下図の形を標準とする。
② 転回広場は、道路の一部と考えてもよいものとする。
7 開発区域内の道路及び既存道路に接続する場合には、表―1のとおりすみ切りを行うこと。ただし、周辺の状況によっては、やむを得ない場合はこの限りではない。
表―1
(防護施設及び交通安全施設)
第4条 開発事業により設置される道路が次の各号に該当する場合は、防護施設及び交通安全施設を設置すること。なお、事業完了時において必要と認められた場合にも事業者の負担により設置すること。
(1) 崖面又は河川、水路、池、鉄道等に接する箇所
(2) 屈曲している箇所
(3) 歩行者、通行車両及び住民の安全のための必要な箇所
(給水)
第5条 開発区域内の給水は、原則として、市上水道から受水するものとし、施設の計画及び施工については、市水道事業管理者と協議し、決定すること。
(消防水利施設)
第6条 開発事業により必要な消防水利は、消防法(昭和23年法律第186号)第20条第1項に基づく「消防水利の基準」に従い、消火栓、防火水槽等消防に必要な水利施設等を設置するものとし、設置に当たっては笠間市消防本部及び市担当課と協議すること。
2 開発規模及び当該地域の状況により、消防施設の設置が必要と認められる場合は、事業者においてその用地を確保し、整備すること。
(排水)
第7条 排水計画は、次に掲げる事項を勘案して設計しなければならない。
(1) 排水路その他の排水施設は、開発区域及び周辺の地形、用途等土地の自然的条件を勘案して集水区域を設定し、すべての排水を支障なく排除できる規模・構造・能力等を有するものとする。
(2) 汚水処理に関して、開発区域内及びその周辺地域に本市の下水道計画がある場合はその計画に適合した施設を整備し、公共下水道が供用開始された場合は、接続するものとする。
(3) 開発区域から排除する雨水排水の放流先の能力、水利の状況等により整備が必要となる水路その他の雨水排水施設については、その管理者と協議の上、事業者の負担において整備するものとする。
(4) 計画排水区域は、雨水については開発区域を含む地形上の流域とし、汚水については開発区域とする。
(5) 原則として、雨水と汚水は分流式によって排出するものとする。
(6) 排水については、その放流先が農業用水路、河川等に利用されている場合は、その所有者又は管理者等との協議を行うものとする。
2 雨水の流出量の算定は次のとおりとする。
(1) 計画雨水量の算定方式は、合理式を用いるものとする。
Q=1/360・f・r・A
Q:計画雨水量(m3/sec)
f:流出係数
r:降雨強度(mm/hr)
A:排水面積(ha)
(2) 降雨強度値は、5年に1回の確率で想定される降雨強度値以上の値を用いること。降雨強度値の算定は、次の式を用いること。
1/5年確率降雨強度式
<水戸式>
r:降雨強度(mm/hr)
t:流達時間(min)
t=t1+t2
t1:流入時間(標準=7分)
t2:流下時間
開発前 t2=0.83l/i0.6
開発後 t2=0.36l/i0.5
l:河道延長(km)
i:河道勾配
(3) 流出係数は、表―2を標準とし、排水区域全体を加重平均して求めること。
表―2
工種別 | 地域別 |
不浸透性道路 0.70~0.95 | 市中の建て込んだ地区 0.70~0.90 |
アスファルト道路 0.85~0.90 | 建て込んだ住宅地区 0.50~0.70 |
マカダム道路 0.25~0.60 | 建て込んでいない住宅地区 0.25~0.50 |
砂利道 0.15~0.30 | 公園、広場 0.10~0.30 |
空地 0.10~0.30 | 芝生、庭園、牧場 0.05~0.25 |
公園、芝生、牧場 0.05~0.25 | 森林地方 0.01~0.20 |
※この表の使用については、中間値以上を使用すること。
3 開発事業に伴う雨水流出量の増加に対応するため、放流先の排水路が算出した流量を流下させる能力がない場合は、原則として放流先の排水路改修及び調整池の設置を図るものとし、調整池の構造基準等については「茨城県の大規模開発に伴う調整池技術基準」によるものとする。なお、調整池の周辺には、維持管理用の通路、防護フェンスを設けるものとする。
4 浸透処理施設による雨水排水処理を行う場合には、付近に水路等がなくかつ給水区域で、次の各号に該当する場合とする。
(1) 自己の業務用に供する開発事業
開発面積が1ヘクタール未満であるとき。
(2) 前号以外に供する開発事業
開発区域を含む流域が1ヘクタール未満で、当該開発区域に建築される住戸の数が24戸以下であり、かつ、当該開発区域の規模が0.6ヘクタール以下の開発事業であるとき。ただし、汚水及び雑排水が公共下水道へ放流可能な場合は、開発区域の規模が1ヘクタール未満であれば認めるものとする。
(3) 浸透処理施設の設置基準、構造基準等については、「茨城県の小規模開発に伴う雨水浸透処理に関する取り扱い基準」(平成10年10月1日制定)によるものとする。
(公園・緑地)
第8条 公園及び緑地等計画は、0.3ヘクタール以上の開発事業について適用し、開発面積の3%以上を確保すること。また、次に掲げる事項を勘案して設置するものとする。
