○笠間市男女共同参画推進条例

平成18年3月19日

条例第16号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 基本的施策(第8条―第14条)

第3章 性別による権利侵害の禁止(第15条)

第4章 男女共同参画審議会(第16条)

第5章 補則(第17条)

附則

笠間市が目指す男女共同参画社会は、すべての市民の人権が保障され、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができ、多様な生き方が選択できる社会であり、男女が対等に社会のあらゆる分野に参画し、喜びも責任も分かち合う社会であります。

日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれており、国際社会における取組とも連携して、国においては、男女共同参画社会基本法が制定されました。この基本法の理念を踏まえ、本市においても、男女共同参画社会の実現に向けた取組を進めてきましたが、性別による固定的役割分担意識や、それに基づく社会制度・慣行などが依然として残されており、なお一層の取組が必要とされています。

少子高齢化の進展や経済活動の成熟化、高度情報化など、社会経済情勢の急激な変化に対応していくため、市民一人ひとりが、男女共同参画について、共に考え、行動するとともに、本市においては、豊かで活力ある男女共同参画社会の実現を市政の重要課題と位置づけ、社会のあらゆる分野において、男女共同参画に関する施策の推進が喫緊の課題となっています。

ここに、男女共同参画社会の実現のための基本理念とその方向性を明らかにし、将来に向けて、市、市民、事業者が連携し、一体となって、男女共同参画の推進に取り組むことを決意し、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、笠間市(以下「市」という。)、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 事業者 市内において事業を行う個人及び法人その他の団体をいう。

(3) 積極的改善措置 第1号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため、男女のいずれか一方に対し、その機会を積極的に提供することをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別を受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されること、男女が互いの性を尊重するとともに、個人、特に女性の生涯にわたる健康と権利が確保されることなど男女の人権が尊重されることを旨として、推進されなければならない。

2 男女共同参画は、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動に対して及ぼす影響にできる限り配慮し、男女が性別による固定的な役割分担にとらわれることなく、自立した個人としての意思と責任により、多様な生き方を選択することができることを旨として、推進されなければならない。

3 男女共同参画は、男女が社会の対等な構成員として、社会のあらゆる分野における意思決定の場に、平等な立場で共同して参画する機会が確保されることを旨として、推進されなければならない。

4 男女共同参画は、家族を構成する男女が家庭の重要性を認識し、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における役割を共有し、かつ、職場及び地域における活動とを両立して行うことができることを旨として、推進されなければならない。

5 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、男女共同参画は、国際的協調の下に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施しなければならない。

2 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するに当たり、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、市民及び事業者との協働に努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、男女共同参画に関する理解を深め、その事業活動に関し、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 事業者は、男女が職場及び家庭生活並びにその他の活動との両立ができるよう雇用の分野における環境の整備に努めなければならない。

3 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力しなければならない。

(男女共同参画行動の日)

第7条 市は、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画に対する理解と関心を深め、男女のより良いパートナーシップを築くための意識醸成と行動の日として、毎年11月11日を「いいパートナーの日」として定めるものとする。

2 市は、「いいパートナーの日」の趣旨に基づく事業を実施し、広く市民及び事業者の参加を求めるものとする。

第2章 基本的施策

(基本計画)

第8条 市長は、男女共同参画の推進に関して、総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。

2 市長は、基本計画を定めるに当たっては、市民及び事業者の意見を反映させるよう努めるとともに、第16条に規定する笠間市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)に諮問するものとする。

3 市長は、基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表するものとする。

(普及広報等)

第9条 市は、市民及び事業者が男女共同参画についての理解を深めるために、普及広報活動、教育及び学習機会の提供その他の必要な措置を講じなければならない。

(市民等に対する支援)

第10条 市は、市民及び事業者が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(積極的改善措置)

第11条 市は、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野における活動において、男女間に格差が生じている場合、市民及び事業者と協力し、積極的改善措置を講ずるように努めるものとする。

2 市は、審議会等における委員の任命又は委嘱に当たっては、積極的改善措置を講ずるように努めるものとする。

(調査研究等)

第12条 市は、男女共同参画を推進するため、男女共同参画に関する情報の収集、分析及び調査研究を行うものとする。

(年次報告)

第13条 市長は、毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況をとりまとめ、これを公表しなければならない。

(相談及び苦情の処理)

第14条 市民(この項において、市内の事業所等に在勤、在学する者を含む。)は、性別による差別的扱いその他男女共同参画の推進を阻害する人権侵害を受け、又はそのおそれがあるときは、その旨を市長に申し出ることができる。

2 市長は、前項の規定による申出があった場合には、関係機関との連携の下に、適切な措置を講じなければならない。

3 市長は、市が実施する施策について、市民及び事業者から男女共同参画の推進に関する苦情の申出があった場合には、適切な措置を講じなければならない。この場合において、市長は、審議会の意見を聴くことができる。

第3章 性別による権利侵害の禁止

(性別による権利侵害の禁止)

第15条 何人も、あらゆる場において、性別による差別的取扱い及び人権の侵害を行ってはならない。

2 何人も、夫婦間を含むすべての男女間において、身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的な行為を行ってはならない。

3 何人も、あらゆる場において、セクシュアル・ハラスメント(性的な言動に対する相手方の対応によってその相手方に不利益を与え、又は性的な言動により相手方の生活環境を害することをいう。)を行ってはならない。

第4章 男女共同参画審議会

(設置)

第16条 男女共同参画の推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要な事項について調査審議するため、審議会を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議する。

(1) 基本計画の策定及び変更に関すること。

(2) 前号のほか、男女共同参画の推進に関する必要な事項

3 審議会は、前項各号に規定する事項のほか、第14条第3項で規定する事項について調査審議し、市長に意見を述べることができる。

4 審議会は、市長が委嘱する20人以内をもって組織する。この場合において、男女のいずれか一方の委員の数は、委員総数の10分の4未満であってはならない。

5 委員は、市民、市議会議員、事業者、学識経験者及び関係団体の中から、市長が委嘱する。この場合において、市民は、公募により選出するものとする。

6 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 審議会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第5章 補則

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成18年3月19日から施行する。

笠間市男女共同参画推進条例

平成18年3月19日 条例第16号

(平成18年3月19日施行)