(1) 公園用地は、地形及び災害時の避難活動並びに環境条件の適否を勘案し、利用者の有効な利用が確保できる位置に設置すること。
(2) 高圧線の下、急な傾斜地、敷地造成のために生ずる法面及び狭小不整形な未利用地は除外する。
(3) 緑地は、自然地の保全、環境及び景観の改善等に配慮し、できる限り自然状態のまま残すよう計画的に配置すること。
(集会施設)
第9条 事業者は、計画戸数により市長が必要と認めたときは、集会施設用地及び集会施設を整備しなければならない。
(ごみ集積所)
第10条 ごみ集積所は、次の各号に掲げる事項を考慮して計画しなければならない。
(1) 開発事業の規模及び当該地域の状況を勘案し、利用者が有効に利用できるとともに収集作業に支障のない場所に確保すること。
(2) 計画戸数が10戸以上の場合、1箇所以上設置するものとする。なお、10戸未満については、市担当課と協議するものとする。
(3) 規格・構造等については、市担当課と協議するものとする。
(保安施設)
第11条 街路灯、防犯灯、その他市長が必要と認める保安施設については、事業者の負担において整備しなければならない。
2 街路灯、防犯灯、その他の保安施設の位置、規模等については、市担当課と協議の上決定するものとする。
(駐車場施設)
第12条 事業者は、開発事業の目的及び規模に応じた駐車場を、次の各号に定める基準により設置しなければならない。
(1) 1台当たりの駐車スペースは、実情により異なるが、原則として長さ5.0m、幅2.5mを基準とする。
(2) 駐車区画は、明確に表示すること。
(3) 住戸各戸に駐車場を設置する場合を除き、集合住宅等の場合は1戸につき1台以上店舗等の場合は事業計画に基づく必要台数を確保すること。
2 駐車場を設置した場合の維持管理については、一戸建て住宅の場合を除き、開発事業者又は自治会等が行うものとする。
(その他の公共・公益施設)
第13条 事業者は、開発事業の規模に応じて、市長が必要と認める公共・公益施設について、開発区域内にその用地を確保し市に提供しなければならない。
(適用除外)
第14条 開発事業の内容により市長が特に認めた場合は、公共・公益施設についてはこれを除外することができる。
(その他)
第15条 この訓令の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この訓令は、平成18年3月19日から施行する。
《参考》
開発申請から検査済証までのフロー
《参考》
開発事業協議先一覧
種別 | 内容 | 担当課 |
道路 | 道路の計画、構造(路盤構成等)、帰属等 道路法24条、32条申請、位置指定道路申請 | 管理課 |
公園 | 公園施設の位置、帰属・管理等 | 資産経営課 |
排水 | 排水施設計画(排水処理方法等)、公共水路及び排水路への接続等 公共下水道への接続等 | 管理課 土地改良区 下水道課 |
給水 | 給水施設等の設置、給水施設管理者の給水同意 消火栓の設置 | 水道課 |
消防 | 消防施設設置の有無・消防本部の協議書 消防水利の位置、帰属・管理等 | 消防本部警防課 |
埋文 | 埋蔵文化財等の照会 | 生涯学習課 |
ゴミ | ゴミ置き場設置の有無、位置、帰属・管理等 ゴミの処理方法(事業ゴミ) | 資源循環課 |
交通 | 交通安全施設設置の有無(カーブミラー、デリネーター等) | 危機管理課 管理課 |
商工 | 大規模小売店舗法、工場立地法 | 商工課 |
自治 | 自治会組織、集会場設置の有無 字区域変更 住居表示 | 総務課 都市計画課 |
教育 | 学区、学校施設等の調整、通学路指定の確認 | 学務課 |
その他 | 農地法(農地転用)申請 農振法、森林法 自然公園法 農道の取扱い、境界杭(トラバース杭)の取り扱い 国土利用計画法 | 農業委員会 農政課 環境政策課 管理課 企画政策課 |
全般(開発担当) | 申請手続き、各課調整等 | 都市計画課 |
(平26訓令4・平27訓令2・平31訓令1・令4訓令2・令5訓令4・一部改正)
附則(平成19年訓令第2号)
この訓令は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成23年訓令第8号)
この訓令は、平成23年5月1日から施行する。
附則(平成26年訓令第4号)
この訓令は、平成26年4月1日から施行する。
附則(平成27年訓令第2号)
この訓令は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成31年訓令第1号)
この訓令は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和4年訓令第2号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和5年訓令第4号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。